IoT技術がもたらしてくれる個人レベルでのメリット
IoT化が進むことで、個人レベルで享受できるメリットといえば「利便性」「快適性」「安全性」「安心感」「経済性」といったワードが思い浮かびます。
たとえばマウスコンピューターのmouse スマートホームスターターキットは、ルームハブを介して赤外線リモコンを使用する家電を外出先からでもコントロールできるようになるほか、スマートプラグを通した家電の電源のオンオフなども外出先からできるようになります。
消し忘れを防止できる以外に、寒さが厳しい日は帰宅前に部屋を暖めておくことなどができますので、「利便性」や「快適性」がIoTから得られるメリットがあります。
またNETGEARのセキュリティカメラVMS3230などを設置することでいつでもどこにいても屋内外の映像をリアルタイムにチェックすることができますし、SecualのセキュリティシステムSecualを導入すれば、ドアや窓の開閉、振動、衝撃などの情報が即座にスマホアプリに通知されますので、迅速な対応が可能になります。
ホームセキュリティという点において、非常に大きな「安心感」や不審者とのバッティングを防ぐなど、「安全性」という点においてもIoT導入のメリットがあります。
サンワサプライによる手のひらサイズの可愛いロボットアボットライリーは、スマホアプリを介して双方通話や遠隔操作による操縦なども可能な移動式ネットワークカメラです。留守中の子供の様子、旅行中のペットの様子、離れて暮らす高齢の両親の様子などを見守ることができます。
またスマートハウスで採用されているHEMSなどのエネルギーマネジメントシステム、太陽光発電など創エネシステム、家庭用蓄電池など蓄エネシステム、スマート家電などの省エネシステムを組み合わせることによって、家庭でエネルギーを創り、効率よく消費することができますので「経済性」という点でメリットを受けることができます。
さらに、ユニークなデバイスとしてアディダスのmicoach smart ballなどのデバイスも登場しています。
サッカーボールに内蔵された各センサーによってボールを蹴るだけでスピード、回転数、回転方向、インパクトの位置、軌道などが手に取るようにわかるほか、プロを参考にしたチャレンジモード、スキル上達のためのトレーニングモードなどを兼ね備えています。
快適性や利便性、安全性などにとどまらず、サッカー選手を目指したい子供たちにとっても、IoT技術は大きなメリットをもたらしてくれているのです。
続いて、個人以外ではどんなメリットが考えられるか見てみましょう。
IoT技術がもたらしてくれる個人レベル以外でのメリット
個人以外でIoT技術がもたらしてくれるメリットとしては、「生産性の向上」や「品質の安定」「労働力不足の解消」「効率化による経費削減」などが考えられます。
一例ですが、アメリカのジーンズメーカーでは陳列している商品とバックヤードに保管してある在庫の数を瞬時に確認できるシステムを導入しています。それにより、欠品や在庫過多による損失を事前に防ぎ、経費の削減に役立ちます。
製造業においては、部品や機器がIoT化することで製造過程をリアルタイムに監視・制御できるようになり、AIが収集した膨大なデータを解析することで最も効率よく制御できるようになるなど、生産性の向上や品質の安定に繋がります。
農業でもIoT技術を取り入れるケースが目立っています。センサーが収集した農作物に関するあらゆるデータをAIが解析し、農作物ごと、季節ごと、地域ごとなどに最適な栽培方法や水量、農薬量などを算出し、実践してくれるほか、土壌データを活用した抗酸化力の高い野菜づくりなども実現しています。
また、物流の分野ではドローンによる宅配も実証実験などが進められています。イギリスではAmazonが、アメリカではセブンイレブンが実際にドローンによる無人配送の実験を行い、いずれもユーザーから高い満足度を得られたことが分かっています。
ドローンは先の農業においても自動で農薬を散布したり、農作物の様子を監視したり、あるいは害獣を追い払ったりなど、これまで人が行ってきた部分をフォローしてくれますので、非常に大きなメリットをIoTはもたらしてくれると言えるでしょう。
メリットも大切だがIoTゆえのリスクを知ることも大切
IoT技術はこのように私たちに数え切れないほど多くのメリットを与えてくれます。しかし、あらゆるデバイスがインターネットに繋がっている以上「インターネットセキュリティ」や「プライバシー」あるいは「誤作動による事故」などのリスクは完全には排除できません。
たとえば、ハッキングされるなどによって各家庭のIoTデバイスが乗っ取られて悪質に制御されてしまったり、覗き見されてしまったりするなどのリスクも否定できません。
メリットの陰にこうしたリスクが潜んでいるということも、私たちユーザーは知っておかなければなりません。今後はこうしたリスク対策も進むことが予想されますので、より良い発展が訪れることを楽しみに待ちましょう。