Amazon EchoやGoogle Homeといった、スマートホーム向けIoT機器の一つであるスマートスピーカーの登場は記憶に新しいでしょう。
「テレビを消して」「電気をつけて」と話しかけると指示にしたがって実行してくれる様子は、かつてのSF映画に登場したような「近未来」の到来を想起させます。
今回は、スマートスピーカーを始め、スマートホームを取り巻く状況が日本国内よりも進んでいると言われるアメリカのスマートホーム事情に迫ります。
スマートホーム領域における最大の市場アメリカ
Crunchbaseの調査によれば、2019年3月現在、世界中にはおよそ800社の企業がスマートホームに関連する事業を行っており、そのうち米国に本社を構える企業は約460社にのぼります。
米国内でのスマートホーム事業の市場規模は年々拡大しており、2018年には$23,556M(およそ2.6兆円)と、世界最大のマーケットを有しています。また、2019年には市場規模は$27,240M(およそ3兆円)に到達すると試算されており、今後もっとも成長が期待される分野の一つです。(Statista調べ)
また内訳としては、Amazon EchoなどのAIスピーカーに次いで、家の施錠や玄関先に取り付けるセキュリティ機器が普及し始めているそうです。
2017年のStatistaの調査によると、スマートホーム機器の中で、最も普及していたものはAmazon Echoなどのスマートスピーカーの17%、次いで空調などの温度をコントロールするシステムが11%、セキュリティ機器が9%という結果が報告されています。
これらの他には、ルンバなどのお掃除ロボットや、スマートライト、コネクテッド冷蔵庫など、日々の生活をちょっぴり豊かにするアイテムが並びます。
また、米国内におけるスマートフォンユーザーの数は、中国・インドに次いで世界第3位(newzoo調べ)。ここに勝機を見出し、専用のアプリからIoT製品がコントロールできるサービスなど、スマートフォンや既存のWebサービスを活用した新たなサービスも続々と登場しています。
スマートホーム市場の盛り上がりはまだ始まったばかり
2010年創業のNest Labsは、過程向けのスマートホームIoTデバイスを販売しています。同社は、季節や気温に合わせて自動で温度調整をするスマート空調デバイスNest Learning Thermostatや、専用アプリを使ってスマートフォンからいつでもチェックできる室内外用モニターNest Camなどを提供しています。
創業からわずか4年後の2014年には、スマートフォンの普及やスマートデバイスの浸透を見据えたAlphabet社に約3.2B(約3500億円)で買収され、現在は同社の傘下に入っています。
Nest Labs社以外にも、2013年ごろからスマートホーム関連企業が次々と登場しており、同市場の熱はまだまだヒートアップしそうです。
スマートフォンの普により、IoT家電は今後ますます発展すると見込まれています。日本国内でも、Google homeやAmazon Echoなどのスマートスピーカーが人気になり始めており、同市場の盛り上がりは今まさに黎明期にあるといえそうです。