コンビニやファミレスのドリンクコーナー、カプセル式の家庭用コーヒーマシンなど、ボタンひとつで美味しいコーヒーが飲める時代です。しかし、コーヒーの味を追求するなら、やはり自らの手でコーヒーを淹れることになります。それには、それなりの知識や経験が必要です。従来は、本で知識を得たり、誰かに教わったりする必要がありました。しかし、IoTによって簡単にベストなコーヒーが淹れられるようになってきています。
今回は、Bluetoothとスマホアプリで好みの味を再現できるコーヒーメーカー「GINA(ジーナ)」をご紹介しましょう。
「GINA(ジーナ)」価格は4万2120円(税込)。外観はクラシカルなコーヒーメーカーですが、コーヒー豆や水を計量する機能を備えています。飾っておきたくなる美しさです。
台座には充電用のmicroUSB端子があります。
抽出方法は3種類
「GINA」は「プアオーバー」「イマージョン」「コールドドリップ」3種類の方法でコーヒーを淹れることができます。一般には馴染みのない言葉ですので説明しておきましょう。
「プアオーバー」
コーヒー豆(粉)の上からお湯を注いで抽出する、いわゆる普通の「ハンドドリップ」です。プア(Pour)=注ぐ、オーバー(Over)=上から、という意味ですね。
「イマージョン」
イマージョン(Immersion)=浸す、という意味で、一定時間粉をお湯に浸した後に抽出する方法で、「浸漬法」とも呼ばれます。紅茶と同じ方法と言えばイメージしやすいでしょうか。
「コールドドリップ」
いわゆる「水出しコーヒー」です。氷で冷やした冷たい水をポタポタと水滴で垂らし、時間をかけて抽出します。
さて、今回は「プアオーバー」でコーヒーを淹れてみます。
まずは、専用アプリ「GINA - Smart coffee Brewer」をスマートフォンにインストール。アカウントを作成してログイン、Bluetoothでペアリングします。最初は英語表示ですが、日本語と中国語にも対応。Settings(設定)からLanguage(言語)、Japanese(日本語)を選べば、日本語表示になります。
画面下の「ブリュー」をタップ、3つの抽出方法から「プアオーバー」を選びます。
初回は、淹れ方を説明した動画をYouTubeで見ることができます。
セラミックファネルにペーパーフィルターをセットしておき、コーヒー豆(粉)を入れます。するとアプリにはコーヒー豆の重量と、それに必要な湯量が表示されます。スライドバーを左右に動かすと、好みの濃さに応じた湯量を教えてくれます。
「次へ」をタップ。注いだお湯の量をリアルタイムに計測し、蒸らし(ブルーミング)などの時間を計測するタイマーが表示されます。
お湯を用意したら、「START」をタップ。まずは、お湯をコーヒー豆に少量入れて蒸らし(この設定では20秒)、その後設定された湯量になるまで注いでいきます。
終わったら「OK」をタップ。ピッチャーを外すよう指示されます。
結果が表示されました。お湯が指定された量よりも多い・少ない場合は、そのデータも残ります。味についての評価(苦み、甘み、ボディ、後味、酸味の5種類と総合評価)も記録できます。
結果はアプリ内に保存されるほか、コミュニティに投稿することもできます。
もっとも一般的なハンドドリップでの使い方は以上です。
何件かある行きつけのコーヒーショップの豆で淹れたのですが、店で飲むのと変わらない味になっていました。ハンドドリップでもっとも失敗しがちなのは、お湯の量の調整です。適当にやると、薄すぎる・濃すぎるコーヒーになってしまいます。
「GINA」を使えば湯量がリアルタイムに計測されるため、ほぼ失敗はありません。しかも、その都度コーヒー豆の重さを量るので、10g、20gときっちりした分量でなくてもOK。中途半端な分量でも、最適なお湯の量が計算されるため、たとえば袋で購入したコーヒー豆を「残り少しだから全部使っちゃおう」といったときには、便利ではないでしょうか。
もちろん、好みの味を記録しておけるので、記憶やカンに頼らずとも毎回安定した味で抽出が可能です。「失敗したけど、もったいないから我慢して飲むか」なんてことは、なくなるわけです。
後編では、残り2つの抽出方法「イマージョン」と「コールドドリップ」についてお伝えします。