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スマートホーム(スマートハウス)の記事 2019.11.11

ちょっとした思いつきが世界を変える。世界有数の成功者、ビル・ゲイツが見据えるポストAI時代

記事ライター:Yoshiwo Ohfuji

※画像はイメージです。

億万長者、と聞いて真っ先に思い浮かぶ名前の一つが、ビル・ゲイツだ。

中学校の時にはじめてコンピューターに触れて以降、その魅力に取り憑かれた彼は、様々なシステムの開発に没頭。大学時代に最初期の個人向けコンピュータ「Altair 8800」のBASICインタプリタを開発したことをきっかけにマイクロソフト社を設立。同社は「Windows」など画期的なソフトウェアを次々に開発・販売し、巨大な帝国を作り上げた。

マイクロソフトの成長とともに資産を増やしていったビルは2019年現在、約1000億ドル(約10兆円)を保有している。

「個人向けコンピューターの時代」がやってくることを予見し、巨万の富を手にした彼は、到来しつつある「AIの時代」をどのように考えているのだろうか?

今回はビルの来歴から彼が見据える未来を紐解いていく。

母親との対立が経営者としての素養を育んだ。内向的で好戦的な少年時代

まずは、ビル・ゲイツとはどんな人物なのか、簡単に紹介する。

ビル・ゲイツの本名はウィリアム・ヘンリー・ゲイツ三世。ビルはウィリアムの愛称だそう。
父親のウィリアム・ヘンリー・ゲイツ二世は弁護士、母親のメアリー・ゲイツは出産後、さまざまな慈善活動を経て、ワシントン大学の理事長や企業の取締役を歴任するキャリアウーマンだった。

幼少期のビルは読書好きで内向的ながら、勝負事には熱を上げる極度の負けず嫌いで、負けると地団駄を踏んだり、時には対戦相手を怒鳴りつけたこともあったという。

※画像はイメージです。

社交的な母親、メアリーにとって、読書を理由に部屋に引きこもりがちで気に食わないことを我慢できないビルの性格は悩みの種で、家庭内で幾度となく対立を繰り返していたそうだ。

しかし、幾度とない話し合いやカウンセリングで徐々に和解、母親はビルの良き理解者になったという。そして、この母親からの説得が、のちにビルがビジネスの世界に羽ばたく中で大きく役に立つこととなる。

三度の飯より本が好きだったビルはシアトルの私立の名門中高一貫校、レイクサイド中学に進学し、そこで新たに熱中できる存在に出会う。
コンピューターだ。

レイクサイド高校には当時珍しかったコンピューターが置かれており、ビルは毎日授業が終わると高校の校舎へと走って行っていたそうだ。時にはコンピューターに触れるために大学の研究室に潜り込んだこともあったという。

この時ビルと共にコンピューターに夢中になったレイクサイドの仲間たちはのちに初期のマイクロソフトを支えるエンジニアとなる。

成功の始まりはちょっとした思いつきから。行動力で押し切ったマイクロソフトの第一歩

その後、ハーバード大学に進学したビルに大きな転機が訪れる。それが個人向けコンピューター「Altair 8800」の販売だった。

このニュースを聞き、ビルは「Altair 8800」向けのBASICインタプリタを作成することを思いついた。
またとないアイディアにビルはすぐさま行動を起こす。レイクサイドの先輩だったポール・アレンとともに、「Altair 8800」を販売していたメーカーのMicro Instrumentation and Telemetry Systems(通称、MITS)にまだ作成してもいないBASICを売り込んだのだ。

彼らからの突然の問い合わせに対しMITSの担当者は、「一番最初にAltair 8800のBASICを持ってやってきた人間と契約する」と回答した。

自分たちにチャンスが残されている、と感じたビルとポールは、水を得た魚のように日夜問わずプログラミングに取り組んだ。

期限はそう長くない、その上、当時Altair 8800の価格は1000ドル。一介の学生には手が出ない値段だった。
そのため、実機は手に入らず、彼らは代わりに手元のコンピューターでエミュレート(模倣)するプログラムを作成し、開発に取り組んだそうだ。

