タブレットとスマートホームの関係
一般的なスマホよりもひと回り~ふた回り大きい8インチ、10インチなどのタッチパネル式の液晶ディスプレイ端末の総称をタブレットと言います。
スマホの代わりのような位置付けに捉えている方も多いと思いますが、音声通話は基本的にアプリがないとできず、逆にマウスやキーボードがなくてもファイルの編集ができることから、どちらかというと小型のPCに近い存在と言えます。
タブレットのOSにはいくつか種類があります。
代表的なものでは「Windows(Microsoft)」「iOS(Apple)」「Android(Google)」「Fire(Amazon)」などで、それぞれUIが異なります。
昨今、次々に登場しているスマートホーム関連の各IoTデバイスはアプリを介して制御するものがほとんどで、多くの方はスマホやタブレットにそのデバイス専用アプリをインストールして制御することになります。
タブレットをゲートウェイとして使用するスマートホームデバイス
「アプリで始めるアパート経営・TATERU」のキャッチコピーでお馴染みの株式会社インベスターズクラウドが、ハードウェアビジネスプロデュースなどを手がける株式会社FORMULAとともに開発した「TATERU kit」があります。
TATERUのアパートに標準装備されているもので、入居者は外出先からでもエアコンの管理、玄関のドアの施錠、窓のセキュリティ、照明の点灯・消灯などがアプリを介して行えるというものです。
・NATURE SENSOR REMOTE CONTROLLER
室内の温度や湿度情報を取得し、必要に応じてエアコンを制御できるデバイスです。赤外線通信にも対応していますので、エアコン以外に照明やテレビなども制御することができます。
・WINDOW SECURITY
窓に装着しておくだけで開閉や揺れを検知し、その情報をスマホ等に通知してくれますので、外出先からでも異常を知ることができます。
・SMART LIGHT
照明を自分好みのトーンに調整することができるほか、消し忘れた場合などは外出先からでもオフにすることができます。
・SMART LOCK
スマホ、カードキーなどのNFC(近距離無線通信)、テンキー、リアルキーの4つの方法で施錠・解錠できるスマートキーです。
そして、これらを一元的に管理するための「ゲートウェイ」として用いられているスマートホームデバイスがタブレット端末(CENTRAL CONTROLLER)なのです。
室温、湿度、玄関のドアの戸締り状況、照明が点灯しているかどうか、エアコンはつけっ放しになっていないか等を一目で確認することができます。
このCENTRAL CONTROLLERは室内側のモニター画面にもなっていますので、誰が来客したのかが分かるほか、来客履歴も残りますし、連携させているスマホを介せば外出先からでも来客対応することが可能です。
TATERU kitのタブレットをスマートホームのドアホンにして民泊で活用していく動きも広まりつつあり、今後需要が増えてくると予想されています。
スマートホームにおいてスマホの欠点を補うのがタブレット
スマホとタブレットの大きな違いの一つが液晶ディスプレイのサイズです(なお、電話とタブレット両方の良いとこ取りをしたファブレットと呼ばれる5.5インチ~7インチ未満の端末もありますが、ここでは割愛します)。
スマートホームデバイスとしてスマホとタブレットの両者を比較した時、単純に考えて画面が大きい方が操作しやすいということが言えます。
たとえば株式会社インターテクノロジーの「アボットライリー」という、わずか12cmという手のひらサイズの可愛いネットワークカメラ付き見守りロボットがあります。
専用アプリをインストールしておけば、違う部屋にいても外出先からでもカメラに映る映像を確認できるほか、会話や録画も可能なセキュリティデバイスです。
このアボットライリーはアプリを開けば、スマホやタブレットの画面越しにラジコンのように動きをコントロールすることができるのですが、特に細やかな動きを指示するスマートホームデバイスとしてはタブレットの方が向いています。
あるいは、キッチンで料理をしながらIoTデバイスの制御のためにアプリを開いたり、誰が訪ねてきたのかモニタリングしたり、旅行中に家の様子が気になってネットワークカメラから室内をモニタリングしたりするなどの際、スマホでは小さすぎることがあります。
このことからも、タブレットはスマートホームデバイスの操作性という点においてスマホよりも優れていると言えます。
また画面が大きいということはそれだけ表示できる情報量も多くなりますので、あらゆるIoTデバイスが取得した様々な情報を、画面を切り替えることなく一度に確認できるのもタブレットの利点です。
ノートPCよりも小型のため携帯性にも優れ、スマホよりも多機能なタブレットは、これまでの「娯楽」や「ちょっとしたPCの代わり」からスマートホーム関連の各IoTデバイスをコントロールするための主要な存在となりつつあると言えるのではないでしょうか。