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KDDIの参入で日本国内におけるスマートホームの現状と今後はどう変わる?

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日本国内ではまだスマートホームの理解度は高くない

情報に敏感な方なら「スマートホーム」「IoTデバイス」「AI技術」「IoTプラットフォーム」「クラウドサービス」などの言葉や、その意味は理解されていることと思います。

世界でどのようなスマートホーム(コネクテッド・ホーム)技術が開発されていて、数年後にどんな未来が待っているか、想像してワクワクしている方も多いのではないでしょうか。

しかしながら、日本国内では「スマートホーム」「IoT」「AI」などの言葉自体は認知されつつあるものの、残念ながら「理解度」という点においてはまだまだ低いと言わざるを得ません。

日本では、国内のスマートホームの普及に国を挙げて取り組んでいるにも関わらず、積極的に消費者に伝えるための手段も未だに整っているとは言えないため、多くの方が身近に感じていないということが問題点となっています。

一方で、世界におけるスマートホーム市場は2020年に500億ドル(日本円にしておよそ5兆5,000億円)、2030年にはその8倍の4,000億ドル(同44兆円)規模になるとも言われています。

このように急成長していくことがほぼ確実視されているスマートホーム市場、日本国内における理解度や認知度の普及は、もはや“待ったなし”の状況なのです。

 

国内の各企業も様々なスマートホーム向けデバイスを販売している

もちろん、日本国内の各企業もスマートホームの普及に向けて様々なアプローチを行っています。

例えばマウスコンピューターが販売している「mouseスマートホーム」や、Link Japanが販売している「eRemote」などは設置も簡単、設定や操作はスマホ一つで行え、それでいて価格もお手頃と、初心者が導入しやすい製品の一つです。

「スマートホームに興味がある」
「スマートホームの導入を検討している」

という方にとっては、非常に魅力溢れる、かつ便利なデバイスなのですが、

「スマートホームに魅力を感じていない」
「そもそもスマートホームを十分に知らない」

という方にとっては、

「新しいサービスを導入する」
「新たに製品を購入する」

などに対する一種の抵抗感や躊躇といったハードルがあり、今すぐ加速度的に普及するとは考えにくいものです。

そんな中、期待されているのがソフトバンクやNTTドコモに次いで、ようやくKDDIが参入したことによる、国内スマートホーム市場の成長や普及です。

携帯電話などの通信企業は、私たちの生活に非常に身近で、切っても切れない存在ですし、誰もが知っているサービスです。

そのKDDIが国内のスマートホーム市場に参入してきたことによって、

「すでに高い認知度や理解度を誇り、かつ広く普及している携帯電話サービスにスマートホームサービスが追加される可能性がある」

ということとなり、導入におけるハードルが大きく下がることが期待されているのです。

 

KDDIが国内で提供するスマートホームとは?

KDDIと沖縄セルラーは「au HOME」という新たなサービスの提供を開始しました。

音声付きのリアルタイム映像をチェックできるネットワークカメラ、人の動きや温度、湿度などを検出するセンサー、窓やドアの開閉を検出するセンサー、戸締り状況を確認するセンサーなど、各デバイスがラインナップされています。

これらはスマホアプリを使って簡単に一括制御できるほか、外出先であってもチェックしたいと思ったら即座に確認でき、ゆくゆくは家電なども遠隔操作ができるようになるというものです。

現在のところ「au ひかり」サービスを契約している人が対象とのことですので限られてしまいますが、将来的にはau ひかり以外のサービス利用者にも拡大していく方針を示していますので、多くの方が契約できるようになるものと思われます。

NTTドコモは、GPS機能を活用して自転車を広域で乗り捨てできる「自転車シェアリング事業」や、横浜市やand factoryと共同で将来のスマートホームにおける実証実験「未来の家プロジェクト」などを立ち上げています。

またソフトバンクはさらにスケールが壮大で、すでにイギリスの半導体設計大手企業ARMを買収したり、国内外の企業と協業したりするなどして、IoT関連技術や製品を世界中で展開させていく動きを示しています。

これらを比較してみると、一般消費者に最も近い国内向けのスマートホーム関連サービスを提供しているのはKDDIということが分かり、それが「国内スマートホーム市場の成長や普及」が期待される大きな理由でもあります。

 

消費者にどう広め、理解度を高めてもらうか

認知度や理解度こそ世界と比べて低いと言われていますが、国や企業は様々な実証実験を開始するなど、決して日本国内のスマートホーム市場自体が「遅れている」とは限りません。

むしろこの先、世界のスマートホーム市場を牽引して行くのは中国であり、次いで日本であると言われているほどです。

間違いなく来るであろう「スマートホーム時代」を抵抗なく迎え入れるためにも、スマートホームの魅力や可能性、そして必要性について、日本の消費者に対してどう伝え、そして理解してもらうかが重要になってきます。