日本ではハウスメーカーや家電メーカーが主導、海外では?
日本と海外では「家電や電化製品などあらゆるモノをネットワークで繋いで制御することによって効率的・快適に生活することができる住宅」がスマートホームである、という根本的な解釈は同じでしたが、方向性として若干の違いがありました。
例えば、日本では特にHEMSなどのエネルギーコントロール重視の住宅、いわゆる「スマートハウス」がメインとなって市場を開拓し賑わせてきました。ここで中心になってくるのが、住宅を提供する大手ハウスメーカーや、各機器を製造する大手家電メーカーです。
しかし、スマートホーム(スマートハウス)の根本を支えている企業は、ソフトウェアの開発などを手がける「技術」を持った企業であるということを忘れてはいけません。
事実、海外ではAmazon、Google、Appleといった大手IT関連企業や、Wink、Nest(2014年Googleが買収)、Philips、Lockitron、Withingsなどあらゆるソフトウェアの開発に長けた技術系企業が次々と参入して、IoT市場、スマートホーム市場を支えています。
NestやWinkなどはスマートホーム(スマートハウス)企業、スマートホームデバイス企業といった呼ばれ方をすることもありますので、このことからもスマートホームの根本は技術系企業が支え、リードしているという認識が広く普及していると考えることができます。
では、具体的にこれらの技術系企業が開発したスマートホーム(スマートハウス)向けのIoTデバイスにはどのようなものがあるのでしょうか?
ぜひ押さえておきたいスマートホーム向けIoTデバイス4つ!
例えば前の項目でご紹介したAmazon、Google、Appleは、「Amazon Echo」「Google Home」「Apple HomePod」などのいわゆる「プラットフォーム」を提供している企業に分類することができます。
つまり、ハブやゲートウェイなどのように、異なる機器やネットワークに接続されたデバイスを一括に取りまとめる基幹製品を開発し、提供している企業ということです。
そして、それらの基幹製品に対応する各デバイスを開発・製造しているのはWink、Nest、Philipsといった企業です(もちろん自ら基幹製品を開発し、それに対応する各デバイスを開発している企業も多数あります)。
以下に、技術系企業が開発・販売するスマートホーム(スマートハウス)向けのIoTデバイスで、話題性もあり、ぜひ押さえておきたいデバイスを4つご紹介します。
*リンク先は英語表記のサイトになります。
Philips「Hue Starter Kit」(参考価格$263)
ブリッジと呼ばれる基幹デバイスがスマホと電球をつなぎ、専用のアプリをインストールしておくことで何万色もあるカラーの中から自由自在に自分の好きな組み合わせを選んだり、シーンに合わせて記憶させておいたりすることができます。
August「Smart Lock」(参考価格$299)
スマートホームの中でも特に注目度が高いセキュリティに関するデバイスです。既存の鍵を取り外すという手間がありますが、いったん設置すれば外出先からでもドアの施錠や解錠が容易にできるほか、開閉を通知することもできます。
Nest「Thermostat」(参考価格$249)
室内の温度・湿度などの情報を取得して、あらかじめ設定しておいた室温に自動制御してくれるデバイスです。タイマーを使用すれば就寝前はオフにしても起床時は快適空間になっている、といった設定も可能です。
Canary「Total Home Pack」(参考価格$539)
こちらもセキュリティ関連のデバイスです。スマホアプリから鳴らせるサイレン、広範囲を見渡せるカメラ、振動を検知すると即座に録画が開始されるセンサー、音声を確認・録音できるマイク、温度や湿度の記録など、機能は多彩です。
ここでご紹介したのはごく一部ですが、このように本当に色々な技術を持った企業がスマートホーム(スマートハウス)市場やIoT市場に参入し、互いに切磋琢磨しながら市場を支え、リードしているということをお分かりいただけるかと思います。
日本で発売されているデバイスも未発売のデバイスもありますが、今後、通信規格や日本語対応の問題などが徐々にクリアされていけば、私たちの家にもこういったスマートホーム向けIoTデバイスがやってくることになるでしょう。
IoT市場、スマートホーム市場の行く末は技術系企業が担っている
今回はIoT市場やスマートホーム(スマートハウス)市場を支える企業について解説してきましたが、いかがだったでしょうか?
日本のパソコンメーカーであるマウスコンピューターもスマートホーム市場に参入して、初めての方にも導入しやすい「スマートホームスターターキット」の販売を開始しています。
市場の将来を担い、基盤をつくるのは、やはり技術系企業であるといえます。
スマートホーム(スマートハウス)に関わる様々な分野の企業同士がパートナーシップを結ぶことで、より高性能で快適性・利便性が高く、大きな安心を得ることができる真のスマートホームが完成するでしょう。
今後の展開にぜひとも期待したいところです。