Amazonがイベントで発表した一番のビッグニュースは壁掛け時計ではない | スマートホーム(スマートハウス)情報サイト | iedge
iedge
  • iedge

スマートホーム(スマートハウス)の記事 2018.10.25

Amazonがイベントで発表した一番のビッグニュースは壁掛け時計ではない

記事ライター:Yuta Tsukaoka
alyssa.play

スマートプラグ、STB、そして電子レンジと壁掛け時計で湧いたAmazonイベント

シアトルで行われたamazonのイベントの様子
(画像引用:TechCrunch)
https://techcrunch.com/2018/09/20/amazon-launches-an-alexa-microwave-with-built-in-popcorn-dash-button/

2018年9月20日にシアトルで開かれたAmazonのイベントでは、実にさまざまなデバイスが発表され、少なくとも私の界隈は大きく湧いた。

刷新されたEchoシリーズ(うち、New Echo PlusとEcho Show、New Echo Dotは日本でも発売される)に、スマートプラグEchoシリーズと連携するアンプ、サブウーファー、そしてAlexa搭載の電子レンジ壁掛け時計…。

日本在住の私は後半、指をくわえて見ているだけだったが(もちろん、在米の友人にすぐ電話して購入の手続きを頼んだ)、もっとも興奮したのはガジェットの発表ではなかった。

どうもあまりメディアに取り上げられていないのだが、AmazonはAlexaというAIに画期的な機能を組み込もうとしている。

 

「勘」を働かせるAlexa Hunches

amazonのアプリが表示されたスマートフォン画面
(画像引用:TechCrunch)
https://techcrunch.com/2018/09/20/amazons-alexa-can-now-act-on-hunches-about-your-behavior/

Amazonがこれだけたくさんの製品を発表したということは ――そのニーズがあるなしに関わらず同社はこれから家庭にたくさんのIoTデバイスが入り込むと考えているわけだ。

となると問題になるのが、これまでの記事でも取り上げてきた「スケール問題」である。

たとえば、仕事部屋のEcho Dotに「電気をつけて」と言っても「どの照明を点けましょうか?」とトンチンカンな返事をすることがあるだろう。朝、仕事部屋に入ってきてまずリビングの照明を点ける奴がどこにいるんだと叱りたくなるが、そこはぐっと我慢だ。

なぜなら、Echo Dotが課題を処理する「スケール」――すなわち自分のコントロール下にあるスペースはその家の中全体(正確には自宅Wi-Fiの受信範囲)なので、ただ「照明」と言われても「どの照明なのか」が判断できないのである。

その解決策として、AIスピーカーは「目」を持つべきというのが私の主張だが、Amazonはそれをソフトウェア的に解決しようとしている。

それが、Alexa Hunches(Hunch=勘)である。ユーザーの毎日の振る舞い、ルーチンを深層学習によって理解して「勘」を働かせ次の動きを先回りするのだ。

先ほどと同じく、私の朝のルーチンを例に取ろう。

私は毎朝、仕事部屋に入るとEcho Spotにデスクライトと水槽の照明を点け、エアコンを動かし、ニュースを読み上げてもらっている。ほとんど毎日だ。

Alexa Hunchesが実用化されると、これを繰り返すうちにEcho Spotがこんなことを言い始めるのだ。「リビングのエアコンがついたままですが、私が消しておきましょうか?」

 

「勘」を身につければAIスピーカーはパートナーになれる

デスクワークをしている男性

もっといろいろなシチュエーションがあるだろう。

たとえば、寝る前に「明日は6時半のアラームをかけなくて大丈夫ですか?」とか、「今日は気温が低いようですが冷房はつけますか?」とか、「プライム・ビデオでジャック・ライアンの新シリーズが始まりましたがウォッチリストに入れておきましょうか?」とか、とか、とか。

これまでのAIスピーカーは結局のところ気の利かない御用聞きでしかなかった。電気を点けて、エアコンつけて、音楽かけて、と言われないと何もできない存在だったが、Alexa Hunchesによって「人間側のルーチン」を理解できるようになれば先回りしてサポートができるようになる。

いま、AIスピーカーが(私やあなたのような)一部のテック好きにしか歓迎されていない原因はその「勘の悪さ」にあるので、それが解決すれば一気に普及するかもしれない。

GoogleとAmazon(と、Appleと一応、LINEの)AIスピーカー戦争は魅力的なハードウェアではなく、実はこういったソフトウェア的な洗練で解決するのではないだろうか?

(画像引用:Amazon Press center)
https://press.aboutamazon.com/images-videos/devices-companion/product-images-wallclock

<このライターの記事をもっと読む>
2020年に本格運用開始予定!第5世代通信システム「5G」とIoTの関係とは?
AIを知る本棚 vol.1 「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」(新井紀子/東洋経済新聞社/2018年2月刊行)

関連記事

NEW

あの「ルイ・ヴィトン」もIoTに参入 ーLPWAの波がIoTを変えるか?

おそらく世界で一番高価なトラッカー 読者諸氏は旅行が好きだろうか? 私は、知恵とテクノロジーと少しのお金を駆使して家を快適にすることに腐心しているので、旅行をする時間がない。要するに出不精というやつだ ...

続きを見る
スマートホーム(スマートハウス)の記事2019.01.17
NEW

自宅のブラインドをスマート化できる!"Blind Engine"とは?

自宅のブラインドをスマート化する"Blind Engine"とは? 日中の日差しを遮りながら夜間は室内のプライバシーを守れるシェードやブラインドは、便利なうえに存在感があることから、室内をお洒落な空間 ...

続きを見る
スマートホーム(スマートハウス)の記事2019.01.17
NEW

IoTを支えるLPWAは何が革命なのか?(後編)

前編ではLPWAの基礎と新しい産業革命について解説 この記事は、同タイトルの前編の続きである。「LPWA」と言われて、その正式名称がわからないというような読者は、ぜひ前編から読んでほしい。いいだろうか ...

続きを見る
スマートホーム(スマートハウス)の記事2019.01.16

Qrio Smart Lockなら、鍵をシェアすることできて、スマホで解錠できる!

Qrio Smart Lockなら、まるで鍵を開けるかのようにスマホを操作するだけ Qrio Smart Lockは、スマートロックサービスです。 鍵をドアに設置する際の工事も不要です。鍵につけさえす ...

続きを見る
スマートホーム(スマートハウス)の記事2017.10.02

これからのスマートホームには欠かせないAIについて知っておこう!

そもそもAIって何? AI(Artificial Intelligence=人口知能)は、人間が行う様々な作業や活動をコンピューターなどで模倣し、人間と同じような知能の実現を目的としたソフトウェアおよ ...

続きを見る
スマートホーム(スマートハウス)の記事2017.10.02

人の感情に共感する次世代のAIロボット「JIBO」とは?

多くの可能性を秘めた新型AIロボット「JIBO」 JIBOは、アメリカのMIT(マサチューセッツ工科大学)のシンシア・ブリジール准教授により開発されました。 その後、2014年にIndiegogoのク ...

続きを見る
スマートホーム(スマートハウス)の記事2017.10.02

Copyright© iedge , 2019 AllRights Reserved.