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スマートホーム(スマートハウス)の記事
2017.11.13
2019.05.01

スマートホーム化した賃貸物件、近い将来お目見えするかもしれない?

スマートホーム関連のIoTデバイスやサービスが続々登場していますが、本場アメリカではすでに賃貸物件のスマートホーム化が進んでいます。どういったシステムを導入しているのでしょうか?

記事ライター:iedge編集部

賃貸物件に住んでいる人の割合は?

総務省統計局は5年ごとに「住宅・土地統計調査」というものを行っています。次回が2018年ですので、最新情報は2013年のものとなり少し古いデータではありますが、持ち家率と賃貸率はこのようになっています。

持ち家 61.6%
賃貸  35.3%
*そのほか同居・住宅以外0.4%、不明が2.7%です。

この調査結果を素直に見てみると3割以上・4割未満の人が賃貸物件に住んでいるということになります。つまり日本の人口は2017年1月の時点で1億2667万人ですので、単純計算でおよそ4500万人近い人が賃貸物件に住んでいるという計算になります。

さらに持ち家は世代が高くなればなるほど所有率も高くなり、若い世代では(当然といえば当然ですが)賃貸物件の方が多くなります。

非常にざっくりとした結論で申し訳ありませんが、近年世界中で話題のIoT機器、スマートホームといった情報に対して敏感な世代の多くは賃貸物件に住んでいると言えるのではないでしょうか。

持ち家ならHEMSや太陽光発電、家庭用蓄電池、エネファームなどのスマートハウス設備を設置したりスマートホーム向けの様々なIoTデバイスを自由に導入したりすることが可能です。

しかし賃貸物件ではそういう訳にはいきません。

「スマートホーム・ライフを送りたいけれど、賃貸物件に住んでいるからそれができない」

という人が実は多いのではないか?という予想がつきます。

そこで登場を切に願うのが「スマートホーム化された賃貸物件」です。IT大国でありスマートホームについても日本より数年進んでいるアメリカでは、すでに賃貸物件のスマートホーム化が進んでいると言います。

もし日本でもスマートホーム化された賃貸物件が登場するようになれば、かなりの需要が見込めるのではないかと思われるのですが、いかがでしょうか。

それでは、アメリカではどのようなシステムが導入されているのかを見てみましょう。

 

賃貸物件をスマートホーム化できるシステムとは

賃貸物件のスマートホーム化で、まずご紹介するのはアメリカのスタートアップ企業IOTAS社が提供するスマートホームシステムIOTAS(英語版)です。

スマートロックやスマート照明、ホームセキュリティ、サーモスタットやエアコンなど最大30のデバイスを制御できるシステムで、Amazon EchoやGoogle HOMEといったサードパーティ・プラットフォームにも対応しています。

日々の行動や各デバイスの操作などからAIが居住者の生活パターンを学習してくれますので、長く使えば使うほど自動でその人に最適な環境を提供してくれるようになるうえに、電力消費なども居住面積を考慮して最適化してくれるといいます。

続いては、同じくアメリカのDwelo社が提供する大規模なスマートホームソリューションDwelo(英語版)です。

このシステムを導入することで、たとえばオーナーは各部屋にスマートロック、スマート照明、サーモスタットといったデバイスの設置が可能になり、居住者はDweloアプリとゲートウェイを使ってそれらのデバイスを制御することができるようになります。

各デバイスのサポートに関してもアプリから行えるようになりますので、スマートロックが故障した、スマート照明が正常に作動しないといった場合でも管理会社やオーナーに連絡する手間が省け、賃貸物件をスマートホーム化するうえでも効率が良くなります。

なお、IOTASはすでにシカゴ、フィラデルフィア、アトランタ、ヒューストンなど全米の各都市に広がっていて、Dweloもアメリカ全体で100件以上の集合住宅を顧客にしていると言われています。

このことからも、アメリカにおいて賃貸住宅のスマートホーム化が進んでいるということが分かります。

 

便利になる反面、信頼とセキュリティが今まで以上に重要に

賃貸物件がスマートホーム化されることで居住者はもちろん、オーナーも管理が楽になり、双方に時間や労力、お金などの利益をもたらしてくれます。

しかし、賃貸物件がネットワークに繋がる以上、オーナーの盗み見、居住者の情報の不正取得、遠隔操作などに対するセキュリティ、あるいは外部からの攻撃に対するセキュリティ、そして何より居住者とオーナーとの信頼関係が今まで以上に大切になってきます。

 

日本での普及はあるか?

賃貸物件のオーナーに多い高齢者の方々は、どちらかというとこのような先進的なシステムを敬遠しがちな傾向にありますので、日本での普及はまだまだ先になってしまうかもしれません。

とはいえ、日本はもともと家電やコンシューマーエレクトロニクスの土台がしっかりしているうえ、長い不景気にさらされていますが世界でも5本の指に入る経済大国には変わりありません。

それらを考えると、今後新築される賃貸物件がスマートホーム化する可能性は比較的高いと言えるのではないでしょうか。

また近年ではTATERUなど若い世代向けのアパート経営サービスが登場し、そのTATERUもTATERU kitというIoTアパート向けのデバイスを開発しています。

もし賃貸物件のスマートホーム化が日本で進むとしたら、こうしたフィールドから広がっていくのかもしれません。

丸ごとスマートホーム化された賃貸マンションやアパートが、そう遠くない将来、私たちの前にお目見えすることに期待したいところです。

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