※画像はイメージです。

このように、極めて限られた環境下での開発だったが、驚くことに彼らはわずか8週間でBASICインタプリタを完成させた。

完成したプログラムを片手にポールがMITSに赴き、初めて実機でプログラムを動かした。

完璧だ。初回から完璧に動いた。
ビル・ゲイツ--「天才の頭の中: ビル・ゲイツを解読する」

晴れてビルたちはMITSと契約する運びになった。ビルとアレンが契約の際に用いたチーム名はMicro-Soft(マイクロ–ソフト)。

そう、これがマイクロソフトの始めの一歩だった。

様々な困難を乗り越え、Windowsが誕生

その後、ビルとアレンが開発したBASICインタプリタの販売が始まるが、度重なる違法コピーに悩まされるなど課題も多かった。

しかし、彼らの技術力が評判を呼び、情報システムを開発するナショナル・キャッシュ・レジスター(NCR)やアメリカ最大の電気機器メーカー、ゼネラル・エレクトリック(GE)など大手の取引先を獲得し、順調に事業を成長させていった。

事業の拡大を受け、ビル自身もハーバードを退学、起業家として邁進する覚悟を決めたのもこの時期だった。

そして、1980年、ついにパーソナルコンピューター市場への本格参入を目論むIBMから新しいOSの開発の依頼を受け、MS-DOSを開発。
これが現在に至るまでのマイクロソフトの事業の下地となる。

※画像はイメージです。

さらにパーソナルコンピューターの普及に伴い、ユーザーがより操作しやすいグラフィカルユーザーインタフェース(GUI)の需要が高まると、Appleをはじめ競合他社が次々に開発に乗り出した。
当然、マイクロソフトもGUIの開発に乗り出すが、開発は困難を極め、幾度とない修正や発売延期を経て、1985年にWindowsが完成した。

巨万の富と育児が慈善事業のエンジンとなった

Windowsはパーソナルコンピューター市場のシェアのトップに君臨、莫大な利益を生み出した。
さらにビル個人も投資にも力を入れ、さらなる富を獲得していた。

日本に大ブームを巻き起こしたMicrosoft Windows 95が発売される頃には、ビルは世界長者番付のトップを独走するようになっていた。

※画像はイメージです。

プライベートでは1994年にマイクロソフトの社員だったメリンダ・アン・フレンチと結婚。3人の子どもをもうけた。

そして、育児に携わる中で、ビルは慈善事業への関心を高めていく。

メリンダと僕は、数人の子どもが亡くなるのを見て胸を痛めていた。でも数百万人いる。
1つの死に立ち会うより100万倍の悲しみなんてない。
ビル・ゲイツ--「天才の頭の中: ビル・ゲイツを解読する」

2000年に、マイクロソフトのCEOを退き、妻のメリンダとともに慈善基金団体ビル&メリンダ・ゲイツ財団を設立。2000年代後半にはマイクロソフトの第一線から退き慈善活動への専念を宣言した。

現在は、発展途上国の公衆衛生の改善のために、より効率的な下水インフラの整備に必要な技術の開発に力を入れているそうだ。

※画像はイメージです。

もし今大学生だったら、AIを専攻していたかも?ビル・ゲイツが期待するAIの可能性

常に技術を信じ、技術を支え、技術に支えられてきたビルは、当然、AIへも高い関心を示している。

例えば、彼は2017年、自身のツイッターアカウントで、「もし今自分が大学生だったら、AIか、エネルギー、生物科学の分野を専攻しているだろう」と発言。

さらに、2018年には、アメリカのケーブルニュースチャンネルFox Businessのインタビューに対し、AI技術の向上に伴い、一部の職業がAIに置き換わる可能性を示しながらも、それに肯定的な意見を発している。

より少ない労働力で生産量を今の2倍にできれば、人類の目的はカウンターの後ろに座って、物を売るだけではなくなるだろう
AIは仕事を奪う、だがそれは悪いことではない —— ビル・ゲイツ氏が主張

ちょっとした思いつきから事業をスタートさせ、技術力を片手に世界を変え、世界最高の成功者となったビル・ゲイツ。
彼は自分の成功に満足せず、さらに高い視座から世界をよりよく変えようと日々奮闘している。

ビルが語るように、AIはじめ様々な技術が人々の生活を改善すれば、多くの人が生まれた環境や資産に関わらず、アイディアを気軽に実行できる世界が実現するかもしれない。

思いつきが世界を変えられるとしたら、あなたは何をするだろう?

ポストAI時代の必要不可欠となる、思考力と行動力を鍛錬するために、ビルの成功ストーリーはきっと良い補助輪となってくれるだろう。

参考引用文献

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