Google Home Maxは、音楽再生に特化した高性能スマートスピーカーです。GoogleはスマートスピーカーとしてGoogle Homeを2016年5月に、2017年10月にGoogle Home Miniをリリースしましたが、それに続く形でGoogle Home Maxを発表しました。Google Home Maxは、よりよい環境で音楽を聴くための機能、従来のGoogle HomeやGoogle Home Miniにはなかった機能を搭載しています。
ここでは、Google Home Maxの機能や特徴、日本で発売される可能性について解説していきます。
2019年3月現在、Google Home Maxは日本国内で販売されておらず、発売予定日も未定です。海外ではアメリカ、カナダ、オーストラリア、フランス、ドイツで販売されています。
Google Home Maxは、アメリカのGoogleストアで当初は399ドル(日本円に換算すると約48,000円、1ドル=109円で計算)で販売されていました。しかし、その後、100ドル値下げされて299ドルとなり、その後さらに30ドル値下げされ現在は269ドル(日本円に換算すると約32,000円、1ドル=109円で計算)で販売されています
発売当初と比べるとかなり購入しやすくなったと感じます。
Google Home Maxが日本で発売された場合、アメリカのGoogleストアと同じ価格設定になるかどうかはわかりませんが、仮にそうなったとすると、スタンダードモデルのGoogle Home(15,400円)より約17,000円高価な製品となっています。
Google Home Maxのスペックや仕様
Google Home MaxのサイズはH190.0×W336.6×D154.4mmで、重量は5,300gとなっています。カラーバリエーションは、チョーク色とチェコ―ルの2色です。
Google Home Maxのフロントには、Google Home同様の薄い布のスピーカーメッシュが使われています。Google Homeよりサイズは大きくなっていますが、スピーカーメッシュとなっているため温かみあるデザインに仕上がっています。スピーカーメッシュの中央部にはGoogle Home Miniと同様の4連LEDが埋め込まれています。
Google Home Maxのスピーカーは、ステレオ出力(2個のスピーカーでそれぞれ独立した音声を出力する方式)に対応しています。また、ハイエクスカーション対応デュアルボイスコイルウーファー2基(ウーファー:低音再生を担当するスピーカーユニット)と0.7インチのカスタムツイーター2基(ツイーター:高音再生を担当するスピーカーユニット)が内蔵されています。
プロセッサには、1.5GHz Quad-core の ARM プロセッサが搭載されています。また、他のデバイスとは、Bluetoothによる無線接続だけではなく、有線で接続することも可能です。
さらにGoogle Home Maxには、照度センサーや方位センサーも内蔵されています。
Google Home Maxは、その音質の高さに注目がされていますが、Google HomeやGoogle Home Miniと同様にスマートスピーカーですから、Googleアシスタントが内蔵されていることはもちろんです。
音声で物事を処理し取得した情報や結果を音声で伝えてくれるほか、Chromecast 受信機としての機能や、他の Chromecast デバイスにキャストする機能もあります。IoT デバイスと連携することもできますので、Google Home Maxを通してスマート家電などを音声操作することも可能です。
次に、Google Home MaxとGoogle Home Miniのスペックも比較してみましょう。
Google Home Mini
Google Home Max
サイズ
H42.0×W98.0×D98.0mm
H190.0×W336.6×D154.4mm
重量
173g
5,300g
スピーカー
360°サウンド
(40mmのドライバ)
ステレオ出力対応
ハイエクスカーション対応デュアルボイスコイルウーファー2基
0.7インチのカスタムツイーター2基
色
チョーク、チャコール
コーラル、アクア
チョーク、チャコール
価格
6,600円
269ドル
ここまでで、Google Home Maxの詳しいスペックを、Google HomeやGoogle Home Miniとの比較も行いながら見てきました。
やはり、大きな違いとしては、その大きさと言えます。
Google HomeやGoogle Home Miniに比べるとかなり大きいサイズとなっているため、部屋に置いたときの存在感が気になるところですが、前述でも紹介した通り、全面すべてがスピーカーメッシュとなっているため、それほど圧迫感を感じることもなく、インテリアを乱すことなく存在してくれることでしょう。
Google Home Maxには「Smart Sound」という音声出力に関するAIが搭載されています。Google HomeやGoogle Home MiniにもAIは搭載されていますが、Smart SoundはGoogle Home Maxの周囲にあるものを検出して、部屋の環境に応じて音響設定を自動的に調整してくれる機能です。
