米総合情報サービス大手ブルームバーグのレポートによると、Appleは現在、カリフォルニア州の本社近くの施設で秘密裏にmicroLEDパネルの設計、製造を行っているようです。
同施設ではこのパネルはまずApple Watchから採用されると見られており、同施設ではApple Watchサイズを現在製造中とのことです。Apple Watchでは現在、LG製の有機ELパネルを使用しています。
microLEDは、有機ELのようにパネル全体のバックライトに頼るのではなく、各ピクセルが独自の光を放つ複雑な新しい発光ディスプレイ技術です。有機ELでは使用とともに輝度が低下していく課題がありましたが、microLEDではそれが比較的抑えらえ、さらにコントラスト、エネルギー効率、視野角にも優れています。
現在microLEDに積極的に取り組んでいるのはサムスン電子で、今年1月のCESでは146インチのmicroLEDテレビ「The Wall」を展示しています。価格は発表されていませんが、8月の発売を予定しています。
AppleはmicroLED技術に早くから関心を持っており、2014年にはmicroLEDを開発するスタートアップLuxVueを買収しました。2017年には、日本経済新聞によって、Apple WatchにmicroLEDが使用される計画があるとも報じられました。
AppleがmicroLEDの大量生産できるようになれば、初めて自社製品に自社製パネルを搭載することになります。しかし、現状では主力製品群に対してはパネル製造を外注しなければならない状態のため、当面はサムスンやLG Displayなどの企業がAppleの設計と仕様に合わせてLCDパネルと有機ELパネルを製造する模様です。
現状、microLEDは成熟した技術ではなく、小規模であっても、Apple自身がパネルを実際に製造する動きは、将来的に他社に性能面で差をつける余地を残しています。