OQTAが誕生した背景に注目
冒頭でも述べたように、固定電話しかなかった時代と比較すると離れた人とコミュニケーションを取れるツールはかなり増えました。インターネットやスマートフォンが普及し、音声通話はもちろんのことメールやSNS、LINEなどのコミュニケーションツールもたくさんあります。
一度も実際に顔を合わせたことのない人とも友達になることができ、世界中に友人を持つことも可能です。
ですが、少し振り返ってみてください。離れて暮らしている身近な人、例えば、両親や祖父母など、LINEなどのコミュニケーションツールがあるといっても実際に頻繁に連絡を取っているでしょうか。
もちろん、こまめに連絡を取っている方もたくさんいるとは思います。ですが身近な存在であるが故に、甘える気持ちや気恥ずかしさがあったり、忙しさに紛れてなかなか連絡を取っていなかったりするという方も多いのではないでしょうか。
「便りがないのは良い便り」という言葉もありますが、それでもやっぱり連絡があった方が嬉しいには違いありません。相手のことを思っていても、なかなか連絡するという手段を取れない忙しい方、不器用な方の思いを代弁するツールとしてOQTAは誕生しました。
こだわりの詰まったOQTA
OQTAのコンセプトは、「思いが届くIoT」。これだけを聞くと、いったいどんなものなのか、想像もつかないのではないでしょうか。
OQTAは相手のことを思った時、スマートフォンアプリを通じてその思いを繋ぐコミュニケーションツールです。相手のことを思い出したら、スマートフォンアプリをタップすると、IoT機能を搭載した鳩時計がタップした回数分鳴くというシステムです。
多くのIoT機器にあるような見守り機能などは一切ついていません。このOQTAができるのは鳩時計の鳩を鳴かせることだけであり、非常にシンプルです。
一つのOQTAには8人まで登録が可能となっています。登録されたメンバーがスマートフォンアプリをタップすると、タップされた回数鳩時計の鳩が鳴く仕組みです。鳩が鳴けば、その時誰か自分のことを思っていると実感できるというわけです。
鳩時計の音色がメンバーによって変わるなどということはなく、すべて同じ音色です。鳩時計の持ち主はどのメンバーがアプリをタップしているのかはわかりません。
持ち主は誰が鳴らしたのかを想像したり、登録されているメンバーのことを思い浮かべたりと、見えないコミュニケーションが生まれます。
メールやSNSのように文字を打ち込んだり、写真を添付したり、電話をかけるような手間は必要ありません。相手のことを思い浮かべた時にアプリをタップするだけと手軽なので、いつでも思いを伝えることができます。
OQTAの鳩時計は電子音ではなく、現在では少なくなった空気を押し出して音が鳴るふいご式を採用しています。このふいご機構を製造しているのは、現在では1950年創業の歴史あるリズム時計工業会社のみということです。もちろん、OQTAの鳩時計もリズム時計工業株式会社製となっています。
IoT機器であれば電子音となるのが一般的なのではと思いますが、あえてこのアナログなふいご式を選択したところに、作り手の思いが感じられますね。
人の思いを伝えるものに電子音ではなく温かみのあるアナログなものを使用するというスタイルは、OQTAのコンセプトにも寄り添ったものになっているといえるでしょう。
OQTAが繋ぐ見えない絆
先進機能ばかりが注目されがちなIoT機器の中では、異色の存在ともいえるOQTAですが、人と人とのつながりが希薄になっているといわれている現代の人間関係の在り方に一石を投じるアイテムといえるのではないでしょうか。
OQTAは具体的なメッセージを伝えるわけではありませんが、誰かが自分のことを考えているということは伝わります。返信機能もないので、時間を束縛されることもありません。距離感は保ちつつも、ふとした瞬間に相手の思いを受け取ることができます。
適度な距離感があるからこそ思いを届けることにも抵抗を感じにくく、恥ずかしがったり、面倒に思ったりすることなく、素直に思いが伝えられるのでしょう。タップした側も今、鳩が鳴いているのかなと相手に思いを馳せることになり、目に見えない絆が育まれていくのではないでしょうか。
OQTA がIoTで実現する新しいコミュニケーションのあり方に注目です。