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スマートホーム(スマートハウス)の記事 2018.11.21

IoT×コンビニ CEATECでローソンが見せた2025年のコンビニとは

記事ライター:Yuta Tsukaoka

日本で無人コンビニは成立するか?

コンビニの陳列棚
※写真はイメージです

いま、日本は過去まれに見る有効求人倍率の高さを示している。つまり、人が不足しているのだ。求職者に対して、全体で1.65倍、業種によっては3倍を超える求人が世の中に出ている。これは、AIに仕事を代替してもらおうというような次元の話ではない。そもそも人がまったく足りていないわけである。

そんな中、注目されているのが無人店舗だ。コインランドリーやベンダーショップではなく、Amazon GOのような小売店舗の無人化が求められている。いま、この分野で先行しているのは ――いや、今や新しいものはほとんどがアメリカと中国だ。

Amazon GOは2021年に最大3000店舗を目指しているという。また、中国でもアリババを始めとしたIT大手が無人店舗の実験を行い、一定の成功を収めているという。

本国で成功すれば、日本にその波がくるのは遠い未来ではないだろう。しかも、日本では「話題性」や「先進性」といったミーハーな欲求よりももっと深刻な人不足が発生しているのだからなおさらだ。

「キャッシュレス社会」と表示されているスマートフォン

しかし一方で、このような無人店舗 ――といっても実は完全な無人ではないわけだが、それでもレジは無人、またはそもそも存在していないことが多い。つまり、キャッシュレスでの買い物が可能であることが前提として成立している業態なのである。

その点で日本は大きく出遅れている。先日、政府が給与のキャッシュレス化を認めるという方向性を示したが、キャッシュレス先進国では当然のように認められている内容である。また、消費税率アップにあたって、キャッシュレスでの買い物にポイント還元による増税分の補填をするという案もあるらしい。

まさに「なりふり構わぬ」というような強引さで日本をキャッシュレス時代に推し進めようとしているが、実際のところ私達の財布には紙幣も小銭もぎっしりだ。その理由にはさまざまな推論があるが、ここではそれについて触れずにおこう。

そんなわけで、Amazon GOはおろか国内のプレイヤーもまだ、日本では無人コンビニを展開していない実情のなか、CEATECにローソンが出展した。小売業がCEATECに出展するのは史上はじめてのことらしい。

その内容を見ながら、無人コンビニがどのようなテクノロジに支えられているのかを解説しよう。

 

QRコードとRFIDが無人店舗の主役

ローソンがCEATECに出店したブースの外観
(撮影:Yuta Tsukaoka/CEATEC会場にて)

ローソンがCEATECに出店した(誤字ではない。本当にコンビニを出店していたのだ)ブースでは買い物を体験することができた。

手順は以下のような感じだ。

ローソン未来型店舗での決済方法の説明ボード
(撮影:Yuta Tsukaoka/CEATEC会場にて)

1.入り口でエコバッグのようなものをもらい(これはイベント特典で実際の店舗ではこうならないと思う)、商品を詰め込んでいく

2.アプリ(ローソンCEATECアプリか楽天ペイアプリ)で表示させたQRコードを読み込ませてから出口の機器に袋を通せば決済完了、アプリにレシートが表示される。

実にシンプルだ。

技術的な話を詳しく聴くことは出来なかったが、ほぼ間違いなく、これを実現しているのはRFIDタグである。無電源で情報を書き込め、しかもごく小さいので陳列のじゃまにならない。

ただし、いくら小さいといってもタダではないので現場では最後に回収されてしまった。

つまり、レジの代わりがRFIDとそのリーダー(最後に袋を通した機器)、支払いに使う現金と財布のかわりがQRコードというわけである。しかし先ほども書いたようにRFIDもタダではないので、実際には商品管理は他のテクノロジが使われるだろう。

たとえば、アメリカに1号店を出したばかりの「Zippin」では、入店するとカメラで客を追跡し、スマート棚で商品を取り出したことを検知する。また、買い物カートにカメラとクレジットカードリーダーを搭載して商品をすべて投入した後でカートにカードを通せば決済が完了するという方法を模索している会社もある。

まさに未来!という感じだが、実はこれらのテクノロジ ――QRコードにFRIDタグ、スマート棚、カメラによる人物追跡などはすべて「枯れた」テクノロジだ。これまであったものの組み合わせに過ぎない。

それがIoTの面白いところなのである。ホームIoTのガジェットも、革新的なテクノロジを使ったものは少ない。しかし、優れたアイデアとソフトウェアを組み合わせることで新しいビジネスを生み出しているのだ。

 

結局、コンビニは無人化しない?

無人化という言葉を多用したが、ローソンの展示にその言葉はなかった。どこにも。徹底的に排除したという印象すらあるほど。そのかわりに「美味しさ・健康・おもてなし」や「ヒューマンファースト」という言葉がところどころに見られる。

ローソンがCEATECに用意したムービーを最後に見てもらいたい。

(video:ローソン(LAWSON)/YouTube)

どうだろう。コンビニはぜんぜん、無人じゃないのだ。

ローソンが考えている2025年のコンビニは、先ほどまで解説していたような無人化技術を用いることで採用できる人の幅を ――主に年齢軸で上方向に広げていくこと、そしていわゆる「コンビニ店員」だけではない専門職を置くことでコンビニの利便性、社会にとっての必要性をより高める方向に志向している。

スーパーマーケットや駅売店のセルフレジを見ても、結局のところサポートスタッフを置くことになっている現状をみれば、これが即座に解決することなどないということは誰の目にも明らかだ。

しかし、店員を減らすことはできる。その減らした分で別の人材を雇用し、サービスの幅を広げる。Amazon GOとも、アリババとも違う、いかにも日本らしい小売業の未来を観ることが出来た。

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