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オープンでフレキシブルな産業用IoTゲートウェイ「SIMATIC IOT2020」とは

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「SIMATIC IOT2020」とは?

ドイツのバイエルン州ミュンヘンに本社を置く多国籍企業SIEMENS(シーメンス)が開発した「SIMATIC IOT2020」は、いわゆるゲートウェイと呼ばれるジャンルのデバイスです。

日本では2016年10月27日より、電気部品や電子部品、産業用部品などの通信販売を手がけるアールエスコンポーネンツ株式会社が独占供給を開始しています。

ゲートウェイとは、分かりやすく言うと「規格が異なるネットワーク同士を中継してくれるデバイス」で、たとえば近年日本でも普及し始めているスマートホームを例に考えると、

・A社のスマートエアコン

・B社のスマート照明

・C社のスマートテレビ

・D社のEV(電気自動車)

などメーカーが異なることによって通信規格が異なり本来であればうまく連携できないケースにおいて、

・E社のホームゲートウェイ

を導入することによって、それぞれのネットワークの連携を担ってくれるというデバイスです。

ただし今回の「SIMATIC IOT2020」はそうした一般家庭用のゲートウェイではなくオープンソースの産業用IoTゲートウェイです。

IoT市場に参入している、または今後参入する予定のメーカーや開発者に加えて、学生などが実用的な開発体験をすることで「IIoT(インダストリアルIoT=製品やデバイスをインターネットに接続して製品販売からサービスビジネスへ転換を図ること)」に親しみを持ち、他のオープンソースボード(ArduinoやIntel Galileo等)で開発したプロトタイプのスケールアップについて支援することを目的として開発されました。

「SIMATIC IOT2020」はまた、各産業分野においてすでに実用化されているシステムやアプリケーションにフレキシブルに対応できるように設計されており、イーサネットやUSB、microSDなどのインターフェースを活用すればさまざまなデバイスやネットワークを介しての検索や情報の処理・解析、あるいは送信などを行うことができます。

再度スマートホームを例に考えると、たとえば日本でも何かと話題となっている「LINE Clova WAVE」や「Google HOME」、「Amazon Echo」といったスマートスピーカーなどは、自社製デバイス以外にも多くのサードパーティー製デバイスと連携が可能であることから、広義でゲートウェイの一種と捉えることができます。

あらゆるメーカーが開発し、販売している規格のデバイス同士を連携してくれるのがゲートウェイであり、産業用に開発されたゲートウェイが「SIMATIC IOT2020」なのです。

 

「SIMATIC IOT2020」が開発された背景

近年IoT市場は急速に発展し続けており、それに伴い、さまざまなメーカーがIoTデバイスを開発し販売しています。

総務省の平成28年度の発表によれば、2015年の時点でインターネットを介して繋がることができるデバイスがすでにおよそ154億台に到達したと言われており、そのわずか5年後の2020年には2倍に値する約304億台にまで達すると予測されています。

そうした成長の裏側にある世界的なIoT技術の傾向は、今や「IDE(Integrated Development Environment=統合開発環境)」に代表されるような、オープンソースの使いやすいソフトウェアの増加、あるいはハードウェアの進化などに遷移してきており、「SIMATIC IOT2020」の開発の背景には、こうした時代の流れが取り入れられているものと考えられます。

 

スタートアップ企業が「SIMATIC IOT2020」を活用することで得られるメリット

先述のように「SIMATIC IOT2020」はオープンソースの産業用IoTゲートウェイですので、ソースコード(プログラミング言語で書かれたコンピュータープログラム)が公開されており、誰でも自由に扱うことができるようになっています。

IoT市場の発展に伴い、国内外を問わず多くのスタートアップ企業(新たなビジネスモデルを開発する企業)が続々と登場していますが、そのスタートアップ企業が「SIMATIC IOT2020」などのオープンソースのゲートウェイを活用することによって、それぞれの企業が持つ独自のアイデアや、それを活用したアプリケーション、プロジェクト、デバイス、サービスなどの開発が迅速に進むのではないかと期待されています。

「SIMATIC IOT2020」の製品情報やスペックなどについてはこちらの公式サイトをご確認ください。

SIEMENS SIMATIC IOT2020

今回は、私たち一般ユーザーの知らないところでこのような開発がどんどん進んでいること、あらゆるメーカーのデバイスが連携する世の中に向かっていることなどを紹介してきました。

近い将来、世界がどう変化していくのか興味をそそられる方も多いのではないでしょうか?