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冷蔵庫を超越した冷蔵庫、サムスン「Family Hub 2.0」はホームアシスタント

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CES2017で発表され、話題となったサムスンFamily Hub 2.0

画像引用:https://www.samsung.com/us/explore/family-hub-refrigerator/overview/

CESとはコンシューマー・エレクトロニクス・ショーの頭文字をとった通称で、毎年1月にアメリカはネバダ州・ラスベガスで開催される世界史大規模の家電などの見本市です。

韓国国内最大手の総合家電・電子部品メーカーのサムスンは、2017年1月に行われたCEO2017において、スマートホーム向けにIoT化された冷蔵庫「Family Hub 2.0」(プレスリリース)を発表しました。

すでに2016年に前身となるオリジナルモデルFamily Hubを発表していましたが、今回のサムスンFamily Hub 2.0はさらにクオリティが向上し、様々な機能を搭載した最新型の次世代スマート冷蔵庫として大きな話題となりました。

近年、世界各国でスマートホーム化が進み、様々なIoTデバイスが開発されて販売されていますが、実はスマートホーム分野で今後展開していくためには“キッチン”が重要なポイントであるとされています。

すでにスマートホーム向けにIoT化されたクッカー(調理器具の総称)や、料理をしながらでも音声制御が可能なスマートスピーカーなど多数展開されていますが、その中でもサムスンは、冷蔵庫に21.5インチのLEDタッチスクリーンを搭載するなど、画期的な試みを続けてきました。

前身モデルFamily HubがCES2016に登場した時は、メディアからの評価も「ドアにタブレットが付いている冷蔵庫」程度と高いとは言い難かったのですが、さらに進化したサムスンFamily Hub 2.0の評判は上々です。具体的にどんな機能が搭載されていて、どんなことができるのか、見てみましょう。

 

サムスンFamily Hub 2.0でできること

サムスンFamily Hub 2.0は前モデルから引き続き、冷蔵庫の中に内蔵カメラを搭載していますので、ドアを開かなくてもリアルタイムに冷蔵庫の中身を確認することができます。

ドアの開閉を行うたびに撮影されますので、常に最新の状態がチェックできます。ドアを頻繁に開閉することは庫内の温度の不安定さを招き、消費電力を増やしてしまうデメリットがあるのですが、この機能を使えばドアを開かずに済みます。

撮影された画像を見ながら、買い物リストを作成したり、内蔵されているアプリで足りない食材を音声操作でネット注文したりすることもできますし、スマホアプリを介せば外出先からでもチェックすることが可能です。

スーパーに行く前はちゃんと買うものを覚えていたのに、いざ色々なものが目に入ってしまうとすっかり忘れてしまうという方もきっと少なくないことでしょう。

そんな時でもサムスンFamily Hub 2.0であればスマホアプリから確認することができますので、買い忘れを防ぐことができます。

さらに、内蔵されているレシピアプリでは、ドアのLEDタッチスクリーンに大きな文字や画像で調理の手順を表示してくれるうえ、音声でテキストを読み上げてくれますので、いちいち手を止めてレシピ本やスマホアプリを開く必要がなくなり、スムーズに調理が行えます。

また、音声によるコントロールで21.5インチのLEDタッチスクリーンにくっきりとレシピが表示されることで、小さい子供などでも早くから料理に興味を示してくれるようになるのではないかと期待されている部分もあるようです。

これだけでも毎日キッチンに立つ主婦の皆さんにとっては非常に嬉しい機能ですが、ボイステクノロジーや内蔵アプリによって、ほかにも様々な機能を利用することができます。

たとえばLEDタッチスクリーンで家族みんなのスマホと連携して画像や動画、カレンダーなどを保存したり共有したりできますし、音声やテキストでメモや伝言を残すことができます。

さらに、サムスンFamily Hub 2.0は前述の買い物リストの作成や音声によるオンライン注文に加えて、天気予報の確認、時間の確認、To Doリストの管理といった様々なアプリが音声で利用できます。

 

今後の開発などによりサムスンFamily Hub 2.0がさらに便利になる

サムスンは「Family Hub 2.0」などのスマート冷蔵庫をより便利にかつ多機能にすること、そしてエンターテイメント性を向上させることに力を注いでいます。

たとえば「Family Hub 2.0」ではすでにサムスンのスマートTVが見られますが、「Spotify」や「iHeartRadio」といった音楽やラジオサービスと提携したり、位置情報共有サービス「Glympse」やディスカウントストア「LIDL」などと提携したりして、さらなるアプリや機能の開発を行っているとしています。

つまり、将来的には現在日本でも徐々に認知度が上がってきたAmazon EchoやGoogle HOMEのように、サムスンFamily Hub 2.0は冷蔵庫でありながら“ホームアシスタント”のような方向性を目指しているものと思われます。

現時点ではまだ機能が限られているため、便利ではあるものの“必要性”という点において若干弱さが感じられるFamily Hub 2.0ですが、現在取り組んでいるアプリや機能の開発が進み、どのように進化して行くのか、しばし見守りたいところでもあります。