スマートホームとプラットフォームの関係性
そもそも膨大なIoTデータを収集・ストック・サービス化するためには、その基盤となるプラットフォームが重要です。IoTやスマートホームをしっかりと理解できていない人も少なくありませんが、モノにただセンサーを取り付けるだけではありません。
プラットフォームには「データを収集する役割」「データを蓄積する役割」「アプリケーションの開発環境」と大きく3つの機能が挙げられます。すべての企業がこれらすべてを兼ね備えたものを用意することは難しく、市場で提供されているプラットフォームを必要に応じてスマートホームに活用しています。
IFTTT
異なるソーシャルメディアやデバイスを連携させることが可能なIFTTTです。「If This Then That」の略で、「コレがきたらアレをやる」という意味です。Twitter、Facebook、Evernote、Google Calendar、Dropboxなど、さまざまなWebサービスと連携していることが強みとなっています。
また、Google Homeに搭載されている「Google Assistant」にも、ネットワークを介して情報の取得や解決を行っています。IFTTT上でGoogle Assistantは「コレがきたら」という部分のみに反応し、「アレをやる」というアクションは各デバイスで行います。
HomeKit
スマートフォン市場で大きくシェアを獲得しているApple社が提唱するスマートホーム用プラットフォームの「HomeKit」は、ホームアプリケーションで設定して、自宅にある対応の製品をすべて簡単に一か所でコントロールすることが可能です。
またホームアプリケーションでシーンを設定すれば、一回の操作で複数の製品を連動させることができます。他にも、Apple社独自の音声アシスタント「Siri」に声をかけるだけで、スイッチを切り替えたり、照明を暗くしたり、曲を変えてくれたりします。
AWS IoT
世界190か国に対してクラウドサービスを提供しているAWS(Amazon Web Service)が2015年10月に発表したプラットフォームが「AWS IoT」です。接続されたデバイスが簡単かつ安全にクラウドアプリケーションなどとやり取りができる、スマートホームにも応用できるプラットフォームとなっています。
その特徴はIoTデバイス向けのSDK(ソフトウェア開発キット)が提供されている点で、デバイスを簡単にAWSへと接続することができます。またAWSのさまざまなサービスと接続し、データと通信を保護するとともに、大量のデータを確実に処理することが可能にしたり、他のシステムと連携させたりすることができます。
インテルがスマートホームの標準プラットフォーム実現へ
半導体メーカーとしてシェアトップを誇っているインテルの日本法人が、関西電力、Kii、ぷらっとホームといった3社の協力のもと、世界標準のプラットフォームを採用したスマートホームの家庭向けIoT実証実験を開始しています。
同社はエネルギー業界への取り組みのひとつにスマートホームを位置づけており、それを実現するために宅内インフラを確保し、さまざまなデバイスとの相互接続性とセキュリティの担保を目指し、主に、環境センサー、IoTホームゲートウェイ、クラウドで構成されています。
また、単純に住宅のオートメーションを推進しているのではなく、各ユーザーに合ったスマートホームを実現するプラットフォームの構築を掲げています。実証実験については、2018年3月末までに、関西地区の100世帯にセンサーとゲートウェイを設置して行う予定となっています。
まとめ
スマートホームを実現するためには、膨大なIoTデータを収集・ストック・サービス化できる「プラットフォーム」の存在は欠かすことができません。そんな中でさまざまな企業がプラットフォームの構築を行っているために状況はやや複雑ですが、それに惑わされることなく、自身に合った製品を見つけ出して活用していきましょう。