たとえば、リビングで使用しているGoogle Home Maxを寝室に持っていったとしても、寝室の部屋の広さに合わせて音声出力を調整してくれます。例えば、部屋の片隅に置いた場合は、後ろに壁があると自動的に認識して、後ろに出す音を弱めにして前方に出す音を強く、低音を抑え気味にするなどの調整をして、部屋全体で聞き取りやすい音を提供します。
一般的なスマートスピーカーには、Smart Soundのような音声出力を自動調整する機能は付いていません。今までのGoogle Homeシリーズと違って、Google Home Maxは音楽再生に特化したスマートスピーカーとなっています。
2台を連携させてステレオスピーカーとして使用可能
Google Home Maxは、2台を連携してステレオスピーカーとして使用できます。1台だけでも十分高音質なスピーカーですが、2台連携させるとさらに立体感が増して迫力のある音響を楽しめます。
ステレオスピーカーの連携はワイヤレスで行えるため、面倒な配線や設定は必要ありません。Google Home MaxはBluetooth接続で音楽を再生できるため、スマートフォンの音楽をステレオサウンドで再生するといった使い方もできます。
また、Google Home Maxは1台だけでも縦置きでモノラル再生(1つのスピーカーで再生する方式)、横置きでステレオ再生になります。状況に応じて、本体の向きを変えるだけで出力を変えられるのは非常に便利です。
本体裏側にはヘッドフォンジャックが付いている
Google Home Maxは裏側にヘッドフォンジャックが付いているので、一人で音楽を楽しみたいときはヘッドフォンを繋いで音楽を聴けます。ヘッドフォンジャックは従来のGoogle Homeには付いておらず、Google Home Maxで初めて搭載されました。
これにより、音楽再生機器やテレビなどと有線で接続し、Google Home Maxからの高音質再生も可能になっています。つまり、インターネット接続やBluetooth接続に対応していない機器でも、ヘッドフォンジャックを利用した接続でGoogle Home Maxのスピーカーから音を再生できるのです。これは、Google HomeやGoogle Home Miniにはなかった機能ですので、Google Home Maxのうれしい機能です。
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YouTube Musicの12ヶ月無料利用特典付き
海外で販売されているGoogle Home Maxには、YouTube Musicの12ヶ月無料利用特典が付いています。YouTube MusicはYouTubeから音楽コンテンツだけを切り出した音楽ストリーミングサービスで、無料版と有料版があります。無料版では途中で広告が流れますが、有料版では広告なしで音楽を楽しめます。
日本版のGoogle Home Maxはまだ販売されていないため、日本版でもYouTube Musicの無料利用特典が付くかは不明です。仮に日本版でも特典が付くとしたら、12,000円相当(月額税込980円×12ヵ月)の価値がある特典になります。
Google Home Maxのメリットは、何と言ってもその音質の高さにあります。Google Home Maxは単に大きいだけではなく、中身のスペックが非常に高いので、大きな音量と共に高い音質でサウンドを提供してくれます。
特に、Smart Soundの機能により、置く位置や周辺の環境に合わせて音響設定を自動調節しますので、安定した曲調を大きな部屋の隅々にまで届けることができます。Google Home Maxは、スマートスピーカー市場の中で「最高ランクの音質」と言われるほど海外での評価も非常に高く、「音質にこだわりたい」「最高の音質で音楽を堪能したい」という方には満足度を得られる製品となっています。
また、縦に置いたり、横に置いたりと言った自由度が高い点もGoogle Home Maxのメリットと言えるでしょう。家具の配置に合わせてGoogle Home Maxを置くことができるので、部屋の模様替えをしてもインテリアを邪魔しない配置で設置することができます。
Google Home Maxのデメリット
Google Home Maxのデメリットは、価格が高いということです。先ほど紹介した通り、Google Home Maxの価格は、アメリカのGoogleストアと同じ価格設定のまま日本で発売された場合、約32,000円が予想されます。Google Homeが15,400円、Google Home Miniが6,600円ですから、Google Homeの約2倍、Google Home Miniの約5倍の価格ということになります。
しかし、Google Home Maxのスピーカーとしての性能の高さを考えると、この価格設定も納得できるかもしれません。
また、Google Home Maxは、Google HomeやGoogle Home Miniと比べてカラーバリエーションが少ないという点もデメリットとなるかもしれません。
Google Home は3色、Google Home Mini は4色、Google Home Maxは2色と大きな差はありませんが、レッドやアクアなど色味を好む方であればGoogle Home Miniのチャコールとチョークは少し寂しい色味かもしれませんね。
Google Home Maxのレビュー
