スマートスピーカーの開発を行う米企業Sonosが株式公開の準備をしていると4月5日、米サイトVarietyが報じています。Sonosは最近数週間、上場企業における法務および財務部門での経験者を募集しています。
求人内容の中で、Sonosは財務報告を上場企業のルールに準拠させるための準備を進めていると述べています。広報担当者は「株式公開はすべてのテック企業が多かれ少なかれ考えるものです」とコメントしています。
また、法務部門においても、上場企業での経験を必須要件としています。Sonosは求める人物像として「数十億ドル規模の上場企業において会社の法務部門最高責任者または副責任者として経験を有し、M&A、商業契約、訴訟・紛争解決、プライバシー、雇用契約、グローバルな公共政策に精通する者」と規定しています。
これらの要件だけでは、Sonosが上場の準備中だと言い切ることはできませんが、財務部門責任者の求人の中で、同社はSOX法404条への準拠を進めていると述べています。
SOX法404条への準拠は、米国の法律で最も複雑かつ負担が重い部分の1つで、一般的に民間企業は上場の準備ができていない限り、この対応を進めることはありません。
Sonosはインターネット接続されたスマートスピーカーのパイオニアであり、最近では音声アシスタント付きスマートスピーカーのトレンドにも追随し、2017年にはAlexa搭載スマートスピーカー「Sonos One」をリリースしました。
Sonosはまた、専門店舗の展開も開始し、ニューヨーク、上海、ロンドンに店舗を開店しました。来週には、ベルリンにも新規出店する予定です。店舗展開の拡大は、Apple、Google、Amazonなどのスピーカーと競い合うことを目指しているSonosにとって非常に重要視されています。
ただ、AmazonやGoogleに対抗し得る販売網を確立することには巨額の費用がかかるため、株式公開が資金調達の選択肢の1つとなります。最新の求人情報や、SOX法準拠などを見るに、Sonosの株式上場の日は近そうです。