あなたは、スマートフォンをどれくらいの周期で買い替えているだろうか?
1年に1度、フラッグシップモデルに買い換えるという読者もいるだろう(私もそうだ)。毎年のように新技術が登場し、それらを貪欲に取り込みつつ古いものを捨てながら進化を続けるスマートフォンは、2年も経てば古臭く見えてしまう。
では、洗濯機はどうだろう。炊飯器は? 冷蔵庫は?
これらはどれだけ新しいもの好きでも、数年に1度がいいところだろう。これら「白物家電」と言われる一群は機能が限られているだけに技術革新が起こりにくい。
このギャップが、IoT家電の広まらない1つの理由である。
そんな電化製品にもIoTの波
しかし、電化製品も何か付加価値を獲得しなければ売れない。10年は使えるような製品を作りながらも、買い替えをしてもらわないと困るというジレンマに陥っている。
たとえばオーブンレンジ。温め、解凍、グリルはもちろんのこと、最近はワンポットメニューをボタン1つで作ることができる。最後に起こしたブレイクスルーは2004年に「ヘルシオ」が採用した「過熱水蒸気オーブン」だろう。行くところまで行っているのだ。
なので、操作パネルを液晶にしてみたり、それを大きくしたり、といった試行錯誤が続いている。エアコンも、炊飯器も、冷蔵庫も似た状況だ。
そんな電化製品(の開発者)にとって「ホームIoT」というコンセプトは魅力的に映っただろう。十数年ぶりのブレイクスルーを目指して次々に「IoT対応」の電化製品が開発されている。
IoT対応の電化製品たちに未来はあるか?
IoT家電の開発に本腰を入れているメーカーの代表格といえばシャープだろう。
「COCORO+プロジェクト」と銘打ち、家電とコミュニケーションがとれる製品を開発している。冷蔵庫や電子レンジにレシピを聞いたり、洗濯機が天気を教えてくれたりするようだ。
また、住人の生活リズムを理解して適切なタイミングでアドバイスを言うこともできるという。
これがほしいか?と言われれば、それは個々人の判断だろう。
しかし、確実なことを言うのであれば、電化製品の買い替えサイクルと技術革新のスピードには差がありすぎる。いま、多くの「IoT家電」はWi-Fiで接続されているが、パナソニックはそれをLPWAに切り替える実験を行っている最中だ。このような技術革新は、スマートフォンと同じくらいのスピードで進む。つまり、10年使うつもりで買った冷蔵庫でも、1〜2年で古くなってしまう。
だからこそ、汎用性のあるホームIoT製品を選ぼう
シャープの悪口を言いたいわけではなく、サイクルの長い製品に付加価値としてIoTサービスを付けるのは向いていないと言いたいのはわかってもらいたい。
だからといって、これだけ便利になったホームIoTの流れに家電製品が取り残されるのもまた、もったいない話だ。
ではどうすればいいか。サイクルが短く、価格が安く、汎用性のある製品を使うべきだろう。
たとえば、エアコンを操作したいなら「Nature Remo」がいい。レシピを確認したいならキッチンにAIディスプレイを置くといい。天気を教えてほしいならAIスピーカーでいい。自動で炊飯をしたいなら「Switch Bot」を炊飯器に取り付けたほうがいい。
これらは全て1万円前後で購入でき、しかもプレイヤーが多いので新製品の数も多く、買い替えがしやすい。
それに、IoT家電を選ぶのではなく、汎用性のあるIoTガジェットを組み合わせて自分好みにカスタマイズしながらホームIoTを構築するほうが、楽しいし持続性もあるはずだ。
そんなコンセプトの製品をあつめた記事を何本か公開しているので、ぜひそれらを読んで参考にしてもらえればと思う。
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