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スマートホーム(スマートハウス)の記事 2017.11.16

スマートホーム分野ではどんな研究が行われているのか?スマートホームの理想像とは

家電などがインターネットを介して相互接続され、私たちの生活を便利で快適なものにしてくれると同時に、収集されたビッグデータを元に一人一人に最適なサービスや生活空間を提供してくれるスマートホームですが、完成にはまだ程遠い段階にあります。

今、スマートホーム分野ではどのような研究が進められているのか、スマートホームの理想像などを交えながら解説します。

記事ライター:iedge編集部

スマートホーム時代は始まったばかり

「留守中の家がどうなっているか知りたい」

そんなニーズに対して考え出されたのがスマートホーム(コネクテッド・ホーム)の原型であると言われていて、ここ10年ほどで海外を中心に一気に普及が広がっている、近未来の住宅システムです。

さらにこの数年間のスマートホーム研究により、留守中の家の中の様子にとどまらず、家の内外にある、あらゆるモノの制御が音声・スマホ・タブレットなどから可能になり、数年前まではSFの世界だけだと思っていたような暮らしが現実のものとなり始めているのです。

これだけでも十分便利になったと言えますが、世界が目指すスマートホームの理想像はこんなものではありませんでした。スマートホーム時代はまだまだ、始まったばかりに過ぎないということが、スマートホームの各研究から分かってきます。

 

スマートホーム(省エネ)に関する研究

エネルギー問題、環境問題が叫ばれて久しい昨今、問題に対する私たちの関心も高まり、HEMSなどを中心とした省エネシステムは、日本でも広く普及し始めています。

ですが、各家庭においてそれらの省エネ目標を達成しようとすると、具体的に、

・どの家電をどれだけ節電すれば良いのか(電力消費量が多いのはどの家電か)
・どの家電を優先的に節電すると効率が良いのか

といったことを理解したうえで、居住者の快適性を保ったまま、何らかの対策を行わなければなりません。

そこで行われているスマートホーム研究とは、例えば、

・各家電の消費電力量(例:外部気温が○度の時に室温が○度になるように設定した場合、エアコンの電力消費量はどうなるか等)

・居住者の物理量に対する快適度関数(例:室温が○度で湿度が○パーセントの時の居住者の快適度はどうなるか等)

などを算出する方法、構築する方法がスマートホームの利用を通じて研究されています。

それにより、各家電の消費電力量を減らすことで、同時に低下していく居住者の快適度を家電ごとに求めることができ、それを応用すれば、居住者が快適性を保ちつつ、電力消費量を最小限に抑えることに繋がるのではないかと考えられています。

 

IoTデバイスとスマホなどとの連携に関するスマートホーム研究

健康のためにウォーキングやジョギングをしているという方も多いでしょう。

より効果的で継続性が高い運動を行うためには、ただ闇雲に歩いたり走ったりするよりも、一人一人の身体能力などに応じた最適なルートなどを知る必要があります。

ウェアラブル端末などで運動中の心拍数を計測することで、体にどれくらいの負担がかかっているかといったことは容易に知ることができるようになっていますが、さらにそこから一歩進んだスマートホーム研究が始まっています。

例えば設定した消費カロリー、運動時間などをクリアしつつ、ユーザーにとって最も身体的負担が少なくなる帰宅ルートを提案するナビゲーションシステムを開発し、スマホで使えるようにしようというものです。

 

そのほかの注目すべきスマートホーム研究

「ヘルスケア」という点では先ほどのナビゲーションシステムのほか、次のようなスマートホーム研究も進められています。

空調管理

室内に複数のセンサーを設置して、室内の温度、湿度、PM2.5の濃度といった空間の情報に加えて、居住者の体温や汗の量などの生体情報を同時に収集してAIによる解析を行います。

その結果を元に、居住者の体質や体調、その日の室内空間や天気情報などを加えて総合的に「最も快適である」環境を自動で創り出してくれる空調管理システムの研究が進んでいます。

高齢者の健康状態・生活状態の管理

超高齢化社会に突入している日本において、急ピッチで進められているのが、高齢者の一人暮らしを中心とした健康管理や生活状態の管理・改善などにおける分野のスマートホーム研究です。

上記の空調管理に加えて、ウェアラブル端末を装着することで血圧、体温、心拍数、呼吸などを計測し、ディープラーニング技術が組み込まれたAIによってリアルタイムに健康状態や生活状態を把握するというものです。

計測する期間が長くなればなるほど蓄積されるデータも増えますので、より細やかな変化も発見しやすくなりますし、収集したデータを医療機関や介護施設などと共有することで、症状が悪化する前の診察に繋げることも期待されています。

また同時に、毎日の食事を撮影するだけで、自動的に栄養成分やカロリーなどを解析してくれるシステムも開発されていますので、これらを組み合わせることで栄養バランスの整った食事が摂取できるようになることも期待されます。

 

「居住者の感情に寄り添い、理解する」それがスマートホームの理想像

今回ご紹介したスマートホーム研究の中には、すでに実証実験の段階に進んだものもあります。これらの実験から、スマートホームの理想像が見えてきます。

今はまだスマートホームシステムの多くが「居住者が制御」する仕様になっていますが、

・より多くの人がより長い期間、スマートホームシステムを使用することによって収集される途方もない量のビッグデータ

・さまざまなスマートホーム研究によって開発される新たな技術や製品、サービス

・AI技術やクラウドサービスの充実とそれに伴う新たなデバイスの開発

などによって、「居住者が何もしなくとも」健康状態や生活状態の管理、快適な生活空間の創出、便利なサービスの利用、エネルギー問題や環境問題を考慮した生活スタイルなどを実現してくれる……それがスマートホームの理想像と呼べるのではないでしょうか。

その上で、AIが今よりもっと人間に近づき、居住者の感情に寄り添い、理解してくれるようになれば、数十年後には全く想像もつかないような未来が存在することでしょう。

今後も、スマートホーム研究の成果について、注目していきましょう。

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