スマートハウスとは
スマートハウスとは、「省エネ」「創エネ」「蓄エネ」の3つを主軸に、エネルギー消費を抑える住宅です。CO2削減はもちろん、光熱費を抑えることができるのも魅力です。2011年頃から登場し、現在は国をあげて住宅のスマートハウス化が推進されています。
・エネルギー管理システム「HEMS」や、省エネ家電による「省エネ」
・太陽光発電による「創エネ」
・蓄電池による「蓄エネ」
スマートハウスの中核となり、省エネを担うのが、「HEMS(ヘムス)」、Home Energy Management Systemです。HEMSによって、住宅全体の家電や設備によるエネルギー消費量、太陽光による発電量を「見える化」し、さらに無駄な消費がないよう、最適な状態にコントロールします。
太陽光発電で発電したエネルギーは、電力会社に売ることも、蓄電池に蓄えることもできます。蓄えたエネルギーは、電気料金の高い時間に使用するだけでなく、災害時の停電対策にもなるのです。
スマートハウスとスマートホームの違い
スマートハウスが省エネ、節約に重きを置いているのに対し、スマートホームは利便性、快適性、安全性にフォーカスしています。
スマートホームは、家中の家電や設備をIoT技術によってネットワークに接続し、音声やスマートフォンでコントロールすることを可能にします。例えば朝、決まった時間になると照明と音楽が起こしてくれ、帰ってくる時間にはお風呂が沸いていて、「洗濯機回して」と声をかければ洗濯が始まるというようなイメージです。
近年は、スマートホームとスマートハウス、両方を兼ね備えた住宅も増えてきています。
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スマートハウスを提供している企業と実例
ミサワホーム
ミサワホームのスマートハウスの特徴は、太陽を発電だけでなく、暖房の熱源としても使うことにあります。屋根に取り付けたガラス集熱モジュールで太陽熱を集めて暖房に使うことで、エアコンの使用が減り、省エネ、節約につながります。太陽熱を使うシステムと、太陽光発電システムを併設するのは困難ですが、最新の開発によって可能になりました。
また、ミサワホームは日本に昔から伝わる家造りの手法に着目しています。開放的な造りで自然の風を通し、庭木や軒を用いて風向きや日差しを調節したりする、自然を活かした設計手法「パッシブデザイン」と、高断熱・高気密仕様を組み合わせて、よりエネルギーロスの少ない住宅を実現しています。
実例:SMART STYLE ZERO
太陽光パネルがさんさんと陽を浴びているこの家は、夏でもエアコンを使わないほど涼しく暮らせるといいます。ミサワホームが推進するパッシブデザインによって、家の中を涼しい風が吹き抜け、植物や深い軒が夏の強い日差しを遮ってくれるのです。冷房費がほとんどかからないので、オール電化住宅にも関わらず、太陽光発電で光熱費のすべてをまかなえるどころか、黒字になることもあるそうです。
積水ハウス
積水ハウスは、スマートハウス「グリーンハウス ハイブリッド」を中心としたスマートタウン、「スマートコモンシティ」を提案しています。スマートコモンシティは、街全体で省エネ、創エネを行いながらも、安全や快適にも配慮した住宅地です。
グリーンファースト ハイブリッドは、非常時も自動で電力供給システムが稼働する上、大容量の蓄電池が搭載されているため、災害時も安心です。停電時でも蓄電池のエネルギーだけで、冷蔵庫、液晶テレビ、照明を連続で同時に17時間使用することができます。
また、スマートコモンシティの住宅には、積水ハウス独自の制震システム「シーカス」が標準装備されています。建物の耐久性が高く、地震の際に建物の変形が少なく済むのに加えて、太陽光発電システム、雨水タンク、ストックシェルターなどを備えていています。災害でライフラインが止まっても自立生活を行うことができるのです。
実例:グリーンファーストの家
街全体で省エネ、創エネに取り組むスマートタウンの中の住宅です。スマートタウン全体でしっかり災害対策が行われているので、安心して暮らすことができるといいます。発電量や消費量が「見える化」されることで、より省エネへの意識が高まります。環境にもお財布にも優しいスマートハウスです。
日本ハウスホールディングス
日本ハウスホールディングスは、ZEH(ゼッチ)仕様のスマートハウスを提供しています。特徴は、追加費用なしで住宅をZEH仕様にできることと、最長60年間という非常に長い保証期間です。60年間、感謝訪問と称して、家の定期点検を行ってくれます。
ZEHとは、Net Zero Energy Houseの略で、住宅のエネルギー収支をゼロにする住宅のことです。ZEHでは、住宅の断熱性能を高めることで冷暖房の使用を減らし、さらに省エネ家電やHEMSによって消費エネルギーを節約します。太陽光発電システムによって発電されるエネルギーが上回れば、住宅全体のエネルギー収支がプラスマイナスゼロになるという仕組みです。
日本ハウスホールディングスによると、一般住宅とZEHでは、20年間で約380万円も光熱費に差がつくといいます。そして、一般的に住宅をZEH使用にするのに200万円から300万円の費用がかかるところ、日本ハウスホールディングなら追加費用なしで実現できるのです。
実例:和風ソーラー住宅
古民家の建具をふんだんに使った和の邸宅に、大きなソーラーパネルを設置し、太陽光発電を行うスマートハウスです。光熱費の収支がプラスになる月も多く、家族の省エネへの意識も高まり、「建てるならエコな住まいを」という夢がかなったといいます。自然素材でつくられた古民家の趣と、最新テクノロジーに支えられたスマートハウスが見事に融合しています。
積水化学工業(セキスイハイム)
セキスイハイムを運営する積水化学工業は、2010年から2015年の5年間、太陽光発電システムを搭載した住宅建設棟数でギネス世界記録に認定されています。また、HEMSや蓄電システムを搭載するスマートハウスにおいても、業界有数の建設棟数を誇る企業です。
大容量ソーラー、独自に開発したHEMS「スマートハイム・ナビ」、蓄電システム「e-Pocket」を標準装備として、ニーズに応じたいくつかのスマートハウスを提供しています。その中でもフラッグシップモデル「スマートパワーステーション」では、98%の住宅でエネルギー収支ゼロを達成しているのです。
スマートハイム・ナビは、消費エネルギーの見える化や分析、省エネアドバイスだけでなく、気象警報と連動して暮らしを守る機能も持っています。台風・洪水警報などが発令されると、自動で蓄電池への充電を始めます。もし停電しても通常通りの生活を続けることができて安心です。
実例:エコかつストレスフリーな暮らし
公式サイトにはいくつもの実例が掲載されています。自給自足のために何かを我慢したり、ストレスを溜めたりしたことはない形でスマートホーム化をアシストするスマートハイム・ナビを組み込んだ形のスマートホームもあります。
このように、企業によってさまざまなスマートハウスが普及してきています。
スマートハウス、スマートホーム導入で、私たちの暮らしはより豊かになっていくことでしょう。
こちらの記事 では、いますぐ自宅をスマートハウス化、スマートホーム化したい方向けのおすすめデバイスなどもご紹介しています。ぜひ併せてチェックしてみてください。