Microsoftは6月26日(日本時間6月27日)、同社AI部門のブログにおいて、AIによる顔認識技術の改良によって、より幅広い肌の色において認識精度が高まっていると発表しました。
ブログ記事によると、誤り率は、黒人男性と女性で20倍、女性全体で9倍改善したとのことです。同社は認識AIをより大きくより多様なデータセットでトレーニングしており、この積み重ねが精度の改善につながっています。
Microsoftの上級研究員であるハンナ・ウォラック氏は「我々のAIが偏った社会に基づいて偏った形で訓練されているならば、我々はその偏りを排す方向で動かなければならない」と今回の発表の背景について言及しました。
2018年2月、MITのMedia Labが、Microsoft、IBM、中国のMegviiの顔認識システムをそれぞれテストし、黒人女性の35%の性別を誤って判断していたことを報告しました。この報告書は、何年も言われていたことを改めて確認しただけです。
顔認識システムは、限られたデータセットや体系的な人種差別のような要因によって偏りが生じることがあります。Googleの顔認識AIは2015年、黒人男性を「ゴリラ」と認識し、このエラーについてGoogleが謝罪しなければなりませんでした。
Microsoftの発表では、顔認識システムでの人種的偏見が減少していることが示されています。今後も改善を続けていくことで、それはさらに進んでいくことでしょう。