kirin 990シリーズは、4G用と5G用の2種類ある!
kirin 990とは、Huaweiがオリジナル開発した処理チップ(SoC)です。世界最大級の家電見本市である「IFA2019」にて初めて発表されました。 HuaweiはIFA2019の中で ・ファーウェイは「AI(人工知能)」を活用した技術研究に力を入れてきた ・「IFA 2017」で世界初AIプロセッサー搭載の「kirin 970」を発表したとき周囲から疑問を覚えられた といった内容を解説しました。 そしてスマホなどでAIを活用した処理が当たり前になった現在、従来の端末内でのリアルタイムAI処理とクラウドでのAI処理を併用している状況を「Mobile AI 1.0」と定義しています。 その上で将来的に5Gを活用してクラウドでもリアルタイム処理が行えるようになった状態を「Mobile AI 2.0」と呼び、Mobile AI 2.0を実現できるチップとしてkirin 990を紹介しました。 kirin 990には ・従来の4Gを利用できる無印kirin 990 ・5G機能を利用できるkirin 990 5G の2種類があります。やはり注目したいのが、Huaweiの製品コンセプトに沿っている5G機能搭載の「kirin 990 5G」です。
AI搭載で処理精度向上!kirin 990の特徴
スタンドアローン方式とノンスタンドアローン方式の両方を利用可能
kirin 990 5Gには5Gモデムが統合されていますが、「スタンドアローン方式」と「ノンスタンドアローン方式」の両方に対応しているのがポイントです。 スタンドアローン方式とは5Gオリジナルの設備で回線を利用する方式で、5G本来の性能を発揮できます。 対してノンスタンドアローン方式とは4Gの設備を流用して5Gを提供する方式であり、本来の5Gの性能を発揮できない分基地局の開設が簡単な方式です。 現在普及が始まっているのはノンスタンドアローン方式ですが、kirin 990 5Gはどちらにも対応しているので将来的なスタンドアローン方式の通信にも対応できます。 また通常競合のチップで5G対応のスマホを制作しようとすると、SoCと5Gモデムの2チップが必要です。しかしkirin 990 5Gでは1チップで対応が済むので、端末設計を簡単にできるのがメリットになります。
5Gの通信方法も工夫されている
kirin 990 5Gでは、5Gの通信方式も工夫されています。 ・5Gの電波が弱い際も4G回線を活用しながら高速通信が可能 ・通信量が少ない場合は帯域を狭めて電力を節約する ・高速移動時も通信スピードが落ちない といったように、どんな状況でも安定して通信が続けられるように構築されているのがポイントです。
AI処理においても性能や電力効率が向上
kirin 990シリーズに搭載されている「NPU(AI処理用の部品)」は、 ・高負荷処理用のビッグコア ・低負荷処理用のタイニーコア の2つのコアで構成されています。負荷によって処理を行うコアを分けて電力を最適化できるようになっています。 ・背景を変える ・人物を消去する ・背景をぼかす といった各処理をリアルタイムに行える処理能力の高さも特徴で、kirin 970より処理能力が12倍にまで向上しているのもポイントです。
103億個のトランジスタを搭載、最新の半導体技術も使用
kirin 990 シリーズには103億個のトランジスタ(データ処理時に発信される信号に関係する部品)が搭載されており、最新の半導体技術「極端紫外線リソグラフィ」が採用されています。 処理能力は下記の通りで、合計8つのコアを搭載しています。 ・2.86GHz×2 ・2.36GHz×2 ・1.95GHz×4 「Snapdragon 855」と比較してマルチコアで9%処理が速い、さらに消費電力も有利とアピールされているのがポイントです。
Mate 30などに搭載!kirin 990シリーズ搭載機器をご紹介
kirin 990シリーズは次のような製品に搭載されています。