新型コロナが加速させた「無人対応」とは?
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐには「3密(密閉・密集・密接)」を避けることが大切と言われています。3密回避を守ることは、コロナのクラスター(集団)感染を防ぐという意味で、非常に大きな意味を持ちます。
また、コロナの感染拡大防止について私たち一人ひとりができることと言えば、人との接触を避けるいわゆる「非接触」を意識した行動です。こうした背景があり、誕生したのが「無人対応」です。
無人対応が新型コロナ拡大を防ぐ?
各種サービスに従事している方々は、どうしてもカスタマーとの接触を避けることができません。マスクをしていてもコロナを始めとするウイルスを吸い込まない確証はありませんし、接触感染のリスクも高くなります。無人対応は、そうした従業員や店舗スタッフなどをコロナ感染から守るために大きな効果があります。
無人対応には、大きく2パターンあります。1つは遠隔操作です。現場では無人対応ですが、実際にはモニター越しにスタッフが対応するといったスタイルです。もう1つは完全な無人対応です。AIやGPSなどに任せて、スタッフは一切対応しないというスタイルです。
具体的に、どういった無人対応の形があるのか詳しく紹介していきます。
新型コロナが始まった中国ではすでに「無人対応」が進んでいた!
新型コロナウイルス騒動が始まったのは、中国の武漢市と言われていますが、そのコロナ始まりの地・中国ではすでに、無人対応が進んでいます。
ロボット配送車が病院へ物資を運ぶ
コロナの感染拡大を防ぐには「非接触」が大切であるとお伝えしました。中国では、ロボット配送車に物資を積み込み、配送先をセットすると、あとは自動で配送してくれるというサービスが登場しています。まさに非接触を実現した「無人対応」です。
ロボット配送車は障害物を避け、ルートを自分で決めて配送先まで届けてくれるといいますから、コロナ感染拡大防止に一定以上の効果が期待できると見て良いでしょう。
ロボット配送車が餃子を届ける
病院に物資を届けるだけではありません。無人対応に対する需要が急激に高まる中国では、北京市内で餃子の無人配送車が往来しているといいます。「小恒餃子」と呼ばれる大手餃子チェーン店が始めた無人対応です。
世界に先駆けてコロナによる甚大な被害を受けた中国では、このように無人対応が続々と登場しています。
日本でも新型コロナにより「無人対応」の動きが出始めている!
もちろん、ご存知の通り新型コロナウイルスは日本でも猛威を振るっています。今後も感染者数は右肩上がりに増え続け、首都のロックダウンも現実味を帯びてきました。
そんなコロナ苦境の中、日本でも無人対応の動きが出始めています。つい先日話題になったのは、東京都新宿区に本社を構える住宅メーカー「アキュラホーム」のモデルハウスでの無人対応です。
アキュラホームの無人対応
アキュラホームは4月1日、IoTやAI、ロボットなどさまざまな技術を活用し、無人対応で運営するモデルハウス「ミライモデル」をオープンさせました。同社はすでに6年前から、無人対応のモデルハウスについて研究・開発を重ねてきましたが、昨今のコロナ騒動を鑑み、その開発の加速化を図ってきたといいます。
会場では、実際のスタッフが遠隔操作しているロボットが、モデルハウスを案内してくれます。住宅内はあらかじめマッピングされており、障害物にぶつかることもなく安全です。モニター越しに質問ができるため、無人対応にありがちな無機質さ、冷たさなどを感じることはないでしょう。
無人対応の賃貸物件24時間案内システムも
時を同じくして、ショウタイム24株式会社が開始したのが「LEASE24」という無人対応サービスです。分譲住宅のオーナー向けのサービスで、事前に内見を予約したユーザーに暗証番号を伝えれば、あとはユーザーが予約の時間にその暗証番号を使って部屋に入り、自由に中を見ることができるというものです。コロナで来場者の減少が懸念される不動産業界において、こうしたサービスは今後一層、注目を浴びそうです。
新型コロナは「無人対応」を加速させるのか
コロナ騒動があり「非接触」「無人対応」などがピックアップされるようになりましたが、アキュラホームもショウタイム24もコロナ騒動の前からシステムの開発に乗り出していました。加速させたのはコロナかもしれませんが、日本でも水面下でそうした動きが始まっていたのは確かです。世界でも無人対応が進む中、コロナをきっかけに日本でも無人対応が一気に加速するかもしれませんね。