シャープのIoT冷蔵庫「SJ-TF49C」とは?
画像引用:http://www.sharp.co.jp/reizo/products/sjtf49c.html
2017年3月21日より販売が開始されたシャープのプラズマクラスターIoT冷蔵庫SJ-TF49Cは、これまで単なる「道具」だった冷蔵庫を「パートナー」にすることを目指して開発が進められたIoTデバイスです。
シャープは独自に「AIoT(AIとIoTを組み合わせた造語)」を掲げ、IoTで収集したデータをAIが解析し、ユーザーの嗜好や生活リズムを学習することで最適化された情報やサービスをユーザーに提供するという考えのもと「COCORO +(ココロプラス)」プロジェクトを立ち上げ、同シリーズの家電を開発・販売してきました。
その中の一つとなるこのIoT冷蔵庫はフレンチドア(観音開き)の485リットル大容量に加えて、献立や買い物の悩みが相談できるほか、トリプルステンレスやプラズマクラスターといったシャープの技術がふんだんに組み込まれています。
また「Good Timing Message」という機能が土台にあるというこのIoT冷蔵庫は、およそ2週間でユーザーの生活リズムや嗜好などを学習することができ、最適なタイミングで冷蔵庫の方から「食材すっきりナビ」「買わなきゃナビ」「生活リズムナビ」などの機能に沿って発話してくれるというのも注目したいポイントです。
もし発話内容に誤差があったとしても、その後の使用状況を踏まえて改善することができるというので安心です。
ユーザーはスマホやタブレットに「COCORO KITCHEN」という専用アプリをインストールしてIoT冷蔵庫と連携させます。
アプリ上では買い物リストを作成することもできますし、冷蔵庫が提案してくれた献立のレシピを確認することもできます。
もちろん、本体に直接「たまごを買い物リストに追加して」などと話しかけることでもリストを作成できますし、「今日の献立は何が良いかな?」と尋ねれば最近購入した食材や旬の食材から「昨日買った豚肉とキムチで豚キムチはどうですか?」などと提案してくれます。
ほかにも、もし定期的に購入しているミネラルウォーターやビールなどがあるとすれば、前回の購入から一定期間が経過すると「そろそろミネラルウォーターを買う時期ですね」などと話しかけてくれますので、買い忘れを防止することができます。
さらに、朝起きたてのタイミングでは「おはよう。今日は○○の日です」などの情報を教えてくれるほか、お昼頃には「この季節はあさりが美味しいです。あさりは平べったい方が、中身が詰まっていますよ」といった、ちょっとした雑学を教えてくれます。
就寝時間前になると「今日もお疲れ様です。ゆっくり休んでくださいね。」といったねぎらいの言葉をかけてくれたり、翌日の天気予報を教えてくれたりなど、生活リズムに応じて最適なタイミングでさまざまな情報をもたらしてくれます。
このように、単なる道具からパートナーへと進化したIoT冷蔵庫が「SJ-TF49C」なのです。
IoT冷蔵庫「SJ-TF49C」のその他の機能
もちろん“道具としての冷蔵庫”という観点からも、シャープ独自の技術や工夫が組み込まれています。
庫内にはさまざまな菌が浮遊していたり付着していたりしますが、シャープが生み出したプラズマクラスター技術(プラズマ放電により酵素を発生させプラスとマイナスのプラズマクラスターイオンを作り空気中に放出する技術)によってしっかり除菌し、きれいな空気が庫内を循環することで食材を守ります。
冷蔵庫のドアの開閉頻度やキッチンの温度をAIが解析し、自動的にイオンの放出時間などを制御してくれます。
食材に直接風を当てずに鮮度を守ることができるというトリプルステンレスも見逃せません。
庫内ではステンレスパネルが食材を包み込むようにやさしく冷やし、乾燥を抑えながら鮮度を守ることが可能になったうえ、ドアの開閉時に入る湿気をステンレスパネルが吸着することで“うるおい”として庫内に補給するというものです。
IoT冷蔵庫全盛時代に突入か?
今回はシャープの「SJ-TF49C」をメインにご紹介してきましたが、冒頭でもご紹介したようにLGはドアをノックするとスケルトンになり中身が見え、さらにノックすると情報画面に切り替わるというユニークな冷蔵庫Smart Insta Viewを、Samsungは庫内の様子を外出先からでもスマホで確認したり、ドアに設置されたタッチスクリーンで足りない食材を購入したりできるFamily Hubをそれぞれ発表しています。
「スマートホームの主戦場はキッチン」という見方もあるように、もしかすると今後、IoT冷蔵庫全盛の時代がやってくるかもしれません。