「ひらくPCバッグ」などが対象の保険商品が登場
(画像引用:https://superclassic.jp/)
「ひらくPCバッグ」「薄い財布」「かわるビジネスリュック」という製品名を聞いたことがある方も多いだろう。SUPER CLASSICが製造販売している製品である。
私のようにテック業界で記者活動をしていると、そのユーザーの多さに驚くことも多い。記者会見会場を見渡すと記者席のあちらもこちらも「ひらくPCバッグ」が置かれている、ということがあるほどだ。
そのSUPER CLASSICがTrackR、東京海上日動と共同で盗難補償の保険商品を発表した。
具体的には「ひらくPCバッグ」などと「TrackR」そして東京海上日動の「盗難補償」のセット商品になっている。
保険内容を詳しく読んでも「TrackRが作動していないと保険が無効」というわけではなさそうだが、すべてをバラバラに購入するよりも安く手に入れられるようである。
これは当然、Iot探しものデバイス「TrackR」を持つことによって盗難されても発見できる可能性が高まることを前提とした商品企画なわけだが、テクノロジー、特にIoTを組み合わせた保険商品はこれからもおおいに可能性があるだろう。
テクノロジーが自動車保険を変えつつある
アメリカでは自動車分野でIoTと保険の組み合わせ商品がすでに多く発表されている。
日本の自動車保険は走行距離に応じた「マイレージ型」と過去の実績に基づいた「等級型」に大きくわけられるが、アメリカでいま人気を集めているのは「PHYD型」と呼ばれるものだ。
これは「Pay How You Drive」の略で、要するに運転の腕前を評価して保健額を決定する仕組みのこと。
自動車本体に搭載されたドングルやブラックボックスの評価をもとに保険金額を決定するため、たとえば自動車運転歴の浅い若者の保険額を適正に――上手ければ安く、下手なら高く――判断できるため評価されている。
これとコネクテッドカーが組み合わされれば、よりきめ細かい保険サービスができることは誰にでも想像できるだろう。
運転の腕だけでなく、いつ・どこを・誰と・どうやって運転しているか、といったより多くの情報から保健額を決定できるからだ。
そして、それに近いものを実現している会社がある。テスラだ。
そもそもテスラ車はオートパイロットなど独自機能が多いために既存の保険では対応しきれなかったということもあり、自社で収集したデータをもとにした新たな保険商品を発売している。
また、国内ではトヨタがあいおいニッセイ同和損害保険と共働で高級車ラインを中心に運転データの自動収集をもとにした「PHYD型」の保険を昨年発表したばかりだ。
この流れは他の自動車メーカーにも広がっていくことだろう。
IoTと保険のビジネスはまだまだ伸びる
たとえば、フィットネストラッカーと組み合わせた健康保険(ペットを使った偽装が流行りそうだが…)や、住宅監視システムと組み合わせた住宅保険、位置情報によって所在地の危険度を判断する旅行保険…。
考え始めるとさまざまなビジネスが可能になるのでは、と夢が膨らんでくる。
新しいビジネスをIoTと保険を軸に考えてみると、意外なビジネスチャンスと出会えるかもしれない。