Orpheは、まさに“次世代”のIoTデバイス
画像引用元:http://orphe.shoes/
Orpheは、2014年10月に創業したばかりのスタートアップ企業・株式会社no new folk studio(通称nnf)が開発したスマートフットウェアです。
*nnfは「日常を表現にする」というミッションを掲げて新しいプロダクトやサービス、プラットフォームを開発する企業です。
伊勢志摩ダンスサミット2016などのダンスイベントでOrpheを着用したことがあるケント・モリ氏には「今まで人生で履いた靴の中でいちばん運命を感じた靴」と言わしめ、AKB48グループのメイクや衣装をプロデュースするオサレカンパニーの茅野氏には「舞台表現の無限の可能性を感じる」との評価を受けるなど、一般発売前から早くも話題沸騰でした。
Orpheのソール部分には、約100個のフルカラーLEDを搭載したユニットと、加速度・角速度・地磁気それぞれ3軸(合計9軸)のモーションセンサー、Bluetooth Low Energy(BLE)通信モジュール、そしてバッテリーなどが内蔵されています。
約100個のフルカラーLEDは個別に制御することもでき、美しいグラデーションや足の動きに応じたアニメーションのデザインが可能です。
またBluetooth経由でスマホやMacなどとペアリングさせることができ、たとえば専用のスマホアプリからの「SCENE」画面でOrpheが発する光の色や音を自由にカスタマイズすることができます。
その組み合わせは驚愕の“1,000万パターン以上”とされていますので、文字通り「表現における無限の可能性」を秘めていると言えます。
搭載されている9軸のモーションセンサーは足の動きを1秒間に50回センシングすることができますので、非常に細やかな運動をリアルタイムに解析可能となっており、音楽制作ソフトや他のアプリと連携したパフォーマンス、ダンス、あるいはゲームコントローラーとしても活用することができます。
さらにmacOS用の無料アプリを使えば、モーションセンサーが取得したデータを記録したり、楽器やVRコントローラーとして利用したりといった様々な使い方が可能になります。
開発者向けにiOS、macOS、Android、Unityなどのプラットフォームに対応するSDK(ソフトウェア開発キット)をリリースしていることもあり、新たな技術やサービス、IoTデバイスと組み合わせることで、音楽や光による表現のみならず、ヘルスケア、フィットネス、AR、スポーツ、メディアアートなど様々な分野に広がっていくことが期待されています。
なお、実際の動きについては文字よりも映像の方が伝わりやすいと思いますので、ぜひnnfのサイトで公開されているデモンストレーション映像をご覧ください。
http://no-new-folk.com/ *サイト中ごろに映像があります。
Orpheの仕様や販売価格など
Orpheは現在のところサイズが23.5cm(US5.5)/25.5cm(US7.5)/27.0cm(US9.0)/28.5cm(US10.5)の4種類、重量は1kg~1.2kg、カラーはホワイトとブラックの2種類が用意されています。
microUSBで充電して使用するタイプになっていて、1回の充電に要する時間はおよそ1時間程度、稼働時間は約1時間~5時間(使い方などによって異なる)とされています。
販売価格は44,800円ですので、普通のフットウェアと比較してしまうと高いと感じてしまうかもしれませんが、上記のデモンストレーション動画のような使い方ができると思えばむしろ安いと思える方も多いのではないでしょうか。
Orpheは魅力的だが注意が必要なポイントもある
今回はOrpheの魅力をメインにご紹介してきましたが、最後に注意点をお伝えします。
まず一つ目は防水ではないという点です。Orpheのソール部分には電子部品が内蔵されていますので、故障や感電事故などを招かないためにも、雨の日はもちろん水たまりなども避ける必要があるでしょう。
また、同じくソール部分に内蔵されているLEDユニットは、ソールと一体になっていますので取り外しや交換ができません。一般的な白熱灯と比較すると長寿とはいえ、LEDが切れた場合は買い換えなければならない可能性もあります。
さらに、激しい衝撃を与えるダンスやパフォーマンスの場合、耐久性にも若干問題があると指摘されています。
昼間晴れている時に履いても急に雨が降ってきたら……と考えるとなかなか外で履くのは難しいと思われますので、今のところは「屋内」かつ「パフォーマンス」や「ダンス」を行う方向けのフットウェアと捉えた方が良いでしょう。
それにしても、Orpheは次世代の到来を予感させる素晴らしい試みのスマートフットウェアであることに変わりはありません。今後はぜひ、防水タイプなどの開発に期待したいところです。