スマートホームの仕組みとは?
テレビ、エアコン、照明、冷蔵庫、洗濯機、オーブン、オーディオなどの家電製品や、玄関の鍵、セキュリティカメラ、人感・温度・湿度・照度センサーなど、あらゆるモノがインターネットに接続され、スマホやタブレットにインストールした専用アプリを介して、それらを管理・コントロールできるようになった仕組みの住宅をスマートホームと呼んでいます。
各デバイスは主に自宅Wi-Fiなどのネットワークに接続される訳ですが、多くの場合、ハブやゲートウェイといった基幹製品がそれぞれのデバイスの接続を担い、デバイスが取得したあらゆる情報がクラウド上に集約され、蓄積されます。
日本でもじわじわ人気が出てきたGoogle HOMEやLINE Clovaといったスマートスピーカーに音声でコマンドを伝え、連携している各デバイスを管理・コントロールすることができる仕組みを持つ住宅もスマートホームです。
各デバイスが独自に機能するケースもありますが、多くの場合「電気をつけた」「エアコンをオフにした」「ドアを施錠した」「セキュリティカメラで録画した」など、各デバイスを利用して行ったあらゆる情報は基幹製品などを介してクラウドに集められ、AIが解析したり処理したりすることで、私たちにより便利な生活提供してくれるというのが、スマートホームの主な仕組みになっています。
スマートホームの仕組みで欠かせないクラウドとはそもそも何?
クラウドとはクラウドコンピューティングの略で、由来としては諸説ありますが、
・ネットワーク図を表す際に雲を用いられることが多かった
・繋がっている“先”がどこにあるのか分からないため、雲という表現が最適だった
などが考えられています。
たとえばGmailやYahoo!メールなどのFreeメールを利用している方などは分かりやすいと思いますが、パソコンやスマホなどにメールソフトをインストールせずとも、これらのWebメールサービスを利用することができます。
アカウントを取得してアクセスするだけでサービスが使えてしまう大変便利なサービスですが、そのメールサーバーがどこにあるのか?といったことを意識して利用する人はほとんどいません。
この「どこにあるのか」が分からなくても利用できてしまうのがクラウドサービス、という訳です。
Dropboxなども、データをアップロードした“先”がどこにあるのか分からなくてもアカウントを取得すればパソコンやスマホでデータをアップしたり確認したりできるサービスですので、クラウドサービスとなります。
スマートホームの仕組みにおけるクラウドも、基本的に捉え方は一緒です。各デバイスが取得したあらゆるデータがクラウドに集約され、蓄積されていくのです。
クラウドと並んでスマートホームの仕組みの最重要ポイントとも言えるAI
各デバイスが取得してクラウドに集約された情報は、AI(人工知能)が解析・処理し、各デバイスを制御します。
AIは使えば使うほどユーザーの嗜好や傾向などを学習するため、どんどん成長していくうちに、ユーザーにとってより最適なレスポンスを示してくれるようになります。
たとえばほんの一例ですが、
・平日は7時に起床して19時に帰宅する傾向にある
・エアコンをオンにする時間帯は19時~22時が多く、温度は27度前後
・月9ドラマを良く観る
・肉を使った料理が好きで、野菜を使った料理はあまりしない
・ロックよりもジャズが好みで、好きなラジオ番組はTOKYO FM
など、様々なデータを集約して解析することによって、よりユーザーの好みに近いレスポンスを示してくれるうえに、
・そろそろ帰宅する時間なので、エアコンを27度でオンにしておく
・野菜不足なので、野菜を使った料理を提案する
・就寝時間が近いので、部屋の照明を落としつつ家中の戸締りを確認しておく
・好きなテレビ番組と音楽番組が被ってしまっているので、どちらか録画するよう提案する
といったサポートもしてくれるようになるでしょう。
さらにスマートホームの仕組みがAIによって進化することで、
・長時間テレビがつけっぱなしになっている
・あらかじめ登録されていない人物がカメラに映った
・電気が使用された形跡が長時間ない
・玄関と窓の鍵が解錠状態が続いている
など、これまでの生活パターンとは明らかに違うケースを検知すると何らかの“異常”が起こっていると判断し、スマホやタブレットなどに通知してくれるようにもなるでしょう。
つまりAIとは頭脳を持ったパーソナルアシスタントとなりうる存在であり、そのAIが住宅やユーザーの生活をサポートしてくれるようになるという訳です。
スマートホームの仕組みを考えるうえで、利便性や快適性などを存分に享受するには、クラウドサービスの充実と併せてAIの進化が不可欠となります。
現在、IoT化されたスマートホーム向けのデバイスを開発する企業、クラウドサービスを提供する企業、AI開発を進める企業、Amazon EchoやGoogle HOMEなどのようにサードパーティー製のデバイスに対応するプラットフォームを開発する企業、その他の新しいサービスを開発する企業など、あらゆる分野の企業がスマートホームの仕組みの進化と普及に取り組んでいます。
あらゆる分野の企業同士が連携することで、どんな新しい仕組みを持ったスマートホームサービスが登場するのか楽しみにしたいところです。