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スマートホーム(スマートハウス)の記事
2017.10.02
2020.11.13

韓国Samsungが買収したSmartThingsの魅力とIoTプラットフォームとは?

2014年8月、韓国Samsungはアメリカ企業SmartThingsを買収しました。このSmartThingsが提供しているIoTプラットフォームは、今後のIoTやスマートホームを語る上で欠かせませんが、いったいどんなサービスなのでしょうか?

記事ライター:iedge編集部

IoTプラットフォームとは

プラットフォーム(プラットホーム)というと駅のホームが思い浮かぶという人も少なくないと思います。英語の綴りはPlatformですので単語の意味としては間違っていませんが、IoTプラットフォームとなるとややニュアンスが異なります。

IoTにおけるプラットフォームとは、アプリを正常に稼働させるためのソフトウェアや制御機器などのハードウェア、クラウドサービスなどをまとめて指すものなのですが、噛み砕いて言うと、

「A社製のエアコンとB社製のテレビをC社製のIoTプラットフォームリモコンで稼働できるようにする」

といった、メーカーの垣根を越えて機器を制御できるようになることをイメージしていただければと思います。

IoT技術の進歩に伴って様々な家電や家具などのIoT化が進み、スマートホーム関連デバイスも多数、開発・製造・販売されています。

例えば玄関のドアの開閉を検知するセンサー、室内の温度を検知するセンサーなどを稼働させるには、それぞれに対応するアプリをひとつひとつ開発しなければなりません。

しかし、そんなことをしていては利用者のデバイスは個別のアプリだらけになってしまい、利便性が大きく損なわれ、誰もIoTデバイスやスマートホームデバイスを導入しようなどと思わなくなってしまうはずです。

そこでドア開閉センサー、温度センサー、人感センサーなど仕様が異なる複数のセンサーからのデータをスムーズに収集・蓄積でき、かつサービスにつなげるための基盤が必要となってくる訳です。

この基盤が「IoTプラットフォーム」と呼ばれるものです。

A社製のエアコンを稼働させるための赤外線通信規格と、B社製のテレビを稼働させるための赤外線通信規格は通常異なりますが、これをどちらの通信規格にも対応しているC社製のリモコンを使えばリモコンは1台で済みます。

つまり、各メーカーはセンサーごとにアプリを開発せずとも、C社製のリモコンに対応したIoTデバイスを開発すれば良くなり、ユーザーもC社製のリモコンを持っていれば良いということになります。

*なお、この場合はC社がIoTプラットフォーム企業ということです。

さらにD社製の照明、E社製の床暖房、F社製の冷蔵庫など、C社製のリモコンで稼働させられるデバイスが増えれば増えるほどユーザーにとっては利便性が高くなりますので、普及に繋がり、ひいては各企業の利益にも繋がっていきます。

本当はもっと複雑で難しいものなのですが、ごくごく簡単に解説するとIoTプラットフォームとはこのようなものになります。

 

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SmartThings社とは?

SmartThingsについて

Samsungが買収したSmartThingsは2012年に設立された比較的新しい企業です。

SmartThingsでは各家庭内のエアコン、テレビ、照明などがIoT化され、ネットワークに繋がっているデバイスをアプリ一つで制御したり自動化したりできるというプラットフォームを手がけています。

2014年にSamsungに買収された時点で既に1,000種類以上のIoTデバイスと8,000種類以上のアプリをサポートしていましたので、現在はさらに増えていることでしょう。

*買収後も独立して事業運営を継続しています。

ここで、SmartThingsの主要製品の一つをご紹介します。

Samsung SmartThings Home Monitoring Kit
(英語版)

なお、正式な販売価格は$249.00ですが、2017年9月現在は$149.00で販売されていました。

このキットにはSmartThingsハブ、モーションセンサー、ライト、スマート電源タップ、多目的センサーなどが含まれていますので、初心者でも容易に導入しやすいキットになっています。一つ一つの詳しい商品について、下部でご説明します。

多目的センサーは、例えば、窓やドアなどの開閉センサーとして活用でき、アプリを介してベッドの中からでも、外出先からでもリアルタイムに戸締り状態をチェックすることができます。

アメリカを中心に販売実績が絶好調のAmazon EchoもSmartThingsのホームオートメーションをサポートしていますので、Amazon Echoに搭載されている音声アシスタントAlexaを通じて、音声コマンドによる制御も可能になっています。

ちなみに、SmartThingsを巡っては、2015年に「ユーザーとクラウド間とでやり取りしている情報をハッカーが傍受できてしまう」という欠陥が発覚しました。

同社によるとすでにその問題は修正されているとのことですが、SmartThingsに限らず、セキュリティという点はプラットフォームの課題の一つとも言われています。

利用するユーザーも、セキュリティに対する意識を今まで以上に備えておく必要があると言えるでしょう。

 

SmartThingsの製品について

SmartThingsからは様々な製品が開発・販売されており、その種類も豊富にあります。それぞれ私生活で役立つ機能を兼ね備えているので、快適な生活になるでしょう。それぞれどんな機能を備えているのかチェックして、欲しい製品を導入してみてはいかがでしょうか。

