Apple Watchの心拍変動感知機能でコロナを検出!米マウントサイナイ医科大学が発表
Apple Watchを用いてコロナウイルス早期発見に関する研究を行ったのは、「米マウントサイナイ医科大学」です。
米マウントサイナイ医科大学では2020年4月29日~9月29日を対象に大学内の医療従事者へApple Watchを装着してもらい、データを追跡して調査を行いました。
調査結果によると「心拍変動」を基に、数日前にはコロナウイルスが発症するかどうか判断できる可能性があると述べられています。心拍変動は心拍の時間間隔を数値で表したものです。
同調査では「コロナウイルスによる炎症は大きな炎症を引き起こし、炎症は心拍変動と関連性がある」とされています。つまりコロナウイルスによって炎症が起きると心拍変動が低くなり、発症前にコロナウイルスにすでに感染しているかどうかの判断材料になるわけです。心拍変動が低下すると変動の高い通常の状態より適応力が減少し、免疫力が低くなってしまいます。
心拍変動についてはスマートウォッチといったウェアラブル機器の浸透によって大量にデータを収集できるようになり、
・敗血症と診断された患者が35時間前に心拍変動が減少した
・骨髄移植を受けた患者が感染症にかかる前に心拍変動異常になった
といった研究結果も出ています。そして今回の研究ではコロナウイルスの早期発見にも効果があると発表されました。
論文はまだ未査読(専門家の審査が入っていない)であり明確に効果があるのかは公的に証明されていませんが、コロナウイルス発症前かどうかの個人的な判断には十分AppleWatchが活用できると言ってよいでしょう。
参考:https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2020.11.06.20226803v1
リアルタイムで発症前のコロナ患者を発見可能!米スタンフォード大学も研究結果を公表
アメリカではコロナウイルスの研究が進んでおり、米マウントサイナイ医科大学だけでなく「米スタンフォード大学」もコロナウイルス患者早期発見のヒントになる研究結果を公表しています。
米スタンフォード大学では
・Apple Watch
・FitBit
・ガーミン
といった有名メーカーのスマートウォッチ(フィットネストラッカー)を駆使して、参加者からデータを収集してコロナウイルスに関する調査を行いました。
調査では参加者の中でコロナウイルスの陽性反応が出た81%が、発症する9日半前までに心拍数が通常時より変化していたと分かりました。
研究担当者の「マイケル・スナイダー」氏は、「コロナウイルスについては人がいつも検査できるわけではないが、スマートウォッチといったデバイスを使えばいつでも健康状態を測定可能。
数日後には検査結果が返ってくる場合もあるリアルタイム性も特徴」と述べており、スマートウォッチによるコロナ検出が検査の欠点を補ってくれる可能性があるとしています。
スタンフォード大学では心拍数異常を警告してくれるツールなども開発しており、無症状のコロナウイルス感染者が外出して感染拡大を起こす危険性を少しでも減らせるように努力を重ねています。
Appleといった各企業とも連携しながらコロナウイルス対策を進めており、今後もコロナウイルスに関する研究機関の中心として役割を果たしていくでしょう。
遠隔で患者の状態を確認可能!日本企業がAppleWatchでコロナを管理するための医療サービスを発表
アメリカだけでなく、日本でもコロナウイルスに対するさまざまな取組が行われています。
たとえば日本企業の「AP TECH株式会社」は、医療従事者をサポートするサービスとして「Hachi for COVID-19」を発表しました。
Hachi for COVID-19はApple Watchなどのウェアラブルデバイスを活用して、患者の健康状態を取得して管理できるようにする「iPad」用のサービスです。
設定済みのApple Watchを患者へ装着してもらい定期的な健康状態の計測を行えるようにすることで、医療従事者が非接触で健康データを把握できるようになります。
さらにビデオ通話により、医療従事者や家族が患者と遠隔でコミュニケーションを取れるようになっているのも特徴です。
医療現場ではコロナ患者に接触して自分も感染してしまうリスクが存在します。Hachi for COVID-19といったサービスが広まれば、遠隔で感染リスクを押さえながら安全にコミュニケーションが取れる医療体制が構築されるでしょう。
すでにApple Watchなどを持っている方は、ぜひコロナウイルスの早期発見に活用してみてください。