最近、電車に乗っていると完全ワイヤレスイヤホンを使っている人をよく見かけるようになった。
Bluetoothイヤホンはすっかり「定番」となったが、これまでは両耳がケーブルで繋がったものがメインだったはずだ。いつのまにか、両耳に耳栓のように差し込むタイプが主流になりつつある。
その発端にはAppleの「AirPods」があるだろう。
発売当初こそ、装着した様子から「耳からうどん」と揶揄されたが、みんなその便利さに夢中になったものだ。一方、私のようにAndroidをメイン端末にしているユーザは指をくわえてiPhoneユーザの耳から出ているうどんを羨ましく見るしかなかった。
しかしそれも昔の話。ここ1年ほどでOSを問わず使える完全ワイヤレスイヤホンが多く発売された。
これまで普段遣いにはヘッドフォンを愛用してきた私だが、今回はそんなワイヤレスイヤホンの中でも「決定版」との呼び声高い「SENNHEISER MOMENTUM True Wireless」を自腹購入してみたのでレビューをお届けしよう。
まずはつけ心地に満足
実は私が普段遣いにはヘッドフォンを愛用しているのには理由がある。耳の穴が人より大きいようで、イヤホンだと外れてしまうことが多いのだ。(なんとなく恥ずかしいのだが、これが恥ずべきことかどうか分からない)
なので「MOMENTUM True Wireless」を買うことには少々の躊躇いもあった。「合わなかったから誰かにあげちゃおう」と思えるような価格ではないからだ。(著者購入当時のAmazon価格で29,343円)
しかし、友人からの強い薦めもあって購入してみたコレは、なんともつけ心地がいい。「落ちそう」という心配がないのはもちろん、耳への圧迫感もなく、非常に自然な、何もつけていないかのような感覚すらある。
とりあえずは投資が無駄にならず一安心といったところだ。
さすがゼンハイザー!な音の迫力
実は私にとって完全ワイヤレスイヤホンはこれで2機種目だ。
もうひとつ、Ankerの「Zolo Liberty+」を使っていたことがある。これも十分に便利で、メインに使っているヘッドフォンを持ち歩くのが面倒な場合にはよく使っていた。
しかし、やはりヘッドフォン(SENNHEISERのHD 25-1 II)と比較すると音の迫力や没入感に物足りなさを感じてしまい、利用機会はどんどん減る一方。そんなとき友人のすすめで購入したのが今回の「MOMENTUM True Wireless」なのだ。
世の中の常識では、音の迫力・音質はスピーカのサイズと比例することになっている。イヤホンよりヘッドフォン、ヘッドフォンより独立スピーカーといった具合に、大きくなればなるほど、音も基本的には良くなるはずだ。
しかし、驚いたことに「MOMENTUM True Wireless」が出す音はまったくもって「充分」なのである。
もちろん、ヘッドフォンと比較してこちらのほうがいい、とまでは言うつもりはない。そこには逆らえない物理法則があるものの、完全ワイヤレスでこの音であればまったく不満はない。さすがゼンハイザーといったところだろう。
アプリも良くできている
Ankerの「Zolo Liberty+」と大きく違う点は、イコライザアプリが用意されているというところだろう。
これがまたよくできている。これがそのスクリーンショットだ。
画面内の丸いボタンを上下左右に動かすことで低音域・中音域・高温域の音の出方を調整することができる。このイコライザの存在こそが、このサイズで満足できる音を出せる秘訣なのだろう。
個人的には、AdobeのIllustratorで使うベジェ曲線と似た動きで調整できるのも気に入っている理由だ。直感的に理解できる。
後編ではAIアシスタントの使い勝手と便利な利用シーンを紹介
さて、ここまでで「イヤホン」としての基本機能を解説してきた。おおむね、いや、非常に満足している。久しぶりに☆5つのレビューをAmazonに書き込みたいくらいだ。
しかし、それだけではiedgeでこの製品を紹介する理由にはならない。実はこれ、AIアシスタントを呼び出す機能があるのだ。また、自宅で仕事しながら利用してみて、仕事中にこそ使いやすい製品であることもわかった。