Amazon EchoとFire TVが合体!
スマートホームという言葉が身近になってきたこの頃、リビングルームに複数のスマートデバイスを置く家庭も多くなったことかと思います。
Amazon EchoとFire TVを統合した形になるFire TV Cubeは、スペースや配線の節約になるだけでなく、両者の機能がよりネイティブに連携できる点で魅力的なデバイスです。
マンハッタンでFire TV Cubeの会見を行ったAmazonのサンディープ・グプタ氏は会見の中で、テレビ周りの機器を操作するために3種類のリモコンをそれぞれ使い分けるジェスチャーを見せ、Fire TV Cubeの目的はこれらの操作をより「スマート」にすることであると語りました。
そのために、Alexaの音声操作、FireTVの機器との物理的接続を掛け合わせた機種の開発に至ったということです。
ホームシアターシステムとの連携を考えると、Alexaだけでは不十分です。ここで、ユニバーサルリモコンとしてのFire TV Cubeの出番となります。
ただ、ユニバーサルリモコンとしてのFire TV Cubeは、まだ十分な準備ができているとは言えません。
例えば、Logitech Harmonyのリモコンとしては、まだ対応が完了していません。ただ、ハードウェア的な準備は整っているため、より良いスマートライフが今後実現していくでしょう。そして、Amazonはそのための実績も持っています。
現状では、Alexaによる制御のほうがうまく動作するようです。シンプルに「Alexa、ESPNをつけて」(英語)のコマンドで、ESPNを視聴することが可能になります。同様に、Comcast、DirecTV、Dishなど、米国のほとんどのセットトップボックスを制御できます。
またAmazonは、家庭用ゲーム機やBlu-rayプレーヤーのFire TV Cubeを通した制御を実装してはいませんが、今後のアップデート次第で対応する可能性があるとのことです。
リビング仕様に最適化されたハードウェア
Fire TV Cubeのリモコン設定手順は簡単で、Amazonのサイトで詳しく説明しています。
残念ながら、付属のリモコンは変更されておらず、音量ボタンもないため、音量コントロールのためには音声を使用する必要があります。本体に届くほどの音量で話したくない場合は、リモコンのボイスボタンを押しながら話すこともできます。
その他においては、Fire TV Cubeは基本的にEcho DotとFire TVのハイブリッドです。Amazonの他のストリーミングデバイスで共有されている使いやすいインターフェイスも備えており、音声制御についても洗練されています。
ただ、Echoでは部屋のどこからでも声を拾えるようなマイクアレイになっていますが、Cubeではテレビの脇に置くことを想定して、8本のマイクがすべて前を向いています。
Fire TV CubeはHDR10とDolby Atmosのサウンドをサポートしていますが、Dolby Visionはサポートされていません。
また、Echoデバイスとしては、Alexaコマンドを通常のAmazon Echoとほとんど同じように実行でき、期待通りの動作が可能です。
ルーチン機能にも対応しており、たとえば「Alexa、おやすみ」と言えば、あらかじめ設定しておいた通りにスマートライトや他のAlexa互換デバイス、さらにはテレビの電源をオフにするような使い方も可能です。
音楽もAmazon Echoと同じように再生可能ですが、Amazon Echoと同様、Spotifyはサポートされていません。
国内発売はまだ先?
Fire TV Cubeは非常に有望なデバイスですが、現在のところ、まだ完全に準備はできているわけではないようです。対象が米国のプライム会員に限定されていることも、まだ世界的な販売については準備段階にあることを示しています。
一般的に、Amazonデバイスはまずプライム会員向けの招待制で発売され、その後、一般発売というプロセスをたどることが多いため、Fire TV Cubeが本格的に展開されていくことになるのはまだ先になりそうです。
現在、日本国内での発売は未定となっています。ただ、現状ではAlexaとFire TVの連携が日本語対応していないため、発売するにしても、それが実現して以降ということになる可能性が非常に高くなっています。
Amazon Echoは無事、待望の日本国内展開を果たしただけに、Fire TV Cubeの日本国内展開にも期待せざるを得ません。日本国内のスマートホーム市場のさらなる発展に期待していきましょう。