スマートウォッチはスマートフォンの代わりに通知を受け取ったり、メールを見たりといった使い方ができます。それ以外にもスマートウォッチは、健康管理にも非常に役立ちます。
スマートウォッチによっては、歩数計や心拍数などさまざまな計測ができ、医療機器として認可されているものなら血圧の測定も可能です。血圧測定をはじめとする、スマートウォッチの健康管理について解説します。
スマートウォッチの血圧測定は正確?
歩数や心拍数の計測ならご存じの方も多いかも知れませんが、実はスマートウォッチによっては、血圧測定も可能になっています。
ただし、正確に測れるスマートウォッチは、医療機器として認可されているスマートウォッチに限られます。スマートウォッチの血圧測定は、どれくらいの精度でできるものでしょうか。
正確に測るのであればオムロンの一択!
日本の医療メーカーとして、非常に名高いオムロンが血圧測定に対応したスマートウォッチ「ウェアラブル血圧計 HeartGuide」を販売しています。海外製のスマートウォッチには血圧測定機能を搭載しているものもありますが、オムロンのHeartGuideは医療機器として国の認可を受けている点で一線を画しています。
HeartGuideは、価格が94,800円(税込)と安くない製品ではありますが、血圧計としては確かな数値を出すことが可能です。いまのところ医療機器として認められている、血圧測定機能のあるスマートウォッチはオムロン製だけです。
一般的な血圧計でも10〜20mmHg程の誤差があるといわれており、毎日測定することで平均値から正確な血圧を導き出します。HeartGuideなら日々の血圧測定を気軽に行えるため、より正確な血圧がわかるでしょう。
血圧を測る仕組み
オムロンのウェアラブル血圧計は手首に巻きつけるカフを小型化することで、スマートウォッチに血圧測定の機能を導入しています。一般的な血圧計を腕時計サイズまで小型化することで、スマートウォッチでの血圧測定を実現したのです。
血圧測定機能を持つ海外製のスマートウォッチでは、光学センサーによる血圧測定を行っています。光学センサーから光を血液中に照射して、その反射量と心拍数をもとにおおよその血圧を測定するのです。
血圧測定機能を持ったスマートウォッチには、24時間継続して計測するものと、自分で操作して計測するものとがあります。スマートウォッチで血圧を計測したい方は、メリット、デメリットを参考にして製品を選びましょう。
モデルごとの血圧計測の違い
24時間計測モデル | 一時測定モデル | |
---|---|---|
メリット | ・血圧が上がる状況を把握できる
・自動で計測できる |
・電池の消費量が少ない
・常に身につけている必要がない |
デメリット | ・常に身につける必要がある
・バッテリーの消費が激しい |
・計測するには自分でボタンを押さなくてはならない |
血圧測定は、まだ改善の余地がある
血圧計としての機能を重視する場合、スマートウォッチではまだ試行錯誤を重ねている段階というのが現状です。どのスマートウォッチでも血圧を測ることはできますが、そのときどきの状況に左右されてしまうため、正確な値を導き出せないものがほとんどです。
いまの段階では、オムロンのHeartGuideが唯一の選択肢となっています。スマートウォッチの血圧計で正確に計測できるのは、まだまだ先といえそうです。
スマートウォッチで計測できる数値
多くのスマートウォッチは防水・防滴機能を備えているため、入浴や運動しているときもつけっぱなしにできます。スマートウォッチを1日中装着することで、さまざまな数値を計測できます。体によくない生活が続いていると判断したら、生活を改めるなどの参考にできます。
スマートウォッチでいま計測できる、健康管理の重要な指針となる数値を紹介します。
心拍数
ほとんどのスマートウォッチで計測できるのが心拍数です。光学式心拍センサーが光を照射して、血液量から心拍数を計測します。ランニングやジョギングなどの運動中に心拍数を見ることで、体にかかっている負荷をコントロールすることが可能になります。
日常生活でも心拍数を見ることで、自身が感じているストレスの度合いや緊張を把握するのに役立ちます。
血中酸素濃度(血中酸素飽和度)
