そもそも、ほとんどの住宅がIoTを前提に作られていない
GoogleとAmazon(とAppleとLINE)によるAIスピーカー戦争は、その当然の帰結として家庭のIoT化を推し進める結果となった。各社からホームIoTガジェットが発売されている。
代表的なのは、やはり照明。PhilipsのHueや、私も過去の記事で消化しているIKEAのトロードフリが有名どころだろう。ほかにも各社が発売しているが、アプリの使い勝手や入手のしやすさから言うと、この2つに敵うものはない。
あとは家電類。アイロボットのルンバを筆頭に、冷蔵庫やエアコン、洗濯機、電子レンジとIoT化の波が押し寄せている。
これら2つの共通点がおわかりだろうか。
当たり前過ぎて気付きにくいところだが、照明や家電は当然ながらもともと電源につながっているのだ。だからこそ、IoTの機能を難なく組み込むことができる。あたりまえのことを書いていると思っているだろう。しかし、これが意外と重要なのである。
そもそも、いまある住宅の99パーセント以上は、今のようなIoTの波がくることは考えられずに作られた。私がオフィス兼自宅としているマンションも、比較的新しいので各部屋のコンセントは豊富にあるものの(物件探しのとき、これが決め手だった)、それらはすべて部屋の角に配置されているため、たとえば部屋の中心にあるべきAIスピーカーを設置するには電源を延長しなくてはならない。
電源供給のできない環境でのIoT
それでも、決して無理というわけではなくなんとかやっている。しかし、たとえば窓やドアの施錠管理をするガジェットを導入するとしたら?そこへ電源を共有するのは簡単なことではない。電源ケーブルを延ばしてくればできなくはないだろうが、窓やドアそのものの使い勝手を制限してしまい本末転倒だろう。
なので、そういったガジェットは電源消費の少ない無線通信規格であるZigbeeを採用してボタン電池で数ヶ月から数年という稼働を実現している。が、家のセキュリティに関わるドアや窓にとりつけるガジェットの電源が失われたとき、それに気付かなかったら? それを恐ろしいと感じる人も多いだろう。旅行などで長期不在のときであればなおさらだ。
そんな不安を解消するガジェットが登場した。それが、老舗窓メーカーであるYKK APの「ミモット」である。
無電源で稼働する施錠確認ガジェット