エコジョーズについて
エコジョーズは商品名ではなく、一般には「給湯効率が90パーセント以上の給湯器」全般を指す言葉です。
例えば従来の給湯器はお湯を作るのに約80パーセントのガス(エネルギー)を使っていると言われていますので、20パーセントは逃げてしまうということになります。
ところが、エコジョーズはお湯を作るのに約90~95パーセントのガスを使うことができます。その分だけ、従来の給湯器よりも逃げる熱が少なくなりますので、効率的にお湯を作ることができるという訳です。
給湯器はガスを燃焼させて発生する熱を利用してお湯を作るというメカニズムですが、従来の給湯器には「熱交換器」が1つしか搭載されていませんでした。
そのため、どうしても20パーセント程度の熱は空気中に逃げてしまいます。
一方のエコジョーズには「熱交換器」が2つ搭載されており、1つしかない場合に空気中に逃げてしまっていた熱を2つめの熱交換器が捉え、お湯を作るのに利用できるようになったのです。
排気熱を利用することで給湯効率が上昇し、ガス使用量もおよそ12パーセントカットできるうえに、CO2排出量もおよそ15パーセント削減できるなど、懐にも環境にも優しいエコジョーズは、今やスタンダードとなっています。
そんなエコジョーズにIoT技術が組み込まれた「新型エコジョーズ」が登場しました。具体的にどんな機能が付加され、どんなことができるのか、詳しく見ていきましょう。
IoT化されたエコジョーズ!どんなことができる?
大阪ガスは、給湯器を始め、住宅設備メーカーである株式会社ノーリツ、リンナイ株式会社、パーパス株式会社と共同で、日本初となるIoTに対応した省エネ給湯器「エコジョーズ」を開発しました。
特別なアダプタやHEMS関連の製品などを追加する必要はなく、エコジョーズのリモコンを使ってインターネットに接続すれば、あとはスマホにダウンロードした専用アプリから様々な機能を制御できるようになるというものです。
ところで給湯器のIoT化というと、どんなことが想像できるでしょうか?
「会社を出る前に給湯器を遠隔操作してお湯をはっておき、帰宅したらすぐにお風呂に入れるようにしておく」
といったことは容易に想像がつくと思いますが、今回の新型エコジョーズはどうやらその程度ではないようです。
例えば、注意喚起をしてくれるという見守り機能があります。
浴室内の温度が低くて湯温が高い場合、「ヒートショック」によって失神、心筋梗塞、脳梗塞などを招き、最悪の場合、命を落としてしまうことがあるのは皆さんもご存知のことと思います。
特に中高年や高齢の方に多いと言われている症状ですが、新型エコジョーズではそういったリスクがある場合にモニターにアラート表示するなどして注意喚起してくれます。
さらに長時間の入浴を検知すると同じように注意を促してくれますので、「おばあちゃんの入浴時間が長すぎる」と家族が異変を感じることもできますし、自分自身も「入りすぎてのぼせてしまった」ということを防ぐことができます。
また、搭載されたセンサーによって、湯船に浸かるだけでその水位変化からリアルタイムの体脂肪率、消費カロリー、入浴時間などを計測してスマホアプリにグラフで表示してくれるなど、自分の健康管理のための機能も充実しています。
もちろん日々のデータを見比べることもできますので、自分の体がどのように推移しているかを知ることができます。
ほかにも、例えば給湯時に栓を忘れていた場合などに、そのエラー内容や対処法方を教えてくれたり、給湯器自体に不具合が起こっているのに気づかずに使っていた場合に大阪ガスの方から電話連絡をくれたりするといったサービスも付帯するようです。
このようにIoT化されインターネットに接続されたことで、従来の給湯器からは想像もつかなかった「見守り」や「ヘルスケア」などの様々なサービスを利用できるようになったのです。
気になる価格はどれくらい?
新型エコジョーズは当面は3機種を予定していて、
・型番235-N560 462,800円
・型番235-T651 457,800円
・型番235-R350 457,800円
となります(3機種とも給湯能力や暖房能力については変わりません)。
新型エコジョーズのその他の詳しい情報については、大阪ガスのプレスリリースをご確認ください。
新型エコジョーズの機能はまだ序の口!今後どんどん追加・改善されていく
新型エコジョーズを設置して、利用者の日々のデータ(いわゆるビッグデータ)を収集し解析することで「利用者が必要としている機能は何か」「どこを改善していけば良いか」などを知ることができます。
それらを元に、今後システムのアップデートによって新たな機能が追加されたり、既存機能の改善などもダウンロードできるようになったりすることが予想されますので、利用者は常に最新の状態をキープしておくことができます。
給湯器のIoT化によって外出先からでも遠隔操作できる利便性の向上はもちろんのこと、家族の見守りや健康管理にもつながりますので、これから超高齢化社会を迎える日本にとって、新型エコジョーズは大きな意味をもたらしてくれるのではないでしょうか。