Microsoftは5月21日、AI開発企業Semantic Machinesを買収することを発表しました。Semantic Machinesは人間と自然に会話するAI技術に強みを持っていて、Microsoftの音声アシスタントCortanaの会話能力を押し上げる狙いの買収と見られています。
Semantic Machinesは2014年に設立されたスタートアップ企業で、カリフォルニア大学バークレー校のダン・クライン教授と、Appleの音声科学研究チームの元責任者であるラリー・ギリック氏の二人が共同設立者となっています。
会話型AIの第一人者として知られる二人が率いるチームを引き入れることで、Cortanaはもとより、300,000人の開発者が使用している同社のAzure Bot Serviceも強化される見込みです。
Microsoftは既にCortanaのアシスタントに人間の声を使用しています。Haloの開発元である343 Industriesと密接に協力し、2014年には英語版Cortanaの声に声優のジェン・テイラーを採用しました。
また、Semantic Machinesの買収により、同社の本拠地のバークレーオフィスが会話型AIセンターとして利用される予定です。
また、Googleも同様にAIの会話能力を人間に近づけようと積極的に取り組んでいます。5月初めに発表したGoogle Duplexでは、Googleアシスタントが電話をかけ、ユーザーの代わりに美容室やレストランの予約を実行できるようにしました。
Google Duplexは、AIがAIであることを電話で名乗るべきかという論争を引き起こしましたが、MicrosoftはTwitterのbotが人種差別発言を繰り返して炎上した過去を持っているため、今回の買収によるより自然な会話の推進に関しても、Googleよりも慎重になるものと見られています。