血中酸素濃度(血中酸素飽和度)とは、血液中の酸素量をあらわします。血中酸素濃度の計測はApple Watchをはじめ、多くのスマートウォッチに採用されている機能です。心拍数と同じように血管へ光を照射することで計測します。
血中酸素濃度は何らかの疾患があることを示すわけではありませんが、正常値の96%〜99%から外れる場合は、何らかの異常があることが疑われます。
睡眠時間
スマートウォッチを装着して眠ると、睡眠時間や睡眠の状態を計測できます。
健康において睡眠はとても重要な位置を占めています。しかし眠っている間はきちんと睡眠を取れているかどうかは判断できません。スマートウォッチでは睡眠時間や睡眠の状態から、質の高い睡眠を取れているかどうかを分析してくれます。
ちゃんと寝ているのに体の疲れがなかなか取れないときは、睡眠の質に原因があるかもしれません。スマートウォッチで分析してみてはいかがでしょうか。
消費カロリー
性別、年齢、体重、身長を入力することで、心拍数や歩数計から消費カロリーを算出できます。大まかな参考値ではありますが、活動量の少ない日が続いている場合は、意識的に運動をする機会をもうけるなどの対策を取れます。
食事量を減らすなど、摂取カロリーを制限する参考にもなるでしょう。
歩数・移動距離
歩数計や移動距離の計測も、ほとんどのスマートウォッチが備えている機能のひとつです。日々の歩数や移動距離が記録されていくため、どれくらい歩いているのかを把握できます。
歩数が少ない日が続いている場合は、積極的に歩くなどの判断をして、健康の維持に役立てます。
スマートフォンの健康管理が便利!
スマートウォッチなどで計測したデータは、スマートフォンで管理することが可能です。ほかにも、スマートフォンはさまざまな健康機器と連携できるため、総合的な健康管理を行えます。スマートフォンでできる健康管理について解説します。
体重・体脂肪などの変化がわかる
体重や体脂肪を計測できる体組成計のなかには、スマートフォンとの連携機能を備えているものがあります。
体重や体脂肪を計測するとスマートフォンに計測データが送信されるため、メモ帳などに記録する手間がかかりません。自動的にグラフも作成してくれます。日々の変化を簡単に見られるため、ダイエットのモチベーションを保つのに役立ちます。
新しく体組織計を購入する場合は、スマートフォンと連携できるものをおすすめします。
毎日の体温を簡単に記録できる
体温計のなかには、スマートフォンと連携できるものがあります。体温の変化を簡単に管理できるため、平均体温から大きく外れるときに、体の変化にいち早く気づくことが可能です。
とくに女性は基礎体温の管理が簡単にできるため、日々の記録の手間を省けます
毎日の血圧をスマートフォンで管理できる
正確な血圧を測定するのであれば、専用の血圧計がおすすめです。血圧計にもスマートフォンで記録を管理できるものがあります。
血圧は毎日大きく変化するため、計測を毎日行って、平均値を導き出す必要があります。スマートフォンと連携できる血圧計であれば血圧が自動的に送信され、平均値も自動的に算出します。
日々の努力の結果をすぐに参照できるため、モチベーションを保つのに役立つでしょう。
歯の磨き残しをチェックできる
スマートフォンと連携できる電動歯ブラシもあります。歯磨きの磨き残しは虫歯の原因になりますが、逆に磨きすぎも歯の摩耗や歯ぐきの減退といった問題を起こします。
スマートフォンで管理できる電動歯ブラシであれば、センサーで磨き残しをチェックできるだけでなく、ブラシを強く当てすぎる過圧に対する警告もしてくれます。歯ブラシを交換するタイミングもお知らせしてくれるので、適切な歯磨きが可能になります。
スマートフォンで健康を総合的に管理できる
これまでの健康管理は個々の数値を見るだけでしたが、スマートフォンを活用することで、総合的に数値を閲覧できるようになりました。体重や体脂肪の増減と日々の歩数の推移、心拍数などを比較すれば、運動量に問題がなかったのかを把握できます。
いまは単に長生きするだけでなく、高齢になっても健康的に生活できることが重要視されています。スマートフォンを活用すれば、健康管理がしやすくなるため、健康年齢を延ばすサポートをしてくれるでしょう。