科学者は、ウイルスのオリジナルホストを見つけるのに役立つ機械学習アルゴリズムを開発しました。この新しいツールは、死に至るような病気に対する予防措置を知らせるのに役立つと、期待されています。
グラスゴー大学が率いるこの新しい研究では、ウイルスゲノム配列を用いて、RNAウイルスの広範囲スペクトラム(動物からヒトへと最も頻繁に移るウイルス群)の可能性のある天然ホストを予測する、新しいアルゴリズムを使用しています。
ゲノム配列からウイルスの供給源を見つけることは、長年に渡る集中的な現場調査や実験室作業を要しますが、これらが遅れると、動物病原体のワクチン接種や種間の危険な接触の防止などの予防措置の実施を困難にする可能性があります。
研究者らは、ウイルスゲノムに埋め込まれたパターンを動物起源に合わせるために、500を超えるウイルスのゲノムを研究し、機械学習アルゴリズムを洗練させてきました。
これらのモデルによると、ウイルスが血液供給ベクターの咬合を必要とするかどうか、さらに、もしそうであれば、そのベクターがダニ、蚊、ミッドウ、またはサンフライであるかどうかを正確に予測することができます。
研究者らは、”Crimean Congo Hemorrhagic Fever”、”Zika”および”MERS”のような、ホストおよびベクターがまだ知られていないウイルスに、そのモデルを適用しました。モデル予測したホストについては、多くの場合、各分野における現在の最善の推測をすることができたと言われています。
この研究では、コウモリが保有していると推定された4種のエボラのうち2種は、あるエボラ流行の原因であるコウモリのウイルスはなく、ヒト以外の霊長類を指す可能性のある霊長類ウイルスと同等以上の一致を示しました。
グラスゴー大学ウイルス研究センターおよび生物多様性生物医学研究所(MRC)の研究の上級著者であるDaniel Streicker博士は次のように述べています。
「これらのゲノムを使ってウイルスの自然生態学を予測することができるということは、動物のリザーバーとベクターの探索を急速に絞り込むことにつながり、ウイルスが一斉に出現するのを阻止する早期介入ができる可能性が出てきます。」
研究者は現在、世界中の科学者がウイルス配列を提出すると、リザーバーホスト、ベクターおよび伝達経路の迅速な予測結果を得ることができるウェブアプリケーションを開発中です。
(画像引用:https://internetofbusiness.com/ai-researchers-use-machine-learning-to-find-source-of-viruses/)