Google Home Maxはまだ日本で発売されていませんので、それを日本語でレビューした記事やサイトなどはほとんどありません。そのため、今回は海外でGoogle Home Maxを使ったことがあるという方の感想やレビューをまとめてみたいと思います。
Google Home Maxについては、やはりその音質を高く評価する声が多いですね。本格的なオーディオ体験を求める人にもおすすめできる、低音にはどっしりした重量感がありながらもそのほかの音域はクリアでバランスがとれている、音量も非常に大きくて満足、といった評価があります。
もちろん、Google Home Maxの音質は、10万、20万円するような他社のハイグレードなスピーカーの音質よりは劣っているかもしれません。それでも、スマートスピーカーの中では、Google Home Maxの音質がトップクラスであるというのは間違いないでしょう。
ちなみに、アメリカの「コンシューマー・レポート」という消費者情報誌は、Google Home Maxの音質はAppleのHome Podの音質よりも「若干優れている」という評価を下しています。
Google Home Maxにヘッドフォンジャックが搭載されていることを評価する声もあります。これにより、Google Home Maxは他のデバイスと有線でつないでスピーカーとして使用することができますが、それを非常に便利だと感じる人が多いようです。
Google Home Maxを不満に感じるレビューとしては、大きめの音量設定で音楽を流している時に音声コマンドをしっかり聞き取ってくれないことがある、というのがあります。やはり、スピーカーの音量が大きい分、音声認識が難しいくなる傾向にあるようです。
GoogleとしてはGoogle Home Maxを音質重視のスピーカーとして開発したのであって、スマートスピーカーとしての役割は二の次にしたゆえに、マイクの感度をあえて高く設計しなかったのかもしれませんね。
また、Google Home Maxは外観のデザインが退屈である、という感想もありました。カラーバリエーションも2つしかありませんし、人によっては味気ないと感じるようです。これは、Google Home Maxがどんな部屋・インテリアにも馴染むということを重視した結果なのかもしれません。
Google Home Maxは価格が少し高い、というレビューも見かけます。しかし、そうしたレビューはGoogle Home Maxが399ドルで販売されていた頃に書かれたもので、前述の通り、今は269ドルに値下げになっていますから、価格面での不満は少なくなっているでしょう。
Google Home Maxのライバル製品と比較
さて、最高の音質を誇るスマートスピーカーであるGoogle Home Maxには、ライバル製品も存在します。そのライバル製品としてAmazonの「Echo Studio」、Appleの「Home Pod」、Sonosの「Sonos One」、Sonyの「LF-S50G」の4製品と比較してみましょう。
Bluetooth機能も搭載していますので、ワイヤレススピーカーとしても使用できます。また、本体裏側下部に、オーディオ入力として3.5 mm ミニジャックとmini-opticalコンビネーションを備えていますので、他のデバイスと有線で接続することが可能です。さらに、Google Home Maxと同様、2台並べてステレオスピーカーとしても利用できます。
Echo Studioは、Amazonの音楽ストリーミングサービス「Amazon Music」に新しく加わった高音質フォーマット「Amazon Music HD」に対応しています。Amazon Music HDは、標準的なストリーミングの2倍のビットレートを持っており、これに対応しているのは今のところEcho Studioだけになります。
カラーバリエーションは、今のところブラック系のみとなっています。
Google Home Maxのライバル製品-Home Pod
Home Podとは、Appleが開発したSiriによる音声アシスタント機能を備えたスマートスピーカーです。価格は税込36,080円、サイズはH172×W142×D142mm、重さは2,500gとなっています。日本では2019年8月から発売となりました。Google Home Maxよりも値段が少し高めとなっています。
Google Home MaxやEcho Studioには外部入力があったり、他のデバイスとBluetoothで接続できたりしますが、Home Podはこれら2つとも非対応となっています。このため、iOS以外のデバイスと有線やBluetoothで接続してスピーカーを鳴らすことができません。ただし、iOS以外の機器と全く接続できないわけではなく、Appleの「AirPlay」対応の再生プレーヤーを使えば、Androidやパソコンからも音を伝送することができます。
Home Podで利用できる音楽サービスは、「Apple Music」や音声・動画配信サービス「Podcast」に限られます。
Home Podは上向きに設置されたウーファー、周囲をぐるりと囲む7つのツイーター、それぞれにカスタムアンプを内蔵することで、高品質の音声を360度に向けて広げることができます。また、室内での位置を感知し、それに合わせて音を自動で調節する「空間認識技術」も搭載されています。Home Podは2台ペアリングさせることで、ステレオスピーカーとして使用することもできます。