AlexaはスマートホームのAIアシスタント市場で最前線を走り続けていますが、競合他社も着実に地盤を固めています。マイクロソフト社は、同社のAIアシスタントCortanaがWebスケジューリングサービスIFTTTに対応したと発表しました。
IFTTTは「IF THIS THEN THAT(こうなったら、こうなる)」をキャッチフレーズとしたスケジューリングサービスで、異なるWebサービス同士を連携させることが可能です。
2017年10月、Cortanaは、Samsung SmartThings、Nest、Philips Hue、Wink、Insteonなどのスマートホームプラットフォームとの連携を開始しました。そして2018年、ecobee、Honeywell Lyrics、Honeywell Total Connect Comfort、LIFX、TP-Link Kasa、Geeniなど、そのラインナップは拡大しました。
これらのスマートデバイスはすべて、Windows 10、iPhone、Android、またはスマートスピーカーHarman Kardon InvokeのCortanaを使用して制御できます。
Cortanaは他のスマートホームアシスタントと同じように使用することができます。たとえば、家で仕事中に部屋の温度を設定する場合は、Windows PCで「Cortana」をタップして、「Cortana、リビングの温度を22度に設定して」と言うだけで、対応サーモスタットによって温度を調整します。
また、朝に慌てて寝室の照明を消し忘れた場合は、スマートフォンでCortanaアプリを開き「Cortana、消灯して」と言えば安心です。照明以外でも、スマートプラグとの連携させることで、ヘアーアイロンやこたつなどの消し忘れの気になるデバイスを遠隔でオフにすることができます。
CortanaがIFTTTに対応したというニュースは、さらに刺激的です。IFTTTは、幅広い分野の600のサービスで動作します。マイクロソフトのCortana公式ブログによると、IFTTTを使用して、独自のフレーズで独自の操作をすることが出来ます。
たとえば設定次第で「Cortana、ムービーモード」と言うと、照明をオフにして、テレビをオンにして、サーモスタットで温度を調整、ブラインドを下げる、なんてこともできるようになります。
Cortanaは、Alexa、Googleアシスタント、Siriに比べるとまだ使われていないアシスタントかもしれません。しかし、家庭でも職場でもWindows PCに標準搭載されているという事実は潜在的アドバンテージとなり得ます。
今後、Cortanaの機能がより充実し、スマートホームデバイスがさらに広く普及した時、AIアシスタント戦争のダークホースとなるのはCortanaかもしれません。