今日1日頑張った体を休ませて、明日に向けて体力を回復するための大切な手段の一つ、睡眠。人生の約3分の1を占める部分だからこそ、ないがしろにはしたくないものです。
本記事では、海外で登場している睡眠の質を向上させるためのスマートライトを紹介します。
1日の終わりと始まりをスムーズにするテクノロジー
もう少し寝たい、そんなことを考えつつ目をこすりながらカーテンを開けると、「ま、まぶしい‥」そんな経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。
目覚ましの音に叩き起こされるように目覚めて、手探りで電気をつける。この体験を、もっと自然で快適なものにするため、海外では家庭向けのIoT照明を扱う企業が多く登場しています。
オランダのアムステルダムに本社を置くコーニンクレッカ フィリップス社が、スイスのバーゼル大学と共同で行った実験によると、目覚まし時計が鳴る時間より前から部屋を徐々に明るくすると、電気のついていない部屋で目覚めるのに比べ、起床後のコルチゾール値が上がることがわかっています。
コルチゾールは体内で分泌されるホルモンの一種で、人が日中活動するためのリズムを整える物質の一つです。さらに、暗闇で目覚めた人と比べて日中の気分や認識能力が向上したことも報告されています。
この結果からもわかるように、部屋の照明によって、起床後の気分の状態や、日中のパフォーマンスを上昇させられる可能性もあるのです。
例えば、フィリップス社が販売している「Hue(ヒュー)」シリーズは、世界中の家電メーカーが集まるCES2019にも出展した家庭向けIoT照明です。消灯時間や起床時間をあらかじめタイマーにセットしておけば、状況に応じて光を最適化してくれます。
手持ちのスマートフォンからアプリで照明を点けたり消したりできるだけでなく、色味を変化させたり、明るさを調整したりもできます。さらに、同シリーズのハブであるHue Bridgeがあれば、一つのスマホから複数の部屋の電気を管理することができる点も画期的で、工事などは必要なく手軽に使い始められるのも魅力です。
また、Amazon社のAlexa、Apple社のHomeKit、Google社のGoogle Assistant、Microsoft社のCortanaとも接続できます。つまり、スマートスピーカーがあればアプリを操作せずとも、「電気の色を黄色に変えて」「明るさを半分にして」と声に出すだけで部屋の電気を調整できるのです。
他にも、イギリス・Hive社が手がけるHive Welcome Homeや、アメリカで話題のD2Cマットレス企業Casper社が提供するCasper Glowのように、部屋の電気をスマートに管理できるデバイスが続々と登場しています。
スマートライトで一歩上の睡眠体験を
良い睡眠は、元気の源であり、日中のパフォーマンスを大きく左右します。HiveやCasperは日本未上陸ですが、フィリップス社のHueシリーズは一部日本でも販売しています。「未来の家」は、すぐそこまできているようですね。