IoT化が進む現代、新たな時代が到来するのは間近?
現在、IoTと呼ばれる、インターネットとモノが繋がる時代が到来しています。
あらゆるモノがIoT化されてネットワークに繋がることで、生活の情報などの細やかなビッグデータが収集されます。それらの情報をAI(人工知能)によって解析することで、
・様々な社会問題の解決
・新たな価値の創出
・新たなビジネスモデルの構築
などが可能になり、まさに「新時代」の到来が現実のものとなりつつあります。
その一つとして今話題沸騰中の「スマートホーム」ですが、国内外におけるスマートホーム(スマートハウス)の市場規模はどれくらいの大きさなのでしょうか。また、今後の動向はどのように予想されているのでしょうか?
スマートホームとは?
スマートホーム(スマートハウス)の市場規模の話に移る前に、先にスマートホームについて少し触れておきます。
従来、日本におけるスマートホームは「エネルギー・コントロール」に分類されます。
例えば「HEMS(Home Energy Management System)」に代表されるように、主に太陽光発電システムや家庭用燃料電池システムで電気を創り、家庭用エネルギー管理システムを通して「エネルギーの効率利用化」を行い、「省エネ」「蓄エネ」「創エネ」を実現する住宅をスマートホームと呼んでいました。
一方、諸外国(特に北米)は、「エネルギーの効率利用化」以外の「ホーム・セキュリティ」「ホーム・ヘルス」「エンターテイメント」などの部分にも着目して、開発に力を入れています。
具体的には、
・侵入者の防止を防ぐためのセキュリティシステム
・ペットや子供を見守るモニタリングシステム
・介護者や遠隔地の患者を管理するシステム
・オンラインゲームやビデオ等
などのIoT製品が開発され、流通しています。
続いて、スマートホーム(スマートハウス)の市場規模について見ていきましょう。
次ページ > スマートホーム(スマートハウス)の市場
スマートホーム(スマートハウス)の市場規模はどれくらい?
スマートホームを語る上でIoTは欠かせませんが、まずはそのIoTの市場規模をみてみると、2013年に400億ドルに届かなかった市場規模が、2020年までに2,600億ドルを超えるまでに成長すると予想されています。
この間、年間にして数百億ドル単位で成長し続けるとされていますので、IoTの市場規模の大きさ、人々の関心、期待感などがいかに強いのかがわかります。
そして、スマートホーム(スマートハウス)の市場規模ですが、IoTの市場規模の拡大に比例するように、2016年時点で150億ドルだった市場規模は2020年までに500億ドル、2030年までには何と8倍の4,000億ドルにまで成長するだろうと専門家は予測しています。
話を日本に限定してみましょう。
市場調査やマーケティングを行っている「矢野経済研究所 」によりますと、スマートホーム(スマートハウス)の市場規模(ZEH関連主要設備機器を含む)を、
・制御機器(HEMS、スマートメーター)
・創エネ機器(太陽光発電、燃料電池、ガスエンジンコージェネレーション)
・畜エネ機器(家庭用蓄電、V2H)
の7つの機器で定義して調査を行った結果、2011年度に約6,616億円だった市場規模が2020年度にはおよそその2倍の1兆1,795億円に達すると予測しています。
また、同じく市場調査やマーケティングを行っている富士経済 は、スマートハウス関連製品・システム市場を2020年度2兆8,886億円と予測しています。
*数字はあくまで予測ですのでご容赦ください。
スマートホーム市場全体という広い分野で考えると、スマートホーム(スマートハウス)の市場規模は、急速に右肩上がりで成長していくということが推測できます。
さらにこの予測を上回る速度でIoT業界が発展してくると、さらに市場規模が拡大する可能性があります。
再び話を世界に戻しますが、例えば、IoTでネットワークに繋がるデバイスの数は、2015年度には49億個でしたが、そのわずか5年後、2020年度には250億個にも達すると言われています。
そのうち、スマートホーム向けのデバイスは、2013年に7,800万台だったのに対し、2020年には70億台にまで激増するだろうと言われています。
このようにスマートホーム(スマートハウス)の市場規模は、ここ数年間で目覚ましい成長を遂げていますが、今後、私たちの予想を大きく超えて成長する可能性も秘めています。
大きな可能性が秘められたスマートホーム市場!
スマートホーム(スマートハウス)の市場規模の拡大の可能性について見てきましたが、いかがだったでしょうか。
世界的にみるとスマートホームは着実に広まっていますが、日本においてはまだ一般的には普及率も低く、私たちが本当のスマートホームでの生活を体感できるには今後も時間がかかりそうです。
しかし、様々な課題や問題こそ抱えていますが、今回のスマートホーム(スマートハウス)の市場規模動向を見ても分かるように、今後参入する企業が急速に増えれば製品やサービスの低価格化が期待でき、私たち消費者への普及が一気に広まる可能性もあります。
また、現在はIoTによってビッグデータを収集し、AIを通じて解析するといった段階ですが、この先それらのデータを駆使して、「次に何が起こるか」などが予測されるようになり、それらの対処法に関わる意思決定を私たちが支援できるようになる、といった時代がやってきても不思議ではありません。
そうなると私たちの生活はもちろんのこと、企業が提供するサービスやビジネス形態も予想がつかない方向に大きく変化していく可能性があります。
スマートホーム、ひいてはIoTの進化によって、いよいよ本当の「新時代」に突入することになるかもしれませんね。