近年、Photoshopをはじめとした画像加工するツールが使いやすくなるにつれて、また、ソーシャルメディアの発展も手伝い、ショッキングな内容のコンテンツがすばやく、事実を確認されることなく拡散されてしまう事例が相次いでいます。
これらの代表的ツールと言われるPhotoshopを開発元であるAdobeは、機械学習を使って、加工された画像を自動的に判別する方法を研究することでそれらを抑制する取り組みを行っています。
同社の広報担当者は、これが「初期段階の研究プロジェクト」だと語りましたが、将来的にはデジタルメディアの真正性を監視し、検証する役割を果たすことを望んでいるとのことです。
新しい研究論文は、機械学習によって3つの一般的なタイプの画像操作を識別するのかを示しています。一般的な画像操作の例としては、画像の2つの部分を結合させるスプライシング、画像の一部をコピーして貼り付けるクローニング、画像の一部を削除するリムーバルが挙げられます。
このような編集が行われると、画像センサーによって生成される色や輝度の不規則なばらつきが残されます。たとえば、2つの異なる画像をつなぎ合わせたり、画像のある部分から別の部分にオブジェクトをコピー&ペーストしたりすると、壁面の汚れが少し違った色で覆われているようになり、ノイズが発生します。
他の多くの機械学習システムと同様に、Adobeは改ざんされた画像の例を膨大に学習させることで、改ざんを示す共通のパターンを見つけ出しています。
ただ、現状では応用性に乏しいことが、その実用化を制限しています。しかし、Adobeがこれらの研究を行っていることは業界の自浄作用として意義のあることであり、今後テクノロジーが発展すればするほど、このような動きは重要になっていきます。今後の動向にもぜひ注目していきましょう。