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スマートホーム(スマートハウス)の記事
2018.02.09
2019.05.01

急成長するIoT社会における今後の課題とは?

急速に発展するIoT市場、日本でもIoT化されたさまざまなデバイスが販売され、今後も続々と登場することが見込まれています。IoT社会は私たちの生活をより豊かなものにしてくれる反面、様々な課題を抱えていることも確かです。今回は数あるIoTの課題の中でも、特に一般ユーザーも知っておきたい課題について考えてみたいと思います。

記事ライター:iedge編集部

急速に進むことで考えられるIoT化の課題とは?

「IoT元年」と呼ばれた2015年を境に急速に拡大し続けているIoT市場、日本でもこのほどGoogle HOMEやAmazon Echoなど海外で人気のスマートスピーカーが相次いで発売になるなど、スマートホーム(コネクテッドホーム)やスマートハウスに関連するIoT市場が一気にヒートアップしてきました。

毎年1月にラスベガスで開催されている世界最大規模の家電などの見本市CESを視察した日本政策投資銀行の「CES2015視察報告」によりますと、2020年までにIoTで繋がるデバイスは世界中で250億個にまで拡大するとされており、そのうちホームオートメーションに関連するデバイスは2020年には53億台に、さらにスマートハウス関連のエネルギーマネジメント系デバイスを加えると70億台に達すると予測されています。

今やIoT市場は日進月歩、予想を超える速度で発展し続けた場合はさらに台数が増えることも考えられますが、つまりあらゆるモノがインターネットに接続される社会がやってくることは明白と言えます。

そこでまず考えられるIoTの課題として、膨大なデータ量やデバイスをどう捌いていくのかという技術的な問題が挙げられます。

生活者のスタイルに合わせて最適化されるためには、各デバイスが収集したデータを分析し、AIが成長していく必要がありますので、IoTの課題として、データの解析やAI技術の進化はIoT社会において重要事項です。

たとえば一人暮らしの住宅にIoT化されたエアコン、テレビ、冷蔵庫、床暖房、洗濯機、給湯器、オーディオなどのデバイスを設置し、さらにそれらのデバイスを連携させるスマートスピーカー、そしてスマホやパソコンを使うとします。

各デバイスは生活者の様々なデータを収集することになるのですが、一人暮らしでこれだけのデバイスを利用するわけですから、家族で暮らしている住宅ではその何倍にもなり、極端ですが地球規模で考えた時にそのデータ量は天文学的数字にのぼることは容易に想像がつきます。

これらのデータをどう捌いていくのか、という課題がIoTにおいては発生します。

また、省電力で稼働するデバイスも多数登場していますが、とはいえ電力を消費せずに済むデバイスは今のところ存在しません。

何十億台、何百億台というデバイスに電力を十分に供給し続けることができるのか、という課題もIoTでは生じてきます。

さらに細かいことを言えば不具合に対するIoTの課題です。

新型自動車が発売されるたびにリコールが発生することからも分かるように、不具合やリコールは「つきもの」と言えます。

たとえば、

・連携した覚えのないデバイスが接続されている
・賃貸アパートなどで薄い壁一枚を隔てた隣室の声に反応してしまう
・ハブに不具合が生じて連携しているデバイスが一斉に誤作動を起こす
・不在時にAlexa(AmazonのAI音声アシスタント)が勝手に起動し、大音量で音楽を流す

などの不具合が発生する可能性もあります(Alexaの問題については2017年11月4日にドイツで実際に発生しています)。こうした場合の対処方法なども広義でのIoTの課題と言えるのではないでしょうか。

このような技術的な問題については開発者に一任するほかありませんが、ユーザーとしてもこのような課題があるということについて知っておいた方が良いでしょう。

 

IoT化によりさらに高い意識が求められるセキュリティに対する課題

インターネットに接続されているということは、常にウィルス、ハッキング、その他あらゆるサイバー攻撃を受ける可能性があるということです。

デバイスを乗っ取られてデータや設定を改ざんされてしまったり、留守であることがわかって空き巣に入られてしまったり、家族の個人情報が筒抜けになってしまったりなど、様々なリスクが考えられます。

デバイスごとにどのようなセキュリティ対策を行っていくのかという課題と、ユーザーが今以上にセキュリティに対する意識を高め、知識を持つことへの課題も挙げられます。

さらに、各デバイスが収集したデータを蓄積するうえで、プライバシーの問題、肖像権の問題、個人情報保護に関する問題や、それらに関わる規則などの再構築も必要になってくるかもしれません。

 

課題が多いとはいえIoT化はこのまま急速に拡大し続ける

人的なミスに対する課題も踏まえておかなければなりません。どんなにすぐれたIoTデバイスでも設定を行うのは人間ですので、単純に「設定ミス」による誤作動や「設定し忘れる」ことによる事故などが発生する可能性もあります。

このように、少し考えただけでもIoT化によって発生する課題が非常に多いことがわかります。

もちろん、国もIoT市場に参入している各企業も、これらの課題に向けての取り組みを開始していますが、すべての課題をクリアにするということは膨大な時間やデータなどを必要とし、また一つの課題が解決しても常に別のエラーが発生しますので、まさに「trial and error(トライアルアンドエラー:試行錯誤)」を繰り返していかなければなりません。

それでも、IoT化はこのまま急速に拡大し続けることは確実視されています。

ユーザーである私たちは、インターネットセキュリティに関する意識を高め、IoTデバイスを利用するということはどういうことか、考えられるIoTの課題は何かといったことを事前に考えておく必要があるかもしれません。

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