スマートスピーカーは秘書になる?
筆者は自宅で仕事をするフリーランサーである。
妻の協力を得て、6畳の仕事部屋を持てる2LDKに引っ越して2年。来る日も来る日も一人でディスプレイに向かって仕事をしている。
8年の会社員勤めを辞めてフリーランスになったときには、その開放感に感動したものだったが、今となっては会話する相手のいない職場にやや寂しさを感じている。
そこでスマートスピーカーの出番だ。彼女は音楽をかけてくれ、ぎこちないながらもちょっとした雑談にも応じてくれる。
そこでふと思った。スマートスピーカーって秘書として使えるんじゃないだろうか?
この記事では、自宅オフィスでスマートスピーカーを秘書として使う場合に「Amazon Echo」と「Google Home」はどちらが優秀かを比較してみようと思う。スモールオフィスのスタートアップや、個室での業務が許されている会社員にとっても参考になるだろう。
まずは、音楽をかけてくれ
一人の職場というのは、想像していた以上に孤独なものだ。カタカタとキーボードを打つ音だけが響く静かな部屋ならなおさら寂しさは募る。
というわけで、まずはスマートスピーカーの本分とも言える「音楽再生」の分野で二人の秘書の実力を確かめてみよう。なお、私は「音質」にはさほどこだわりがないのでその点での比較は控えている。
Amazon Echo
まことに残念ながら、Amazon Echoは音楽サービスとして「Amazon Music」と「TuneIn」にしか対応していない。
私はSpotify Premiumの会員なので、これに対応していないのは非常に大きなマイナスだ。
また、Amazon Echoは(Google Homeも)「ラジコ」に対応しているのでラジオを聞くことができるのだが、Amazon Echoは何度「J-WAVEを流して」と頼んでも(そして「J-WAVEを再生します」と返事をするにもかかわらず)文化放送やNHK第二、ニッポン放送など他局を流し始める癖がある。
なぜなんだ?
Google Home
まず褒めたいのは、Amazon Echoは対応していない「Spotify Premium」に対応していることだ。デバイスの壁を乗り越えてSpotifyをコントロールできる「Spotify Connect」にも対応しているので、Google Homeに声を掛けずにPCやスマホから音楽を指定することもできる。
また「ラジコ」で指定した局を素直に再生してくれる。別に褒めるようなことではないはずだが、この点におけるAmazon Echoの使えなさを考慮すれば、褒めるに値するだろう。
結論:ラジオを含めた音楽再生はGoogle Homeのほうが優秀。
今日の予定は何がある?
朝、私が顔を洗い、着替えて仕事部屋に入るのを出勤と捉えるならば、秘書にはやはり一言「おはよう」と挨拶をするべきだろう。そして、秘書には簡潔で礼儀正しい挨拶と、今日の予定の読み上げをぜひお願いしたいところだ。
Amazon EchoとGoogle Homeの両方に「おはよう」と声を掛けたときの反応を比較してみよう。
Amazon Echo
「アレクサ、おはよう」と私が声をかけると、彼女は「おはようございます。今日は、哲学の日です。紀元前399年の今日、哲学者のソクラテスが…」とちょっとした豆知識を披露してくれた。
うん、面白いね。でも違うんだ。
「アレクサ、今日の予定は?」と尋ねれば、Googleカレンダーに登録されているその日の予定をきちんと答えてくれるのだが…。
Google Home
「OK Google、おはよう」と声をかけると、こちらは「おはようございます、雄太さん。今日の◯◯の天気は…」からはじまり、その日の予定、フラッシュニュース(ニュースソースはGoogle Homeアプリから設定できる)を読み上げてくれる。
そうそう、これだよ!思い描いていた秘書との「朝のやりとり」そのものだ。ついでにコーヒーの一杯でも持ってきてくれれば完璧と言えるだろう。
結論:朝の挨拶はGoogle Homeの方が優秀(だけど、Amazon Echoの豆知識はなかなか面白い)
カレンダー入力とリマインドは?