4Gと5Gの速度を比較
私達が日常で使う各インターネットサービスを、4G、5Gそれぞれで使用した際の通信速度シミュレーションを行いました。
Youtube Music(音楽配信サービス)
Katy Perryのアルバム「Witness」をダウンロードするのにかかる時間は、4Gなら16秒、5Gなら0.4秒です。
Netflix(動画配信サービス)
映画「インターステラー」をオフラインで視聴できるようにダウンロードするのにかかる時間は4Gなら3分、5Gなら5.3秒です。
ゲーム
スマートフォン用ゲームアプリ「Clash of Clan」(iOS版)をダウンロードするのにかかる時間は、4Gなら23秒、5Gなら0.6秒です。
Web閲覧
ユニクロのホームページを読み込むのにかかる時間は、4Gなら1.9秒、5Gなら0.05秒です。
このシミュレーションは、4Gが1秒あたり3.6MB、5Gが126MBダウンロードとして計算されています。5Gが4Gに比べて圧倒的に速いことがわかります。
5Gは4Gの100倍速い?
5Gは4Gの100倍速い、という文言を目にしている方もいるでしょう。しかし、実際に私達が5Gを使用する際に、4Gに比べて100倍速いのかというと、どうやら違うようです。
5Gが目標とする通信速度は10Gbpsですが、これはあくまで目標とする性能であり、理論値です。
理論値とは、障害物がなく、大気の状態も安定していて、利用者が少ないなど、すべての条件がクリアされた状態での理論上の数値です。そのため、様々な条件のもとで計測される実測値は、理論値と比較して大幅に下がります。
ここで、国内最高速度と言われるドコモの4Gの理論値と実測値を見てみましょう。
ドコモの4G |
速度 |
理論値 |
998Mbps(約1Gbps) |
実測最大値 |
422Mbps |
実測平均値 |
140〜237Mbps |
5Gが4Gに比べて100倍速い、というのは、4Gの実測平均値と、5Gの理論値(目標値)を比較しているのだということがわかります。なお、理論値同士では、5Gは4Gより10倍速いことになります。
5Gサービス提供開始直後は、通信速度は数Gbps程度になると予想されています。また、5Gモデムチップの開発の第一人者であるアメリカの企業Qualcommは、速度10Gbpsの実現はしばらく不可能だろうと述べています。実際に私達が100倍の通信速度を体験する日はまだ来ないでしょう。
日本でこれまでに行われた5Gの速度実験では、実測最大値が2Gbpsから4.5Gbpsという結果でした。目標性能である通信速度10Gbpsに届かないものの、非常に優秀な結果です。
実際にサービスが開始された際の実測平均値はもっと下がると考えられますが、4Gに比べて安定した高速・大容量通信が利用できるのは確実なようです。
ドコモの5G実験 |
速度 |
実測最大値 |
4.5Gbps |
auの5G実験 |
速度 |
実測最大値 |
3.77Gbps |
ソフトバンクの5G実験 |
速度 |
実測最大値 |
2Gbps |
一方、アメリカですでに5Gサービスを提供しているベライゾンが発表した実測値は、少々残念な結果になりました。モバイル通信ではなく、家庭向けのブロードバンドサービスではありますが、実測最大値でも1Gbpsに届いていません。
ベライゾンの5G |
速度 |
実測最大値 |
940Mbps |
実測平均値 |
300Mbps |
それでもこの速度は光ファイバー並なので、5Gが非常に高速な通信規格であることがわかります。
5Gが4Gに比べて100倍速い、というのは正確な表現とはいえないかもしれません。それでも、未だかつてない高速通信速度で、私達の生活がより便利に変わっていくであろうことは間違いないでしょう。
5Gに通信速度制限はあるのか?
多くの人の悩みのタネである通信速度制限、5G利用プランでは無くなるのではないかと予想されています。
というのも、auは「データ量を気にせず大容量コンテンツを楽しめる料金プラン」、ソフトバンクは「完全な使い放題」と、各キャリアはデータ通信量に上限のないプランの採用を検討している様子だからです。
スマホの通信速度制限がかかり、外でスマホがほとんど使えなくなるのが月末の恒例行事になっているという方もいるのではないでしょうか。5G対応スマホなら、その悩みは解消されそうです。
100倍とは言わないまでも、格段に通信速度が上がり、速度制限もなくなりそうな5G。2020年も本格展開に先んじて、ドコモ、au、ソフトバンクの各キャリアはプレサービスを展開していく予定であるため、今後も要チェックです。