中国のスマートフォンメーカーVivoは6月12日、”完全ベゼルレス”スマートフォン「NEX」の発売を発表しました。2月のMWCで発表されたコンセプト機Apexがベースになっており、前面の約91.2%がディスプレイで占められています。
2017年にiPhone Xが登場して以来、ベゼルレスを謳いながらフロントカメラ付近に「ノッチ(切り欠き)」部分を設けるスマートフォンが雨後の筍のように発表され続けていますが、NEXではフロントカメラを格納式にすることで、ほぼ全面のベゼルレス化を達成しました。
また、スピーカーはディスプレイ内部に搭載されており、本体ガラスを振動させて音を鳴らす方式の「スクリーン・サウンドキャスティング・テクノロジー」を採用しています。
また、背面や前面下部に配置されることの多い指紋センサーも、ディスプレイ内部に搭載されています。Apexのように画面の下半分ほとんどを覆うような広範囲のものではありませんが、これも非常に画期的なシステムです。
CPUは最新のSnapdragon 845、8GBのRAM、256GBの本体ストレージ、4,000mAhのバッテリーと、基本スペックでは2018年6月現在では最高水準となっています。
また、ディスプレイは1080pの6.59インチ有機ELディスプレイを採用しており、精細な大画面が楽しめます。
近頃のフラッグシップモデルでは省略されることの多いイヤホンジャックを搭載していることも、アピールポイントとなり得るかもしれません。
NEXのプロトタイプ機Apexでは角ばったフォルムのせいかフロントカメラ格納機構による厚みが強調されてしまう印象でしたが、NEXでは丸みを帯びたデザインと薄型化のおかげで、いくらかその印象は改善されているように見えます。7.98mmの厚みは確かに2018年の水準では厚い部類に入りますが、それほど気になるほどの厚みではありません。
現状でNEXは、フロントカメラを下部に配置したXiaomi Mi Mix 2Sと並んで、最も「ベゼルレス」のコンセプトを実現しつつあるモデルと言えるでしょう。
機になる価格に関しては、ハイエンドモデルが4,998元(約86,000円)と、iPhone X(約140,000円)より安く、同じ中国メーカーのフラッグシップモデル、たとえばXiaomi Mi8(約56,000円)よりは高い水準となっています。ただ、Mi 8は同スペック隊のモデルとしては破格の安価となっているため、NEXはそれほど高価というわけではありません。
NEXの日本国内展開の予定は立っていませんが、この意欲的なコンセプトはスマートフォンの今後の潮流に影響を与えることになるかもしれません。
(画像:Vivo)