それでは、SmartThingsの製品についてご説明しましょう。

SmartThings Wi-Fi

画像引用元:https://www.samsung.com/us/smart-home/smartthings-wifi/single/samsung-smartthings-wifi-1-pack-et-wv525bwegus/#benefits

こちらは様々なスマートデバイスとワイヤレスで接続し、連携させる機能を持っていますが、連携先は数百種類もあるのが最大の特徴です。SmartThingsのアクセサリと数百種類もの製品と互換性があるため、この製品があれば連携に困らないでしょう。

SmartThingsアプリを導入すれば自宅で接続している全てのデバイスを監視・管理し、予期しないアクティビティが起きた場合はすぐにスマホがアラートを受信します。

さらに、接続したデバイスを自動化する機能もあります。たとえばドアが開いた時に接続されている全てのデバイスのオンオフが自動的に切り替わるなど、住人が操作する必要性が無くなります。

Wi-Fiで全てのデバイスと繋がることによって、スマートホーム化ができますよ。

SmartThings Button

画像引用元:https://www.samsung.com/us/smart-home/smartthings/buttons/samsung-smartthings-button-gp-u999sjvleaa/

こちらは一つのボタンを押すだけで複数の照明や電子機器、小型家電製品などの電源のオンオフを切り替えることができます。それぞれSmartThings Buttonと連携する機器を選んで設定することにより、ボタンを押すというよりも触れるだけでオンオフが切り替えられるのが特徴です。

一つ一つのっ気のオンオフを手動で切り替えるのは面倒ですが、SmartThings Buttonがあればワンタッチで簡単にオンオフが切り替えられます。

SmartThings Multipurpose

画像引用元:https://www.samsung.com/us/smart-home/smartthings/sensors/samsung-smartthings-multipurpose-sensor-2018-gp-u999sjvlaaa/

こちらはSmartThings Hub、またはSmartThings Hubの機能を持った製品と連携しているデバイスが必要です。SmartThings Multipurposeを導入することにより、ドアや窓に設置することでいつ開閉されたのかが分かります。

自分や家族の誰かが開閉した時はもちろん、予期せぬ開閉があった時はスマホにアラートを送信するようになっています。この時間は家に誰もいないはずなのにアラートを受信した場合、もしかしたら空き巣かもしれないと思ってすぐに対策することもできるでしょう。

防犯センサーとして導入するのがおすすめです。

SmartThings Motion Sensor

画像引用元:https://www.samsung.com/us/smart-home/smartthings/sensors/samsung-smartthings-motion-sensor-2018-gp-u999sjvlbaa/

こちらは上述した防犯センサーのように人の動きを感知するセンサーで、誰かが行き来した時にスマホにアラートを送信するシステムになっています。自分や家族の誰かが行き来する分には問題ありませんが、もしも自分や家族の誰かがいない時間なのにアラートを受信した場合、家に誰かが不法侵入している可能性があります。

そういった時にすぐ対処できるのが大きなメリットです。

SmartThings Water Leak Sensor

画像引用元:https://www.samsung.com/us/smart-home/smartthings/sensors/samsung-smartthings-water-leak-sensor-gp-u999sjvlcaa/

こちらは上述した製品と同じくセンサーでアラートを送信する製品ですが、上述した製品と違うのは、湿気に反応するところです。正確には水漏れを感知するセンサーで、もしもちょっとでも水漏れしているならアラートを送信して本人に知らせてくれるのが特徴です。

水漏れは日常的に起こり得ることなので、普段の生活や出かける時など様々な場面で水漏れを教えてくれる水道代に優しい製品だと言えるでしょう。

SmartThings Outlet

画像引用元:https://www.samsung.com/us/smart-home/smartthings/outlets/samsung-smartthings-outlet-2018-gp-u999sjvldaa/

上述した製品の中にボタンに触れるだけで機器のオンオフが切り替えられるSmartThings Buttonがありましたが、SmartThings Outletはホームオートメーションの全体化が実現できる優れものです。

これを導入するだけで、家中の電子機器や小型家電製品、照明がどこからでもオンオフの切り替えができるようになります。

その他のラインナップ

SmartThingsにはその他にも様々な製品を販売しています。

カメラ機能があるSmartThings Cam、スマートプラグのSmartThings Wi-Fiスマートプラグ、SmartThings Wi-Fiが3パックお得に購入できる製品、SmartThings トラッカー、必要がない時にしまっておけるSmartThings ストラップポーチ、SmartThings スマート電球、SmartThings 到着センサーなど様々な製品があります。

特にSmartThings CamはフルHDで非常に画質が良く、24時間体制で家の中を監視してくれます。よりクリアな音声と夜中でもハッキリと監視できる暗視カメラ機能もあるなど、監視体制に抜かりはありません。

今後も様々な製品が開発・販売されることが予想されるので、どんな製品が販売されるのかチェックするのがおすすめです。

 

さいごに

今回はIoTプラットフォームというまだまだ馴染みの薄い話を詳しくお伝えしてきましたが、SmartThings以外にもIFTTT、MyThings、Amazon Echo、Homekit、Works with Nestなど様々なIoTプラットフォームがあります。

それぞれ特徴なども異なりますので、今後どう棲み分けていくのか、またどんなIoTプラットフォームが開発されていくのか、ぜひとも注目していくと良いでしょう。

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