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スマートホーム(スマートハウス)の記事 2017.11.21

建設分野におけるIoT×AI技術の進歩はスマートホームの重要なポイントとなる

IoT化やAI技術の発展によってスマートホーム時代が到来しようとしています。家電メーカーやIT企業などが次々と参入していますが、今回は少し視点を変えて、建設分野とスマートホーム・IoT・AI技術の関わりを考えてみたいと思います。

記事ライター:iedge編集部

スマートハウスとスマートホームの違い

建設分野ではよく「スマートハウス」という言葉を見聞きすることがありますが、建設分野における「スマートホーム」との違いは何か?と聞かれた時に分かりにくいという方も少なくないと思います。

一般に、スマートハウスとは世界中が長らく抱えているエネルギー問題や環境問題を解決すべく生み出された「エネルギーの効率化」を目指したシステムおよびそのシステムを備えた住宅を指します。

例えばHEMSを導入すると家庭内のどの家電の電力消費量が多いのかが一目で分かり、住む人は節電意識が向上します。

あらかじめ月内の電力消費量の上限を設定しておけば、上限に近づくと通知してくれたり、どの家電から最も電力が消費されていくかを判断して、上限を超えないように自動制御してくれたり、といったことも可能になります。

ほかにも、節電や省エネだけでなく、太陽光発電システムによる創エネ、災害時などに備えて電気をためておく蓄エネシステムなどを搭載している住宅もあります。

これらの家電や制御システム、自家発電システムなどはネットワークを介して繋がっていて、HEMS(あるいはクラウド上など)に各家電が収集したビッグデータが収集され蓄積されていきます。

AI(人工知能)がその膨大な量のデータを解析することで、居住者の好みや生活パターンを学習し、ただ節電するだけでなく、居住者の快適さを損なわず、かつ省エネにも貢献できる住宅となるのです。

一方、スマートホームは、いわば「人間の脳」とも言えるハブ、ホームゲートウェイなどと呼ばれる基幹製品と、照明、エアコン、冷蔵庫、テレビ、オーディオ、カーテン、玄関や窓の鍵、カメラ、車などが連携したものです。

ハブやゲートウェイはインターネットを介して私たちのスマホやタブレット、PCなどと繋がり、照明やエアコンなどの各機器はWi-Fi、赤外線、Bluetooth、ZigBeeなどによる通信でハブやゲートウェイと連携します。

その結果、外出先にいても家中の家電や電化製品、家具などをコントロールできるようになり、またハブ自体にもAIが搭載されていて、各機器から収集するあらゆる情報を解析し、常に最適な生活空間を創り出すよう自動制御してくれたりします。

スマートハウス、スマートホーム、どちらもネットワークに繋がっているという意味では同じですので、広義で言えばスマートハウスはスマートホームの一部と言えます。

*なお、海外ではあらゆるモノが繋がった家ということで「コネクテッド・ホーム」という呼び方が一般的です。

現在、多くの家電メーカーやIT企業、IoTプラットフォーム企業、IoTデバイスメーカーなどがこぞってスマートホーム関連の様々な製品やサービスを開発・販売・提供を行っています。

もし、ハウスメーカーをはじめとする建設分野の企業が、スマートホームに用いられるIoT機器やAI技術を積極的に開発したり採用したりできるようになれば、特別なシステムなどを導入しなくても「家を建てる」ことがすなわち「スマートホーム」を建設するということに繋がっていきます。

 

大和ハウス工業のスマートホーム実証実験が示した「建設」と「AI」そして「IoT」の重要性

2017年4月25日、大和ハウス工業は「IoTを活用したスマートホームクラウド構築及び検証」と称する実証実験を始めました。

*これは、経済産業省が掲げる「スマートホームに関するデータ活用環境整備推進事業」を受託している株式会社三菱総合研究所からの再委託を受けて実施しているものです。

ここでは、スマートホーム建設におけるデータ収集・各機器の自動制御機能、IoT機器、AI機能、そしてWebサービスなどを連携した「情報基盤システム」の実証実験が行われます。

その実証実験の中心には「データ活用機能(統合 Web API)」があり、収集されたデータを一元化してAIによる高度な情報分析を行うことで、より最適な制御を実現することを目指します。

さらに、それらを活かして家電の遠隔操作、省エネアドバイスといった生活サービスを居住者が好みに応じてカスタマイズできるシステム、音声コマンドによる各機器の制御、情報配信等のサービスを開発するとしています。

その実証実験の中で登場したものの一つが、電動窓とエアコンを連動させたシステムです。

例えば、温度センサーが外気温度、室内温度、湿度などから総合的に判断してエアコンをオンにし、外気温度が下がってきたらエアコンをオフにしつつ自動で窓を開ける、といったことも可能になります。

その他、今日の天気を音声や照明の色で伝えてくれることで“出がけに傘を持っていくかどうか”を判断できたり、電車の運行情報を教えてくれることで“早めに家を出るかどうか”判断できたり、音声コマンドで家中の家電をコントロールできたりするようになります。

 

スマートグリッドの次の段階へ

アメリカで生まれたスマートホーム建設における概念であるスマートグリッドとは「次世代送電網」「次世代電力ネットワーク」などと訳されたりしますが、要は「従来の送電網にIT技術を組み込むことで消費電力を制御し、効率よく供給する仕組み」を指します。

各家庭にいわゆる「スマートメーター」を設置し、メーターごとに電力消費状況を計測したり、無線通信などによって各家庭で使われている家電ごとの電力消費量を把握したり、必要に応じて制御したりすることができる仕組みです。

さらに、太陽光発電などによる自家発電の発電量データを電力会社に送ることで、電力会社ではその家庭における電力に関するすべての情報を一元的に把握し、制御することが可能になるというものです。

IT技術によって無駄な電力消費を防いで省エネにつなげ、その結果、居住者は電気料金が安くなるという恩恵を受けることができるのです。

そして、今回ご紹介したように、IT技術のみならずIoT機器、AI技術、Webサービスと連携するクラウドサーバーの構築などが進み、スマートグリッドの次の段階へと突入しているのです。

これらの機器やスマートホーム技術が建設業界にどんどん入り込むことによって、これまでスマートハウス(HEMSなど)では難しかった高度なサービスも実現可能なものとなります。

IoT機器×AI技術×建設=どんなスマートホームが誕生するのか、今後の行方に注目しましょう。

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