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スマートホーム(スマートハウス)の記事
2019.05.15
2019.12.20

マッチングアプリから考える「リバタリアン・パターナリズム」とAI。ドラマシリーズ『ブラック・ミラー』が描いた現代社会への警鐘とは?

記事ライター:Yoshiwo Ohfuji

この2〜3年で、マッチングアプリやサイトを利用して、交際・結婚をするカップルが身近に増えてきたように思う。
以前は、「出会い系」と呼ばれ、アングラな印象を持たれがちだった「出会い」を仲介するウェブサービスだが、今やすっかり「恋愛を目的とした出会いの選択肢」の一つとして浸透しつつあるようだ。

その一方で、マッチングサービスを利用する友人たちが口を揃えて言うのが、「出会いが多すぎて、恋愛がわからなくなってきた」ということだ。

他者のプロフィールを自由に閲覧でき、好みの相手にボタン一つでアピールできる手軽さは、利用者の選択の自由度を高めてくれるが、その反面、無数の選択肢を提示することで、利用者の悩みの種となってしまう。

では、こうした課題に対し、サービス提供者側はどのような対応を取ればよいのだろうか?

そんな問いを考えるときに便利なのが「リバタリアン・パターナリズム」である。

人々がよりよく暮らせるために、選択肢を限定するということ

「リバタリアン・パターナリズム」はアメリカの経済学者、リチャード・セイラーと法学者のキャス・サンスティーの二人が2003年に提案した言葉だ。

※画像はイメージです。

「リバタリアン」は文字通り、個人の自由意思が最大限尊重されること「パターナリズム」は、個人の意思決定において、他者が「よりよい結果を生む」という正当化圧力を行使し、介入することを意味する。

一見すると矛盾しているかのように見えるこの単語だが、意味するところは、「人々の自由意志を最大限尊重した上で、行為者をよりよい生活へと誘導する」ということで、「常に拒絶の自由が与えられている」のだという。
セイラーとサンスティーは共著書となる『実践行動経済学』で以下のように述べている。

「パターナリズム」という言葉の意味を限定するために「リバタリアン」という言葉を使うときには、自由を維持していることを意味するにすぎない。そして、「自由を維持する」と言うときには、まさにその言葉通りのことを言っているのである。

(リチャード・セイラー、キャス・サンスティー 著、 遠藤 真美 訳『実践行動経済学』)

さらに、彼らは、「リバタリアン・パターナリズム」の肝となる、人々の自由意志を尊重しながら、よりよい選択肢を選べるような配慮を加えることを「ナッジ(肘でつつく)」と呼んだ。
そして、このナッジを実行するものが、「選択アーキテクト(設計者)」だ。

この「選択アーキテクト」は実際に様々な場面で存在している。
マッチングアプリを例に挙げると、ユーザーにマッチング相手の選択肢を提示するUI/UXを担当するデザイナーは「選択アーキテクト」と言える。
インターネットの発達とともに情報過多に悩まされる人々にとって、「リバタリアン・パターナリズム」は課題を解決する最善の手段のように感じられるだろう。

一方で、その定義の曖昧さや、矛盾を孕んだセンセーショナルな言い回しから、「リバタリアン・パターナリズム」に対し懐疑的な立場をとる人も少なくない。
そして、「リバタリアン・パターナリズム」に向けられる批判の一つが、「選択アーキテクト」が選択を行う個人の好悪や傾向を完全に把握できるのか、というものだ。

しかし、こうした課題の解決策を一つ、私たちは知っている。膨大なデータを蓄積しながら、その中に法則や傾向を見つけるのが得意なもの。そう、AIだ。

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AI主導で最適なマッチング

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