米国の広告制作会社Redpepperは8月9日、AIによる顔認識技術を使い、高速で「ウォーリーをさがせ」を解いていくロボットアームの映像を同社の公式YouTubeチャンネルで投稿しました。
今回のロボットアームに使用されたAIは、Googleのクラウドプラットフォーム「Cloud AutoML Vision」によって構築されています。まず、カメラでページ全体の写真を撮り、写っている人物の顔を認識します。その中から、蓄積されたウォーリーの顔データに最も近い顔を選択、95パーセント以上一致すると判断された場合、アームが実際にウォーリーのいる位置を指し示します。
Cloud AutoML Visionは、2018年1月から利用可能になったツールで、ユーザーはコーディングの知識がなくても、AIに機械学習を行うことが可能です。使用方法は画像をドラッグアンドドロップするだけと、本当に簡単です。
Cloud AutoML Visionで画像データを学習させることによって、たとえばラーメンの写真から店舗を判別するなど、多様な使い方が可能になります。下記動画では、ウォーリーの画像を読み込ませているプロセスを垣間見ることができます。
(Video:YouTube/Redpepper)
今回のAIロボットアームの開発者である、Redpepperのマット・リード氏によると、今回の機械学習に際して、彼はGoogle画像検索から62通りのウォーリーの頭部画像をAIに読み込ませたとのことです。
リード氏はそれがサンプルとして十分な量でないのではと不安だったようですが、動画を見る限りその精度は驚くほど高いものです。
彼はこれまでCloud AutoML Visionの使用経験がなかったとのことですが、今回のロボットアームは1週間で開発できたとのことです。
顔サンプルを学習して、そのデータに最も近いものを選択するというプロセスは、教科書を参照しながら試験問題を解くような行為にも思えますが、私たちの脳内でウォーリーを探すプロセスとそれほど変わりありません。
私たちとAIで違う点といえば、参照元のデータがAIでは驚くほど正確で、参照速度も人間と比較にならないほど速いということです。
今後、機械学習がより手軽に行えるようになるにつれて、このようなアイディアが無数に実現されていくかもしれません。