前編で、開封からセットアップまで紹介したBOSEの「Quiet Comfort 35 II」(以下、QC35 II)を買ってからすでに1週間以上。
夏休みのない個人事業主の私は職場でずっと使ってきたので、今回はその使い勝手について解説しよう。
最初に結論を書いてしまうと、移動中やチームで仕事しているオフィスには向かない。ただし、一人で仕事に没頭したいときには絶大な力を発揮する1台だ。
AIアシスタント「内蔵」はダテじゃない
QC35 IIのもっとも大きな特徴は、AIアシスタント(Google Assistant または Alexa)が「内蔵」されているという点だ。
たとえば、私が外出時に愛用しているゼンハイザーの「MOMENTUM True Wireless」にもAIアシスタントを呼び出す機能はついているが、それはあくまでも「スマートフォンに搭載されたAIアシスタントを呼び出している」に過ぎず、3〜4秒ほどのタイムラグで応答するため、使い勝手が良いとは言い難い。(それでも、ないよりはずっと良いので同製品がオススメであることには変わりないが)
一方のQC35 IIは、ヘッドフォンそのものにAIアシスタントを内蔵しているため、ボタンで呼び出すとタイムラグなしで起動する。
前編にも掲載した私の拙いイラストをもう一度、紹介しよう。
技術的には間違った記述もあるが、わかりやすさを優先してある。あくまで「イメージ」として捉えてほしい。
要するに、スマートフォン側でAIアシスタントが起動するタイムラグがなくなる、ということだ。
なので、使い勝手としてはスマートスピーカーに非常に近い。
Android端末に搭載されたGoogle Assistantを呼び出すには、何らかの方法でアプリを立ち上げる必要があるが、スマートスピーカーは「OK Google」と呼びかけるといつでも反応する。この違いが、そのまま従来のヘッドフォンとQC35 IIとの違いだと言えば、わかりやすいだろう。
使いやすいAIアシスタント
さきほど、QC35 IIのAIアシスタントは「スマートスピーカーと使い勝手が近い」と書いたが、「OK Google」のようなウェイクワードは必要ない。左のイヤーカップにある「アクションボタン」を押している間に音声で指示ができる。
音声認識に使っているマイクは、ノイズキャンセリング用の外音取り込みマイクと同じだろうか。ゼンハイザー「MOMENTUM True Wireless」よりもずっと認識精度が高いと感じる。聞き間違い、聞き漏らしはほぼゼロだ。
集中力を飛躍的に向上させるツール
ここまで、AIアシスタントの使い勝手を中心に書いてきたが、BOSE伝統のQC(Quiet Comfort)を冠したヘッドフォンなのだから、当然、ノイズキャンセリング性能も折り紙つき。
私は自宅で仕事をしているが、QC35 IIさえ付けてしまえば、たちどころに、ほぼ完全な「無音」の空間となる。
ロボット掃除機を動かしながらでも、外を選挙カーが通っても、まったく問題なし。音に邪魔されて集中が途切れるということはない。
ただし、注意も必要だ。
呼び鈴も、アラームも全て「キャンセル」してしまうので、重要な荷物を待っているときには使わないほうが良い。また、オフィスで働いているのなら、声をかけられても気づかないから周囲の理解が必要だろう。
おすすめは、私のように自宅で働いている場合、そしてカフェやコワーキングスペースのような公共空間で集中力を高めて仕事がしたいときだ。
移動中は本当に危ないのであまりおすすめしない。
仕事中に使えるAIアシスタント