大手自動車メーカーホンダは、自動運転技術が本格化しつつあるこの時代に、運転の安全性を高める為の"スマート・インターセクション"テクノロジーの実証を行っています。
道路は予測不能な事態が起こりやすく、特にアメリカでは、約40%の事故が交差点で起きています。交差点は歩行者が突然道に出てきたり、他のドライバーが赤信号で急速発進したりと、危険な状況が生まれやすい環境です。
ホンダのV2I技術では、道路沿いのデータを車両に認識させ、車のダッシュボードのモニターに音声と共に警告表示をします。これは特に、聴力障害を持つ人には役立つ技術で、緊急車両が通過する際の警報をモニターで確認出来ます。
"33スマートモビリティー・コリドー・プロジェクト"の一環として、アメリカオハイオ州メアリーズヴィル市と提携して実施されたこの試験計画では、交差点での事故を未然に防ぐ為、車載センサー機能の限界に挑戦しています。
ホンダR&Dアメリカの戦略・調査担当部長のテッド・クラウス氏は、次のように話しています。
「私たちはホンダのV2X技術が"無事故の社会"を実現させる必要不可欠な要素であると信じています。メアリーズヴィル市の協力の元、このV2X技術がどれだけ進化し、効果的に現実社会に導入出来るかを調査する事が可能になります」
ホンダのシステムでは、交差点の各信号機に取り付けられたカメラを使用して交差点300フィート(約90m)範囲を撮影して、周囲の車両や歩行者の状況を把握します。
画像処理ソフトウェアが歩行者、オートバイ、緊急車両等をそれぞれ見分けた360°画像を作成し、重要なデータは専用の短距離通信信号を使って車両に送られます。
車両にはコードを解読し、必要に応じてドライバーへ音声とモニターを使った警告を発する車載コンピューターが取り付けられているので、ドライバーは事故を未然に防ぐ行動を取る事が出来ます。