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急速に広がるIoT技術の活用は日本の将来を支えるためにも必要不可欠

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IoTが活用されている主なケース

最も身近なところで言えば、スマホもインターネットに接続された電話機ですので、IoTデバイスの一つになります。

日本で初めて携帯電話が登場したのは1970年の大阪万博で展示されたワイヤレスフォンと言われていますので、わずか40~50年程度の歴史しかありません。

その後、80年代には小型化が進み90年代には現在のガラケーと呼ばれる携帯電話が爆発的に普及しました。

20~30年程度前の話ですが、その頃、まさか現在のようなスマホが登場するなんて夢にも思っていなかったという方も少なくないでしょう。

私たちが考えるよりもはるかに早いスピードでIoT化が進み、現在さまざまな分野でIoTが活用されています。

〈農業〉

長い間、人手不足や後継者不足、従事者の高齢化など多くの課題を抱えている農業分野ですが、近年続々とIoT技術が活用され、導入されています。

たとえばセンサーを取り付け、土壌の状態や日光の当たり具合、農作物の種類などを自動で分析して適量の肥料や水を与えるシステムであったり、現場に行かなくても農作物の生育状況が一目でわかるシステムであったりなど、効率化や品質の向上および安定化を図ることで農業が抱える問題の解消に取り組んでいます。

経済産業省九州経済産業局が公開している九州IoT活用事例2017でも、次世代農業の創出などについて触れています。

〈医療〉

世界でも類を見ないほどの超高齢化&少子化時代に突入している日本において、医療の問題は大きくのしかかります。

医療のお世話になる高齢者が増える一方で生産人口(現役世代)が減少していくわけですから、社会保障や保険費用などを今後どう捻出していくのか気になるところでもありますし、そもそも医療従事者が減少してしまうという懸念もあります。

そんな課題を解消する手段の一環として、IoT技術の活用が医療分野でも始められています。たとえばウェアラブルデバイス(身につけるデバイス)によって、呼吸、心拍数、ストレス状態、運動量などさまざまなデータを収集することができます。

日々収集し、蓄積したデータをもとに「体調が悪そう」「生活状態になんらかの異常がある」といった危険性を察知し、クラウド上に保存されたデータを病院と共有することで異変に対して迅速に対処できる可能性が高くなるほか、アプリを介して病院側から患者に連絡したり、ナースコールのような機能を果たしてくれたりなど、人手不足の解消という点で大きな効果が期待できるでしょう。

〈自動車〉

自動車がインターネットに接続することで自動運転システムの運用が可能になります。まだ実験段階ですが、すでに自動運転バスなども登場しており、急ピッチで開発が進められているIoT活用技術でもあります。

ヤマト運輸のロボネコヤマトなどは一般的な荷物の宅配のほか、買い物代行も担ってくれるサービスです。現在はまだ人力で運転されていますが、将来的には無人運転による配達を目指しています。

長距離トラックドライバーの過労が問題視されている物流業界において、将来的にこのような自動運転カーが登場することで、労働力不足を補うことができるのではないかと期待されています。

このように、ほんの一例ではありますが、日本国内でもさまざまな分野にIoT技術が活用されています。

経済産業省関東経済産業局が公開している中小ものづくり企業IoT等活用事例集などを見ると、実にさまざまな企業がIoT技術を活用し始めていることがわかります。

 

スマートホームも立派なIoTの活用事例

各産業分野のみならず、私たちが暮らす一般家庭においてもスマホやPCを筆頭にさまざまなIoT技術が活用されています。

テレビ、エアコン、照明、オーディオ、冷蔵庫、洗濯機、給湯器、プラグ、ドアや窓の開閉センサーなどあらゆるモノがIoT化され、毎日のように新製品が登場しています。

ここ数ヶ月で相次いで発売されたGoogle HOMEやAmazon Echoなどのスマートスピーカーも話題になっていますが、こうしたデバイスとスマートホーム関連のデバイス群が連携することで、私たちの生活をより便利で快適なものにしてくれるようになります。

 

IoTの活用は「便利さ」だけではなく日本の将来を支えるためにも重要

前述のように、日本はこれから人口の減少が進むとともに一気に超高齢化社会が進みます。

この問題を放置してしまえば、労働人口の減少により財政難に陥り、国家そのものが破綻してしまいます。

今回ご紹介したように、IoT技術を活用することはただ単に私たちの生活を便利で豊かなものにするというだけでなく、日本が抱えるさまざまな課題を解消し、日本の将来を支えるために非常に重要なことと言えます。

今後、IoT技術がどのような分野でどのように活用されていくのか、ぜひ注視していきましょう。